再会

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062164658

作品紹介・あらすじ

誰がうそをついている?幼なじみの四人が校庭に埋めた拳銃は、二十三年の時を経て再び放たれた。それぞれの想い出が重なるとき、時を越えたさらなる真実が目を覚ます-!全てはタイムカプセルにとじ込めた-はずだった。第56回江戸川乱歩賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 帯に記載されていた通り、丁寧な仕上がりの作品でした。お互いに仲間のことを思いやる、ピュアな少年少女達の気持ちが、こちらまで伝わってきました。

  • 殺人事件に使われた拳銃。
    在処を知っていたのは幼馴染の四人だけ。
    嘘を吐いているのはだれ…?


    万季子の息子・正樹がスーパーで万引きをしたと店長の佐久間から呼び出された。
    佐久間は、万季子の幼馴染の直人の腹違いの兄・秀之だ。
    万季子は、佐久間に万引きの事を学校や警察に通報しないかわりに金を要求される。
    あの男が金を渡しただけで引き下がるものなのか…。
    元夫・圭介に相談した万季子だったが、正樹の将来を思い要求に応じる事に…。
    圭介と共に出向き30万円を渡すも、更なる条件を出してきた。
    次の日、再度取引の為に訪れた圭介は佐久間の死体を発見する。
    その場を去った二人だったが、刑事となった幼馴染の淳一から事件に使われた拳銃が、
    23年前の事件で、四人がタイムカプセルに入れ埋めたものだったと知らされる。
    万季子・圭介・淳一そして佐久間の異母弟・直人。
    いつも四人で遊んでいた、とても仲の良い幼馴染だった四人。
    一体、誰がタイムカプセルから拳銃を持ち出したのか?
    拳銃を密かに埋めた秘密を共有する強い絆で結ばれたはずの四人が、
    バラバラになってしまったのは何故なのか?
    淳一が夜ごとうなされ続け、深酔いすると恋人の博美に暴力を振るってしまうのは何故なのか?
    誰が嘘をついているのか…?
    そして、23年前の事件の真相は…?

    現在の佐久間殺しの事件の捜査と、仲良し四人の小学時代のお話が交互に描かれている。
    主に幼馴染の四人の視点で、順繰りに語られている。
    少しずつ明らかになっていく事柄。
    佐久間殺しの事件の真相と共に過去の秘密も明らかになっていく。
    色々と予想をしながら読んでましたが、過去の事件はやっぱり淳一が…と、早い時点で
    想像していましたが、良い意味で違っててホッとしました。
    23年前の事件の犠牲者の主婦の幼い子供が気になってて、
    博美…なんて予想してたのも外れてた(笑)

    終盤、万季子親子と博美が偶然行動を共にするところは、少し都合良過ぎって感じましたが、
    それぞれの抱える苦悩が、丁寧に見事に描かれていました。
    大人になった今も、お互いを変わらず思いやる姿が感動的でした。
    万季子が三人に手を広げて倒れ込む様に体を預けたシーン良かった♪
    南良さんの姿も良いなぁって感じたし、執念に感動しました。

  • 少々ご都合主義な面が悔やまれる作品だった。
    しかし情報量や伏線が多いにも関わらずとても読みやすく、ちょっとした2時間ドラマ的っつーか火サスな心積もりで読めるというのも才能のひとつだと思う、などと言っておく。

    疎遠だった幼馴染4人が事件をきっかけに再会し、ついでに23年前に起きたとある事件まで解決しちゃおうぜって話。
    南良刑事のスペックがパねえんだが、如何せん魅力を感じられず、というか4人ともなかなか面白い背景があるのに、誰一人として好きになれない、興味を持てないという残念な感じに。

    横関さんはこれから、という作家さんだな。

  • 江戸川乱歩賞だそうで。で、点は辛めです。
    プロットの構築は過去と現在を行き来している点も含めてかなりいいとは思いますがそこが視点がぶれるという効果を狙った読みにくさのようなものを誘発している気がする。登場人物たちの関係や暴かれた過去の真実にも目新しさは特に感じなかった~自分がひねてるせいか?
    ミステリーとしての才能の発露ではあるのでしょうが読み手をおいてけぼりにするような独りよがりも。~自分の読解力の無さか?
    探偵役に据えた過去につながる若い刑事、わざと抑えたのでしょうが、もっと魅力を持たせても良かったのでは~自己チューな結果論だけど。
    ご都合主義と言えなくもない最後数ページでの展開、伏線はあったにせよ、ミステリー読みには物足りないのでは。ドンデンを狙っていたのであれば、書き込み不足か。~自分、文句付けすぎの感・・・。

  • 一つの事件をきっかけに幼馴染4人が23年ぶりに再会する。現在の事件と過去のつながりや時間軸が行きつ戻りつして展開していく。サクサク読めて面白かった。

  • 乱歩賞らしい話ではありましたが、話の筋は半ばには見えてしまいます。流石に最後のあれは想像外でしたが。

  • 年末に、嫁さんが図書館で借りてきていた、「横関大」のデビュー作で江戸川乱歩賞受賞作の『再会』を読みました。

    昨年の12月、フジテレビ系列でドラマ化された作品を観て、なかなか面白かったので、原作を読んでみたくなったんですよね。

    -----story-------------
    第56回江戸川乱歩賞受賞作。
    全てはタイムカプセルにとじ込めた ―― はずだった。
    誰がうそをついている?
    幼なじみの4人が校庭に埋めた拳銃は、23年の時を経て再び放たれた。
    それぞれの想い出が重なるとき、時を越えたさらなる真実(なぞ)が目を覚ます――!

    予選委員会から本選考会まで、常にトップを走り続けた驚愕の小説。選考委員、喝采
    幾度も挑戦し、ここに大きな成果を得た受賞者に、心より拍手を送りたい――「天童荒太」
    「乱歩賞の傾向と対策」のようなものから解放された――「東野圭吾」
    話作りも丁寧で抜群の安定感――「恩田陸」
    想像を絶するほどの苦心のあとが窺える――「内田康夫」
    -----------------------

    テレビドラマで一度観ていた影響もあるんでしょうが、読みやすくて、休日に一気に読み終えました。

    原作とドラマでは、若干、設定が異なる部分はありましたが、原作に忠実なドラマ化だったようです。
    (なかなか出来の良いドラマだったと思います… )

    読んでいると、ドラマの場面やキャストが頭に浮かんできましたね。

    ≪ドラマの主なキャスト≫

     ■飛奈淳一 ⇒ 江口洋介
     ■岩本万季子 ⇒ 常盤貴子
     ■清原圭介 ⇒ 堤真一
     ■佐久間直人 ⇒ 香川照之
     ■佐久間秀之 ⇒ 杉本哲太
     ■南良涼 ⇒ 北村有起哉
     ■松本博美 ⇒ 長澤まさみ
     ■小杉房則 ⇒ 北村総一朗

    原作を読んだだけでは、23年前に起きた森の中での撃ち合いの場面が、ちょっとわかり難かったかもしれませんが、ドラマを観ていたので頭の中にイメージを描きやすくて、理解が早かったですね。

    スーパー店長「佐久間秀之」が銃殺された事件を契機に、幼なじみの4人が係わった23年前の事件の真相が徐々に明らかになるとともに、今回の殺人事件の謎も解けていく展開は、テンポが良くて愉しく読めました。

    さすが江戸川乱歩賞受賞作ですね。


    備忘用に登場人物を。(Wikipediaより)

    飛奈 淳一(とびな じゅんいち)
     三ツ葉警察署刑事課強行犯係刑事。
     酒を飲むと同棲相手の博美に暴力を振るってしまう。
     万季子とは小・中学校の同級生。
     早くに父親を亡くし、母子家庭で育った。

    岩本 万季子(いわもと まきこ)
     美容室〈シーズン〉の美容師、店長。
     シングルマザー。
     息子・正樹の万引きの件で秀之に金銭を要求され、元夫の圭介に相談する。

    清原 圭介(きよはら けいすけ)
     万季子の元夫。建築士。現在は渋谷で大学時代の先輩と〈SKS建築事務所〉を共同経営している。
     万季子とは小学校の同級生。駐在警官だった父の死を機に、小学校卒業後に東京の親戚の元へ引っ越した。
     万季子との離婚理由は、事務所の独立に当たって本格的に東京に腰を落ち着けたい圭介と、既に横浜の私立小学校に通っていた正樹の進学問題を重視した万季子との意見の相違によるものであった。
     現在は再婚しており、妻・琴乃は妊娠9カ月だが、万季子にはまだ再婚したことも伝えていない。

    佐久間 直人(さくま なおと)
     サクマ産業の専務で実質的な経営者。
     秀之の腹違いの弟。
     万季子とは小・中学校の同級生。
     万季子が初恋の相手だった。

    佐久間 秀之(さくま ひでゆき)
     フレッシュサクマ三ツ葉南店店長。
     直人の異母兄。
     正樹が起こした万引きを理由に万季子を脅迫し、金と肉体関係を強要する。
     23年前に万季子ら4人がタイムカプセルに隠した拳銃で殺害される。

    南良 涼(なら りょう)
     神奈川県警捜査一課刑事。
     アメリカの大学で犯罪学について学んだエリート。
     淳一とコンビを組む。

    多村 美帆(たむら みほ)
     美容室シーズンの美容師、従業員。

    岩本 正樹(いわもと まさき)
     万季子の息子。
     12歳、私立小学校6年生。
     フレッシュサクマ三ツ葉南店で万引きをする。

    盛田 昭二(もりた しょうじ)
     三ツ葉警察署刑事課強行犯係 警部。

    小杉 房則(こすぎ ふさのり)
     三ツ葉警察署署長 警視。

    大島 伸和(おおしま のぶかず)
     23年前の銀行強盗犯。
     当時45歳。
     和雄と撃ち合いになり死亡した。
     奪った現金3000万円は発見されていない。

    佐久間 秀正(さくま ひでまさ)
     秀之と直人の父親。
     佐久間家の当主。
     脳溢血で倒れ入院している。

    清原 和雄(きよはら かずお)
     圭介の父親。
     駐在所の警官で、休日には万季子ら4人も含め地元の子供たちに剣道を教えていた。
     23年前、逃亡していた銀行強盗犯を追跡中に撃ち合い死亡した。
     万季子ら4人も現場近くにおり、圭介が父親の形見として拳銃を持ち出し、警察では凶器は行方不明と判断された。

  • 流石乱歩賞受賞作だけのことはある。今まで読んだ横関作品の中でも一番面白かったかも。後出しじゃんけんの多い展開方法も気にならない良く出来たプロットと、主人公4人の人物造形・描写が丁寧で過不足ない点が最大の魅力。南良刑事の伏線は本当に上手い。気になったのは2点だけ。淳一の恋人と万季子母子の出会い方が余りにも不自然なことと、万引きした正樹の心情描写やケアが全く記述されていないこと。処女出世作に求めすぎかもしれないが、秀作ならではの欲ということで。

  • 過去と現在が交錯する
    現在、過去 双方の謎を紐解いて行く事によって全ての真相が明らかになっていく
    飄々としていながらも鋭い眼力ですいすいと真相に迫っていく南良さんが良いキャラクターをしていて、この物語の真の主人公
    相対的に淳一の無能っぷりが際立つ
    同級生四人組だがいずれも
    DV 不倫 女々しい半端者
    子供が万引きした程度の事で先走った行動に出てしまう親
    とどうにも好感を持てない人達ばかりで、身勝手な行動もあって人間ドラマとしては楽しめなかった

  • 乱歩賞受賞作は、やっぱり巻末の選評が一番怖い。

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著者プロフィール

1975年静岡県生まれ。武蔵大学人文学部卒。2010年『再会』で第56回江戸川乱歩賞を受賞。著書に『ルパンの娘』『ピエロがいる街』『沈黙のエール』『チェインギャングは忘れない』『スマイルメイカー』『グッバイ・ヒーロー』『炎上チャンピオン』『仮面の君に告ぐ』『いのちの人形』などがある。

「2023年 『ゴースト・ポリス・ストーリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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