鉄橋コレクション 変わりゆく風景、変わらない風景

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 14
感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062165235

作品紹介・あらすじ

鉄道写真の第一人者・広田/尚敬、写業60周年記念出版。愛蔵版、鉄道橋の集大成。もう見られないあの雄姿も。

感想・レビュー・書評

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  • 写真が秀逸で、思わず模写したくなってしまいました。

  • 橋が好きな私ですが、木や石でできた人道橋が好みで、鉄橋にはあまり興味がありません。
    それでも、橋といったら今では圧倒的に鉄橋が多いため、少しは知っておこうと読んでみました。

    あまり食指が動かない理由の一つとして、デザイン的にいまひとつ引かれないという点があります。
    東京オリンピックを控えて、急いで開通させた新幹線は、すべてが急ピッチで作られたため、鉄橋設計も数種類でまかなったそうです。

    初めは、どれも同じように見えていた写真ですが、「ターンテーブルも立派な橋」として、堂々と掲載されているのを見てから、なんだか面白く思えてきました。
    どの写真も、SLや車両がちょうど通りがかった瞬間をとらえたとっておきのショットばかり。

    これまで、鉄道ファンの「乗り鉄」と「撮り鉄」は、どちらもほぼ一緒だろうと思っていましたが、乗ると見られない光景ばかりが掲載されているため、(やはり全く別種なんだ)と改めて感じました。

    千葉都市モノレールは、全線全て橋だというのもおもしろいです。
    青森のむつ市にある旧大間鉄道のアーチ橋は、完成したものの電車は走らず廃線となった、幻の線路だそうで、もったいないと切ない気持になりました。

    溝を掘って作った木造橋だという「まきば線橋梁」が、見るからに気持ちよさそうで、乗ってみたいと思いました。
    鉄道事業法、軌道法では、鉄道の橋梁とは見なされないそうです。

    写真家が学生の頃と最近の1973年と2010年に撮った三重の宮川橋梁の写真が並べられており、40年たってもほとんど変わっていない川の様子に、ほっとしました。
    走る電車はSLから普通電車(東海参宮線)に変わっていましたが。

    日本一距離のあるローカル線の飯田線も掲載されていましたが、一番美しく、心惹かれたのは、潮来の霞ヶ浦の北浦橋梁でした。
    鹿島線の延方ー鹿島神宮間ですが、1977年の撮影写真なので、今は光景が変わっているかもしれません。

    日本で鉄道が初めて開通したのは、新橋-横浜間ですが、鉄製の橋を最初に導入したのは、以外にもその間ではなく、近畿から九州までの道路橋だったそうです。
    鉄道橋では、関西の東海道線が初めてだったそうです。
    鉄道と鉄橋の初めてが違う地域だということは、思いもよりませんでした。

    各写真ごとに、簡単な紹介文章が掲載されていますが、宮津線の由良川橋梁の写真に「キハ28系の行方は知らぬ恋の道…」と書かれていたところに、写真家の教養と遊び心を感じました。

    読み終えた頃には、鉄橋のフォルムの美しさも多少はわかるようになっていましたが、やはり自分の好みとしては、この本と同じように『木橋コレクション』『石橋コレクション』という写真集もあったらいいのになあと思いながら、本を閉じました。

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著者プロフィール

1935年、東京生まれ。1960年より、フリーランスの写真家として活動。1968年の初個展「蒸気機関車たち」で独自の表現世界を展開して評判となり、鉄道写真の世界を社会にアピール。1988年に設立された日本鉄道写真作家協会の初代会長を務めるなど、「鉄道写真の神様」として、作品と人柄を慕われている。「のりものアルバム」シリーズ(講談社)には創刊時から参画。



「2021年 『新 JR・私鉄人気車両ベスト100点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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