竜が最後に帰る場所

著者 :
制作 : くまおり 純 
  • 講談社
3.63
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本棚登録 : 925
レビュー : 177
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062165105

感想・レビュー・書評

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  • はっきりとして読みやすい文体で、
    不思議な世界を描きつづる恒川さんの短編集だ。

    ●風を放つ
    アルバイト先の先輩の友人というマミが、ある日「ぼく」に電話をしてきた。「ぼく」にとってはどうでもいいことだが、風をとじこめた小瓶をもっているのだという。その風を放せば人を襲うこともできるという・・・。

    ●迷走のオルネラ
    母子家庭でそだった「私」は、13歳のときから、母の愛人の宗岡に虐待されていた。彼が家に来るたびに恐れ隠れる日々。そしてある日、逆上した宗岡に包丁で母は刺殺された。懲役20年の刑を得た彼の存在は、成長していく「私」にある使命を感じるようになった。(オルネラは、作中の中の絵本に登場する猫の名前だ。)

    ●夜行の冬
    有る冬の夜、寝ようとしていた「ぼく」は、薄い金属音が擦れるような鈴音を聞いた。導かれるように外へ出ると、赤いコートを着た女が何人もの人を従えて、もくもくと歩いているのを見た。そのまま「ぼく」も行列に加わり、ほぼ一晩歩いたあと、元の自分の住んでいた街へ帰って来たのだが・・・。

    ●鸚鵡幻想曲
    偽装集合体。聞きなれない言葉だが、眼に見えている形からそのものの存在感が違っているものをいうそうだ。この作品の登場人物アサノは、その物体を見極める能力があり、その物体の集合部分をほどいて本来ある姿に戻すことができるという。偽装集合体を解体したくてたまらないアサノは偽装集合体を捜す旅にでた。そしてピアノを購入した「私」を見つけた。

    ●ゴロンド
    ゴロンドなづけられた竜の種族の生い立ち。水の中で生まれ、たくさんの「死」への危険を乗り越えて、「竜が最後に帰る場所」をゴロンドは目指す。

    本のタイトルは、
    最後の「ゴロンド」の作品中にでてくる言葉からつけられたのだろう。
    表紙は、それぞれの作品にでてくるキーワードが1つづつ描かれている。
    少し意味不明な結末の作品もあったが、
    怪奇な世界は十分に伝わる作品だった。

    表紙の猫は、我が家の猫ちゃん、そっくり!
    ・・・・思わず、この本を手に取っていた、というわけである。

  • 彼の作品は、読んでいると情景があざやかにイメージできるような、そんな物語ばかり。幻想的。

  • ファンタジーでも、やっぱりちょっとひねっていじわるな感じ。
    なんとなく「めでたしめでたし」では終わらない読後感。
    それでも、恒川作品の中ではしあわせのシッポが
    見えたような感じになります。
    わりとさらさらと読めます。
    早い人では一日あれば読んでしまうかも。

  • 長編かと思ったら違った。
    全5編。面白さにバラつきがあるなぁ。
    「風を放つ」
    ★★★
    なんだよ、後味の悪い悪戯かよ。

    「迷走のオルネラ」
    ★★★
    これまた後味悪い。

    「夜行の冬」
    ★★★★

    「鸚鵡幻想曲」
    ★★★★
    二つに分けた方が好きです。アンバランス。話がひとつになっていない感。前半が面白かった。
    読んでいて色彩が感じられた。映像化したらどんな風になるんだろう。

    「ゴロンド」
    ★★★★★
    ゴロンド、○○○かと思いきや。タイトル、ゴロンドで正解。面白かった。筒井康孝を思わせる。
    グワグワとはしゃぐゴロンドたちがかわいい。

  • 童話っぽい要素が増えてきたと思う

  • 現実の中にあるファンタジーのような、そんな不思議な世界観の短編集。
    幻想動物の冒険を描いた「ゴロンド」が一番のお気に入り。

  • 不思議な感じの話。それぞれ読みきりなのかつながっているのかよくわからず、5編のうち、3編位は理解できなかったのだが、これは私の理解力の問題なのだろうか。

  • よくもこんな突拍子もない物語を語れるものだと思う。
    そうきたかあ、の連続。
    少し湿り気のある読後感もいい。

  • 相変わらずの恒川不思議ワールドです。。。
    個人的にはタイトルの竜の立場の話が面白かったかな。。。

  • 5編の短編集。
    『夜行の冬』以降の3編が特に良かったです。
    『夜行の冬』は著者1作目「夜市」に収められている『風の古道』を思い出す雰囲気があり、冬の空に響いて静かに夜行へ誘う錫の音が聞こえるようでした。
    先に待つ世界がどの様なものか分かり得ないままに行脚を続けさせるのは、人間のエゴや甘美な欲、はたまた後悔の念か。
    『鸚鵡幻想曲』『ゴロンド』ではその発想の豊かさと紡がれる物語の美しさにただただ感動しました。
    そうきたのか、と唸る部分も。
    想像力を掻き立てられる文体は流石の一言です。

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、『夜市』で日本ホラー小説大賞を受賞しデビュー。同作で直木賞候補に。14年、『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。著書に『雷の季節の終わりに』『秋の牢獄』『南の子供が夜いくところ』『竜が最後に帰る場所』『金色の獣、彼方へ』『南の子供が夜いくところ 』『スタープレイヤー』『ヘヴンメイカー』などがある。

「2019年 『白昼夢の森の少女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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