竜が最後に帰る場所

著者 :
  • 講談社
3.63
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本棚登録 : 988
感想 : 189
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062165105

作品紹介・あらすじ

闇の中から一歩、また一歩と光射す方へ誘われる、「夜市」の著者の新たな到達点にして最高傑作。

感想・レビュー・書評

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  • R2.12.27 読了。

     「夜市」に続き2作目。不思議な世界観の5編の短編集。恒川さんの小説はとても読みやすく、読後はもっと恒川ワールドに浸っていたかったなあと思いました。
     この5編の中で、パラレルワールドや人生の分岐点を思わせて、冬にしか出会えない夜行の話の「夜行の冬」、不思議なオウムと人の交流を描いた「鸚鵡幻想曲」、親や仲間たちや他の生き物の営みや毛のない猿(人)たちとの交流を通して、自身が成長しながら、竜が最後に帰る場所を求めて旅していく「ゴロンド」が好きな作品です。
     また別の恒川さんの作品も読んでみたいです。

  • 5話収録の短編集。

    「風を放つ」
    短めの一話目。
    ちょっとした悪戯心からしたことに、手痛いしっぺ返しを食らうんじゃないかとドキドキひやひやしたけれど、さらりと終了。ほっとするやら気が抜けるやら。

    「迷走のオルネラ」
    現実の狂気に満ちた事件から、虚実入り混じった物語へ。
    救いを与えるふりをした救いのないお話。

    お話自体に関係ないけれど、
    並行読みしていた「経眼窩式」とかぶる設定があって混乱。
    オルネラという文字になんとなく「ねこひきのオルオラネ」を思い出した。あちらはお爺さんだけど。

    「夜行の冬」
    怖くて幻想的な夜行の光景に、一行に加わりたいと誘惑される。
    結末は好きではないけれど。
    飲み込む闇より、闇に飲み込まれた心が怖い。
    自分が同じ立場でも、同じことをするだろうなと思うのも怖い。

    「鸚鵡幻想曲」
    一番好きなお話。展開に驚いた。
    意外な「偽装集合体」を「解放」したところで終わらず、さらに鸚鵡目線でお話が続く。
    解放者への復讐と、おとぎ話で王子様が呪いを解かれるような結末。
    50ページ強でこれだけ練りこんで、散漫にもならず過不足もない。すごい。

    「ゴロンド」
    竜の半生記ともいえるファンタジー色の濃い一篇。
    彼らが最後に帰った場所はどこだろう。
    広げた想像の翼が起こす風が彼らのもとにも届いたら、
    いつかまた毛無し猿の末裔に会いに来てほしい。

    • まっきーさん
      九月猫ちゃんへ

      私もね…
      「夜行の冬」の一行に加わりたいと思ったんです。
      でもラストがおぼろげにしか覚えていないので、いつか再読し...
      九月猫ちゃんへ

      私もね…
      「夜行の冬」の一行に加わりたいと思ったんです。
      でもラストがおぼろげにしか覚えていないので、いつか再読してみようかな♪と思ってます。

      恒川推しで布教していたので、ファンが増えて、とってもうれしいです(o^∀^)
      では、またね~☆

      2014/07/01
    • 九月猫さん
      まっき~♪ちゃん、こちらにもコメントありがとー!
      お返事はそちらの本棚にφ(・ェ・o)~行くね☆
      まっき~♪ちゃん、こちらにもコメントありがとー!
      お返事はそちらの本棚にφ(・ェ・o)~行くね☆
      2014/07/02
  • とても独特な世界観で、作者の描いた世界に完全に持っていかれるような、不思議な感覚でした。5つの不思議な世界の短編集。
    「迷走のオルネラ」と「夜行の冬」は、柔らかい薄い膜と靄が漂っている様な雰囲気なのに、最後はゾッとする…そんな人間のお話。
    「ゴロンド」が一番好きかなぁ。表題のお話で、とてもとても壮大な生命の物語でした。
    他の作品も読んでみたいな。

  • 本屋さんで「素敵な表紙の本だなぁ…」と手に取ったら、恒川光太郎さんの新刊でした!
    そのままレジへ。

    今回も幻想的な美しさを纏った短編集でした。
    「夜行の冬」は恒川さんらしいホラー…ページから冬の風が吹いてきたようにぞくり。
    「鸚鵡幻想曲」が一番好みでした。
    終わり方が救われるから、でしょうか。

    気付けば恒川さんの本は全部読んでるなー…。
    ホラーなのに読めちゃうのは、お盆に飾る回り提灯のような世界の美しさに酔ってしまうから。

  • 人間のドロドロとした部分を描いた作品が多かったように思います。
    恒川光太郎さんは、人間の欲とか悪意を容赦なく描き出すから読んでいて気分が悪くなることも…
    それに恒川ワールドが加わるとなんとも不思議な世界観になるんだけど。
    最初の三編はドロドロで、最後の二編は幻想的で不思議な気持ちになりました。

  • 表紙…どうよ?今までと雰囲気が…違う。

    だが、内容は好きなタイプで一日で読破。軽くて読みやすい。
    『風を放つ』
    『迷走のオルネラ』現実的なストーリーで珍しい…と思ったが、途中から奇妙な方向へ反れっていった。
    『夜行の冬』は完全なる恒川ワールド全開。こういうのピカイチで、私はこういう恒川さんが好き。
    『鸚鵡幻想曲』これが一番好きです。「偽装集合体」「解放」…少し恋愛も入っていて、楽しめた。
    『ゴロンド』進化の記憶、前世の記憶、太古の記憶、私たちの中にもこの記憶があるから、懐かしく思う。

    • まっきーさん
      九月猫ちゃんへ

      こんにちは。
      おぉ~!読み終えましたか!(は、早い!)

      「鸚鵡幻想曲」面白かったの記憶に残ってます。
      「夜行...
      九月猫ちゃんへ

      こんにちは。
      おぉ~!読み終えましたか!(は、早い!)

      「鸚鵡幻想曲」面白かったの記憶に残ってます。
      「夜行の冬」も鳥肌立ったけど、今はもうどういう最後だったのか…
      ぼんやりとしか覚えていません。
      九月猫ちゃんと話したら、また再読してみようかな~と思っちゃいました。

      「雷の季節~」はしっかりした世界観で描かれているから
      じわじわと来ますよ♪確かに「新世界より」の里の雰囲気に似ているかも。

      「夜市」や「草祭」「秋の牢獄」もなかなかいいですよ~(o^∇^o)
      恒川さんハズレなしですよ。(私は2冊途中で挫折したことがありますが・汗)

      恒川さん大好きです♪恒川ワールド楽しんでね(o^∀^)
      2014/07/01
    • 九月猫さん
      それがねー、雑用に追われ、眼精疲労に苛まれ・・・で、お話はおもしろいのに
      集中できなくて時間かかっちゃったのよー(^^;)
      (現在も続い...
      それがねー、雑用に追われ、眼精疲労に苛まれ・・・で、お話はおもしろいのに
      集中できなくて時間かかっちゃったのよー(^^;)
      (現在も続いて同じ状態で「雷の季節・・・」が進まない~っ!)

      まきちゃんも「夜行」に加わりたいと思ったんだね。(こちらにお返事まとめるね)
      怖いけれど、次の町の新しい生活って魅力的だなぁって思っちゃうよね。
      現実には「次の町」に行けないから、いろんな人生を覗いたり味わったりできる
      読書という行為が好きなのかもしれない・・・なーんて。

      「夜市」の他にもおススメありがとう♪
      「秋の牢獄」はかなり気になっていたので、ぜひ読みます!

      恒川ワールドに招いてくれて、ありがとう~♪
      2014/07/02
    • まっきーさん
      九月猫ちゃん。

      そっかー。忙しさと眼精疲労大変ですね…。
      「雷の~」は何気にページ数多いから、他の作品よりも時間かかった記憶がありま...
      九月猫ちゃん。

      そっかー。忙しさと眼精疲労大変ですね…。
      「雷の~」は何気にページ数多いから、他の作品よりも時間かかった記憶があります。

      眼精疲労やドライアイつらいよね(ノДT)
      読書ますます進まなくなりますよね。目お大事になさってください。


      >現実には「次の町」に行けないから、いろんな人生を覗いたり味わったりできる
      読書という行為が好きなのかもしれない・・・なーんて。
      いやいや、本当に九月猫ちゃんの言うとおりだと思います!
      物語の中で旅をしたり疑似体験出来たりするので、読書って本当に癒し入ってるな~と思います♪

      私もね、九月猫ちゃんの本棚から刺激をただいているので、いつもありがとうね~って思ってますよ(o^∀^)
      2014/07/03
  • ミステリアスな短編5篇。
    さらっと読める不思議ちゃん系。ホラー?ともミステリー?ともファンタジー?ともいえるような。

    「風を放つ」
    バイト先で知り合った社員の彼女から電話がかかってくる。
    甘えた感じの、生意気な女。
    彼女は人を殺せる魔法の小瓶を持っているのだという。
    彼女と待ち合わせをしてすっぽかし、その後数年してから彼女のことを思い出す。

    「迷走のオルネラ」
    なんというか、けっこういかれた話。
    DV男に母を殺される。男の狂気がかなり怖い。逃げる少年が見た、男の手の血にぬれた包丁。
    男の娘の描いた漫画を読む。刑務所から出てきた男を洗脳する。
    つながりがよくわからなかった。

    「夜行の冬」
    これ、面白かった。
    冬の夜に、真っ赤なコートに、赤い帽子をかぶり、長く黒い髪の夜行さんが行く。彼女についていけば、別の世界に行くことができる。ただし、遅れると闇に食われる。
    奇想天外な設定だけど、妙な説得力がある。
    最後には余韻がある。しかしどう解釈してよいのやら。

    「鸚鵡幻想曲」
    かなりヨイ。これがよかったので、★4つ。
    「偽装集合体」を「拡散」できるという男に出会った私は、男に拡散され、鸚鵡20匹になってしまう。なんとまぁ、自分で書いてみてもおかしな話なんだけど(笑)
    南の島にわたり、ヒトから見えぬ者として、暗躍する。そして、女に恋をする。

    「ゴロント」
    水中から陸へ。そして大空へ羽ばたいて。
    最初、蛙になるんだと思ってた。
    最後の話だけ、他の4編と違ってだいぶファンタジー。

  • 『風を放つ』『迷走のオルラネ』『夜行の冬』『鸚鵡幻想曲』『ゴロンド』の5編。


    設定は違うのに全てに共通感を感じる。全ての話しに漂う空気感が一緒だ。
    好きな空気。
    恒川さんの他の本も読もう。

  • これまで私が読んだ、恒川さんの作品と比べると、より現実的で、人の心の闇の部分を取り上げた作品が、いくつか見られた短篇集というのが、率直な印象。

    そのなかでも、「迷走のオルネラ」は、クニミツに宗岡、その娘ユキが書く漫画に、コジマアヤカといった、キャラクター同士の関わりが絶妙に絡み合っており、物語としての完成度がすごいと思った。しかし、すごく怖い。オチが私の予想に反して、ファンタジックに救済しているように見えるけど、鳥肌立ったなあ。ちょっと村田沙耶香さんのような雰囲気もあった。

    ただ、そういった作品だけではなく、初期の頃の切ない和の怪談を思い起こさせる「夜行の冬」や、竜の成長を人間のそれであるかのように瑞々しく描く「ゴロンド」等、すごくバラエティに富んでいて、楽しめた。

    個人的に一番好きなのは「鸚鵡幻想曲」。最初は性を感じさせる内容かと思ったら、途中から、不思議な爽やかさを持った、ユーモラスな感じに変化していく展開が面白かった。

  • 少し不思議な話、五つの短編集。
    雰囲気がとても良いのでゆっくり浸ってるときに読むのがオススメ。
    よくこんな発想ができるなと尊敬してしまうすごく好き。

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、『夜市』で日本ホラー小説大賞を受賞しデビュー。同作で直木賞候補に。14年、『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。著書に『雷の季節の終わりに』『秋の牢獄』『南の子供が夜いくところ』『竜が最後に帰る場所』『金色の獣、彼方へ』『南の子供が夜いくところ 』『スタープレイヤー』などがある。

「2021年 『滅びの園』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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