家康、死す 下

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 80
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062165020

作品紹介・あらすじ

家中には、まったく怪しまれずにいる身代わりの家康。しかし、世良田次郎三郎には、疑問が日毎ふくれあがってくる。そして、ついに暗殺の首謀者に辿り着いた時、次郎三郎にも裏切りの誘いの手が。武田信玄の死、織田信長の天下取り-家康出生の謎が、三河・遠江をはじめとする戦国の世に、風雲を運んでくる。

感想・レビュー・書評

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  • これはなかなかみっけもんだった。解決しそうで解決しないサスペンス的展開は、続くと下巻でダレるかと思えば、ぐいっと盛り返し、最後はまぁ多少強引と思いつつも、なかなかにいい終わり方だったように思う。
    退屈になりがちな家康ものとしては、異色でよかった。

  • 下巻です。上巻がとても面白かっただけに若干のトーンダウン。家康と世良田とのからみが少なくなったせいか、謎が明らかになることによる「どこに敵が潜んでいるか分からない恐怖感」の減少のせいなのか・・・十分に面白いのだが、信康にフィーチャーしていくことによって、読後の爽快さがなくなってしまう。史実を知っているだけに、着地点が見えてしまう感じだ。最後にこの点をひっくり返せたらさらに面白さ倍増であったのに、残念。

  • 上巻~の続き。
    徐々に本性を表していく替え玉の家康。本来の家康の嫡子である信康に家督を譲るのか?また、武田軍との攻防が続く中、世良田次郎三郎の家康暗殺犯の解明が続いていく。
    歴史の史実に則っているため、最後はややこじつけに近いまとめ方になっていたが、家康影武者説諸説につながるようなラストになっていたと思う。歴史エンターテイメントとして完成度は高い作品だと思った。

  • 家康が暗殺される。が、父親を同じにする別腹の人間が僧侶としていたのて、徳川家を守るためその僧侶を家康として仕立て上げる。しかし、その裏には更なる謎があり、死んだ家康は、本当の家康ではなく幼少の頃そののちに僧侶として育てられる本当の家康と密かに取り替えられていた。そして本当の家康を元に戻す為にその暗殺が行われたのだと。
    壮大な作り話なのだが、歴史上の史実をうまく取り入れて作り上げているのでめちゃくちゃリアリティがある。これは映画化してほしいなあ。
    伸び長野時代から秀吉が死ぬころまでの家康を巡る様々な人間が絡む壮大な陰謀のお話、楽しめました。

  • 徳川家康が死んだ後の別人家康の話です。

    以前に、隆慶一郎さんの「影武者徳川家康」という本を読んだことがありますが、その本では関ヶ原の戦いで家康が死に、影武者である世良田次郎三郎が家康になり、秀忠との抗争を広げる、という内容でしたが、この本では、三河を平定した直後の死んでしまいます。

    なので、新家康が姉川の合戦や三方が原の戦いなどを重臣である世良田次郎三郎と共に新しい解釈のもとに乗り越えていく様子が描かれています。

    最後はちょっとあっけないところもありますが、史実に収めるためには仕方がないところかもしれません。

    ↓ ブログも書いています。
    http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-2374.html

  • 隆慶一郎の『影武者・徳川家康』では世良田次郎三郎が家康の影武者となっていたが、宮本昌孝版の次郎三郎は影武者家康の側近、しかも対立する立場になっている。まぁ、出自も不明だし、文献も少ないところからして自由に創作しやすい人物なのかも。

    今作もそれなりに面白かったが、正直、先の隆慶一郎作のモノの方が私は面白くて好みだった。史実との照らし合わせも隆作品の方が緻密だったし、家康影武者説のリアリティもより強く感じられていたと思う。それとはまた異なる説として今作も楽しめたのではあるが、上下巻の割に内容は意外とあっさりとしていたかな。その分、先の作品より読みやすくはあり、人それぞれで好みは分かれるかも。どうせ読むなら、2作品とも読んで違いを堪能するのが良いと思う。

  • 縄田一男『日経 時代小説時評 1992-2010』にて評されていたもの。
    「故隆慶一郎『影武者 徳川家康』へのオマージュと挑戦」と縄田氏は評していたが、私は『影武者 』を超えている思った。
    どちらもいわゆる網野史学系の非常民に焦点を当てている事は同じなのだが、『影武者』の方が、徳川宗家家臣関係者によって買い占めされたと噂された『史疑徳川家康事蹟』の内容を忠実に進めているのに対して、本書は世良田次郎三郎の役割をがらりと変えて登場させた事により、全く新しい影武者モノとして最後の最後まで一気読みさせてくれた。

  • 始まって5頁めくる間に家康が序章で殺されて、まず衝撃的で笑った

    なかなか面白かったし、ぞくっともしたけど絵に描いた餅みたいな読後感だった

    たまにシモシモするところが、何の本に掲載されたんだろ、と気になったが、なんと新聞だった!

    いいのか…

  • そうなんやと思った

  • 上巻の面白さが薄れてしまってるのが残念です。
    家康の存在感が薄いのが原因ですかね。
    もっと次郎三郎との駆け引きがあれば面白かったんですが。
    オチは、まあまあかなというところでしょうか。

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著者プロフィール

1955年静岡県生まれ。日本大学芸術学部卒業後、手塚プロ勤務を経て執筆活動に。95年、『剣豪将軍義輝』で、一躍脚光を浴びる。おもな代表作は『海王』『ふたり道三』『夏雲あがれ』『家康、死す』『風魔』『陣借り平助』など。『乱丸』で2015年第4回歴史時代作家クラブ賞作品賞を受賞。近著に『天離り果つる国』がある。

「2023年 『義輝異聞 将軍の星 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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