竜が最後に帰る場所

著者 :
制作 : くまおり 純 
  • 講談社
3.63
  • (64)
  • (156)
  • (153)
  • (23)
  • (4)
本棚登録 : 925
レビュー : 177
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062165105

作品紹介・あらすじ

闇の中から一歩、また一歩と光射す方へ誘われる、「夜市」の著者の新たな到達点にして最高傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 5話収録の短編集。

    「風を放つ」
    短めの一話目。
    ちょっとした悪戯心からしたことに、手痛いしっぺ返しを食らうんじゃないかとドキドキひやひやしたけれど、さらりと終了。ほっとするやら気が抜けるやら。

    「迷走のオルネラ」
    現実の狂気に満ちた事件から、虚実入り混じった物語へ。
    救いを与えるふりをした救いのないお話。

    お話自体に関係ないけれど、
    並行読みしていた「経眼窩式」とかぶる設定があって混乱。
    オルネラという文字になんとなく「ねこひきのオルオラネ」を思い出した。あちらはお爺さんだけど。

    「夜行の冬」
    怖くて幻想的な夜行の光景に、一行に加わりたいと誘惑される。
    結末は好きではないけれど。
    飲み込む闇より、闇に飲み込まれた心が怖い。
    自分が同じ立場でも、同じことをするだろうなと思うのも怖い。

    「鸚鵡幻想曲」
    一番好きなお話。展開に驚いた。
    意外な「偽装集合体」を「解放」したところで終わらず、さらに鸚鵡目線でお話が続く。
    解放者への復讐と、おとぎ話で王子様が呪いを解かれるような結末。
    50ページ強でこれだけ練りこんで、散漫にもならず過不足もない。すごい。

    「ゴロンド」
    竜の半生記ともいえるファンタジー色の濃い一篇。
    彼らが最後に帰った場所はどこだろう。
    広げた想像の翼が起こす風が彼らのもとにも届いたら、
    いつかまた毛無し猿の末裔に会いに来てほしい。

    • まっきーさん
      九月猫ちゃんへ

      私もね…
      「夜行の冬」の一行に加わりたいと思ったんです。
      でもラストがおぼろげにしか覚えていないので、いつか再読し...
      九月猫ちゃんへ

      私もね…
      「夜行の冬」の一行に加わりたいと思ったんです。
      でもラストがおぼろげにしか覚えていないので、いつか再読してみようかな♪と思ってます。

      恒川推しで布教していたので、ファンが増えて、とってもうれしいです(o^∀^)
      では、またね~☆

      2014/07/01
    • 九月猫さん
      まっき~♪ちゃん、こちらにもコメントありがとー!
      お返事はそちらの本棚にφ(・ェ・o)~行くね☆
      まっき~♪ちゃん、こちらにもコメントありがとー!
      お返事はそちらの本棚にφ(・ェ・o)~行くね☆
      2014/07/02
  • 本屋さんで「素敵な表紙の本だなぁ…」と手に取ったら、恒川光太郎さんの新刊でした!
    そのままレジへ。

    今回も幻想的な美しさを纏った短編集でした。
    「夜行の冬」は恒川さんらしいホラー…ページから冬の風が吹いてきたようにぞくり。
    「鸚鵡幻想曲」が一番好みでした。
    終わり方が救われるから、でしょうか。

    気付けば恒川さんの本は全部読んでるなー…。
    ホラーなのに読めちゃうのは、お盆に飾る回り提灯のような世界の美しさに酔ってしまうから。

  • 人間のドロドロとした部分を描いた作品が多かったように思います。
    恒川光太郎さんは、人間の欲とか悪意を容赦なく描き出すから読んでいて気分が悪くなることも…
    それに恒川ワールドが加わるとなんとも不思議な世界観になるんだけど。
    最初の三編はドロドロで、最後の二編は幻想的で不思議な気持ちになりました。

  • 表紙…どうよ?今までと雰囲気が…違う。

    だが、内容は好きなタイプで一日で読破。軽くて読みやすい。
    『風を放つ』はイマイチ。『迷走のオルネラ』現実的なストーリーで珍しい…と思ったが、途中から奇妙な方向へ反れっていった。
    『夜行の冬』は完全なる恒川ワールド全開。こういう話を書かせるとピカイチで、私はこういう恒川さんが好き。だが尻すぼみに失速感、ラストをもうすぐ捻ってほしかった。
    『鸚鵡幻想曲』これが一番好きです。「偽装集合体」「解放」…少し恋愛も入っていて、楽しめた。
    『ゴロンド』進化の記憶、前世の記憶、太古の記憶、私たちの中にもこの記憶があるから、懐かしく思う。

    前作よりずっと楽しめた。

    • まっきーさん
      九月猫ちゃんへ

      こんにちは。
      おぉ~!読み終えましたか!(は、早い!)

      「鸚鵡幻想曲」面白かったの記憶に残ってます。
      「夜行...
      九月猫ちゃんへ

      こんにちは。
      おぉ~!読み終えましたか!(は、早い!)

      「鸚鵡幻想曲」面白かったの記憶に残ってます。
      「夜行の冬」も鳥肌立ったけど、今はもうどういう最後だったのか…
      ぼんやりとしか覚えていません。
      九月猫ちゃんと話したら、また再読してみようかな~と思っちゃいました。

      「雷の季節~」はしっかりした世界観で描かれているから
      じわじわと来ますよ♪確かに「新世界より」の里の雰囲気に似ているかも。

      「夜市」や「草祭」「秋の牢獄」もなかなかいいですよ~(o^∇^o)
      恒川さんハズレなしですよ。(私は2冊途中で挫折したことがありますが・汗)

      恒川さん大好きです♪恒川ワールド楽しんでね(o^∀^)
      2014/07/01
    • 九月猫さん
      それがねー、雑用に追われ、眼精疲労に苛まれ・・・で、お話はおもしろいのに
      集中できなくて時間かかっちゃったのよー(^^;)
      (現在も続い...
      それがねー、雑用に追われ、眼精疲労に苛まれ・・・で、お話はおもしろいのに
      集中できなくて時間かかっちゃったのよー(^^;)
      (現在も続いて同じ状態で「雷の季節・・・」が進まない~っ!)

      まきちゃんも「夜行」に加わりたいと思ったんだね。(こちらにお返事まとめるね)
      怖いけれど、次の町の新しい生活って魅力的だなぁって思っちゃうよね。
      現実には「次の町」に行けないから、いろんな人生を覗いたり味わったりできる
      読書という行為が好きなのかもしれない・・・なーんて。

      「夜市」の他にもおススメありがとう♪
      「秋の牢獄」はかなり気になっていたので、ぜひ読みます!

      恒川ワールドに招いてくれて、ありがとう~♪
      2014/07/02
    • まっきーさん
      九月猫ちゃん。

      そっかー。忙しさと眼精疲労大変ですね…。
      「雷の~」は何気にページ数多いから、他の作品よりも時間かかった記憶がありま...
      九月猫ちゃん。

      そっかー。忙しさと眼精疲労大変ですね…。
      「雷の~」は何気にページ数多いから、他の作品よりも時間かかった記憶があります。

      眼精疲労やドライアイつらいよね(ノДT)
      読書ますます進まなくなりますよね。目お大事になさってください。


      >現実には「次の町」に行けないから、いろんな人生を覗いたり味わったりできる
      読書という行為が好きなのかもしれない・・・なーんて。
      いやいや、本当に九月猫ちゃんの言うとおりだと思います!
      物語の中で旅をしたり疑似体験出来たりするので、読書って本当に癒し入ってるな~と思います♪

      私もね、九月猫ちゃんの本棚から刺激をただいているので、いつもありがとうね~って思ってますよ(o^∀^)
      2014/07/03
  • 随分前に読んだものを久し振りに再読、あらためて感動。
    とくに表題作は秀逸。
    5歳の生き物好きの子供に読み聞かせたい。

  • 面白かった!
    これってジャンルはなんなんだろう?ホラー?ダークファンタジー?
    「風を放つ」特に何も起こらなかったな…とちょい不満。高尾さんが主人公の陰口叩いてたのガッカリしたけど、人間とはそういうものかもしれん。
    「迷走のオルネラ」暴力シーンに苦しくなりながら、マスター・ヴラフの選択に唸りました。ただ殺したりする復讐よりも、怖い。
    「夜行の冬」超おっかない。おっ、ちょっと楽しげな雰囲気来たな、と思った直後の暗転すごい。私も同じことをしてしまうと思う。
    「鸚鵡幻想曲」アサノの手つきがなんだかエロティック。面白い発想ですね。一番好きだったかもしれない。ラストがなんだかファンタジーな感じで良い。
    「ゴロンド」ゴロンド可愛いよキュワワ可愛いよ。彼らが到達した場所に行きたい。

  • 読みやすく、それぞれ毛色の違う作品を収めた恒川光太郎の短編集。共通するテーマは「解放」だと思うのですが、「解放」のニュアンスが作品によって違っています。

    「風を放つ」と「迷走のオルネラ」はリアリズムの手法で描かれ、幻想は現実の裏に仄めかされる形で提示されています。

    「夜行の冬」は「秋の牢獄」を彷彿とさせる物語で、初期からの読者には懐かしさを覚える方も多いのでは。

    「鸚鵡幻想曲」はシュールレアリスム的な表現と奇想が光る話。

    「ゴロンド」で描かれるのは、人間とは別種の生き物の生と帰巣。ル・グィン好きの私はアースシー世界をちょっと思い出してしまいました。

  • 恒川光太郎初読み。5編の中短編から成る幻想的な作品集。とっても面白かった!5編全部外れなし。「迷走のオルネラ」「鸚鵡幻想曲」が好き。「鸚鵡幻想曲」はヒッチコックの映画『鳥』が何故か脳裏によぎった。タイトルの意味は最後まで読んだらわかるけど、胸の奥がきゅんとなった。文庫になったら買おうと思った。いい本に出会えた。2011/558

  • 鸚鵡の話が一番好きです。
    不思議で、でもどこか冷たい感じが良い。

  • 独立した短編集5編
    迷走のオルネラは途中で展開が分かってしまい残念でした。話はダークですが童話の教訓話のようで面白かったです。
    5編のなかでは鸚鵡幻想曲が一番好きです。これで終わりかな?とおもったあとにも続きがあり単調だったお話が二重構造になり最終的に丸く収まる感じが読んでいてとてもスッキリしました。この人の話はダークなものが多いのでたまにはこんなハッピーエンドもいいなと思いました。

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、『夜市』で日本ホラー小説大賞を受賞しデビュー。同作で直木賞候補に。14年、『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。著書に『雷の季節の終わりに』『秋の牢獄』『南の子供が夜いくところ』『竜が最後に帰る場所』『金色の獣、彼方へ』『南の子供が夜いくところ 』『スタープレイヤー』『ヘヴンメイカー』などがある。

「2019年 『白昼夢の森の少女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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