願い

著者 :
  • 講談社
3.19
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062165099

作品紹介・あらすじ

可愛い妹が欲しい、元恋人と復縁したい、部下と不倫をしてみたい、とにかく誰かと話したい…。芥川賞作家が掬い取る、街にあふれたいくつもの小さな願いごと。静かだけれど切実な、9つの物語。

感想・レビュー・書評

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  • *ささやかでいい。叶ってさえくれれば――
    可愛い妹が欲しい、元恋人と復縁したい、部下と不倫をしてみたい、とにかく誰かと話したい……。
    芥川賞作家が掬い取る、街にあふれたいくつもの小さな願いごと。静かだけれど切実な、9つの物語*

    心の奥の柔らかい部分にふわりと触れる、やさしい風のような物語の数々。単純明快なオチなどはなく、ありふれた日々の物語を丁寧にすくい取り、ゆるりと仕上げているので、余韻が残る読後感。読む人、読む時期によっても感じ方が変わりそう。

  • 読みやすいけど特に何も残らない…。
    子供3人も産んで育ててくれた妻に対して、嫁選びに失敗したとか言う男の話は胸糞悪かった。
    ツイ廃のヒモ彼氏にフラれたアラフォー女をみんなで励ます話は好きだったな。女友達っていいなあ。

  • 小さな願いを持っている人たちを主人公にした短編集。といっても願い事が叶えられるわけではない。大事件は起きないし、ハッピーエンドでも泣ける結末でもない。主人公たちは願いを持ちながら、今日は終わって、また明日へ続く、そんな話ばかり。普通の毎日ってそういうことだなと思う。

  •  死にたいのか生きたいのか。死にたいのか生きたいのか。死にたいのか生きたいのか。死にたいのか生きたいのか。生きたいのか死にたいのか。
     心の中で何度も考え、
    「甘ったれんな」
     と小さく口に出して言った。
    (P.212)

  • 読みやすかった!他の本も読んでみたいな。

  • 願い 一つ一つの願いが交差する

  • 難しく考えずにサラッと読める。ちょっとサラッとし過ぎな感もあるけど。
    短編で終わらせずに広げられそうな物語ばかりなのに、宙ぶらりんな終わり方で何だかモヤモヤ。まぁ『願いを叶える』じゃなく『願い』がテーマだから、願った事がどうなったかというのは大した問題じゃないのかも。
    読後感は悪くないけど、しばらくしたら内容は忘れてしまいそう。

  • 家族を題材にしたお話がメインの短編集。どれもオチは曖昧なんだけれど、ふわりと暖かい。
    元恋人に誘われた女子野球チームの助っ人をする男の話、ファウルボール。昔兄にもらった願いが叶う玉を大人になるまで大事にしている妹の話、願い玉。この二つが特に好き。
    全体的に飄々とした人たちの、ちょっとした出来事を、書いているんだけどどれもラストがラストらしからぬ感じ。少し明るい予感、で終わってる。だから話は中途半端。それが逆に面白い。
    曖昧なままのお話が、その後どうなるのかは、読んだ人の数だけ展開がある。 この短編は推理じゃないから、あえてそれでもいいのかなと思った。
    気持ちが少し軽くなる作品。

  • 短編

    つるとくまで、少女怪談に出てきた美々加の少し成長したのが出てきてわろたw

    亡くなったおばあちゃんが生前に、3つ願い事を聞くと言っていたのを思い出した失業中の奈緒

    妹にあこがれ、親が再婚し念願の妹に兄としての情熱を注いだタツ

    会社の女子社員と寝たいとつい思い、妻にその気持ちをほんの少し気づかれてしまう二郎

    幽霊が見える同級生と、母の恋人のくまさんと、美々加

    いい年した息子3人はいつまでも独身で、妹の葬式で自分のときは散骨してもらいたいと思う新平

    別れた彼女に草野球の助っ人に来てほしいと言われ、ひそかに復縁を願った信夫

    誰からも電話が来なかったら、死のう、と思っていたレイ

    願い玉を小学生のときに兄にもらい、以来大事に扱い充実した生活を送る知子

    あ、全部に願いが入ってる、と気づいた)^o^(

  • 久々に藤野さんを読んだ。文体、割と好き。ぐっとくるような、残るものはあまりない。強いて言えば、お願い玉、が良かった。

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著者プロフィール

1962年福岡県生まれ。千葉大学教育学部卒。95年「午後の時間割」で第14回海燕新人文学賞、98年『おしゃべり怪談』で第20回野間文芸新人賞、2000年『夏の約束』で第122回芥川賞を受賞。その他の著書に『ルート225』『中等部超能力戦争』『D菩薩峠漫研夏合宿』『編集ども集まれ!』などがある。家族をテーマにした直近刊『じい散歩』は各所で話題になった。

「2022年 『団地のふたり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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