抱影

  • 講談社 (2010年10月1日発売)
3.25
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Amazon.co.jp ・本 (378ページ) / ISBN・EAN: 9784062165358

作品紹介・あらすじ

『弔鐘はるかなり』(1981年)以来、北方ハードボイルド原点の街、横浜を舞台に描く渾身の純愛小説!
ハードボイルドの雄として疾走した30年。いま、記念碑的作品が生まれた。
北方ハードボイルドは大人のたしなみである

こんな愛しかた、だれにもできない。
赤レンガ倉庫。関内のバー。運河に映るハーモニカハウス。外国人娼婦たち。港町の裏表を見つめてきた硲冬樹は、人妻、響子から死期が近いことを聞かされる。硲は、彼女の裸身に、だれも目にすることはない作品を刻みつけることを決意する。

娼婦に入れ込み、すべてを失うチンピラ。肢体をくねらせるクラブの女。硲の絵に魅せられたやくざ。長屋酒場(ハーモニカハウス)の女絵描き――。暗い川面は、港町の男と女たちを映し出す。そして人妻、響子は、余命半年なのだと告げた――。

講談社創業100周年記念出版

みんなの感想まとめ

日常と非日常が交錯する世界を描いた物語は、主人公の心の葛藤や愛の形を深く掘り下げています。横浜の港町を舞台に、人妻響子との出会いを通じて、画家である主人公が描く絵や彼の周囲の人々との関わりが、リアルで...

感想・レビュー・書評

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  • 抱影とは響子の思いをずっといだいて、絵を描き続けたということか。
    この小説の落とし所、結末はどうなると思いながら読んだが、刺青までは良かったと思う。
    結末は少し寂しい。

  • 横浜で酒場を経営し抽象画を描く主人公。画、酒、女、友情…。設定が変わっているが、こだわりと矜持は共通している。やっぱり北方ワールド。生きることに執着がない(なくなった)主人公、最後はやはり破滅に向かう…。

  • 北方はこんなにつまらん物語を書くようになったのかと落胆した。歴史物とエッセイは面白いのだがね。ネタが余りにも安直過ぎるよな。こんなんが続くようだったらハードボイルドは引退した方がいいよな。

  • なんとなくハードボイルドな気分で読んだ
    気分と酒があってたのか心地よい気分。
    北方作品は、あつく何処までもまっすぐだ
    だから心に染み入るのか?
    p316-317が気に入った。

  • 初めて読んだハードボイルド。生と性と暴力、死、絵画。

  • しぶいなあ…
    私には全然接点のない世界、生き方の主人公なんだけど、何か共感できる部分もあるという…面白かった!

  • 北方久しぶりのハードボイルド。横浜で酒場を4軒経営する主人公。彼は画家でもある。最後は女体へ刺青を残すとともに破滅へ向かう。

  • ラジオ版学問のノススメで知った。自分の住む日常の世界とは違う世界をつかの間旅することができた。

  • 男による男の為の作品、という感じでたまにこういうのを読むのも興味深くていいけど、まあ、あくまでその程度の感想と印象、という内容。

    主人公の生活を見ておおこれが男なら心の中で憧れるような生活かぁ、と。他人の評価を求めて描いているわけではないのに画家として高評を得、だからお金も潤い、そして収入源として経営している飲み屋はどれもこれも繁盛し、「仕事」と言えばそれらの店の巡回。50過ぎているのに自分に惚れ込んでいる38歳の女を好きな時に好きなように相手し、それでも「唯一の綺麗なもの」なんて若い頃から大切にしているプラトニック愛(しかも女性も同感っぽい)まで抱いている・・あり得ますか?(笑)

    いや、小説はもちろん現時的でなくてもいい。そして、女性の私だって、大沢や白川が書くようなしびれるようなセリフを吐く主人公がいるハードボイルド小説が好きだ。でも、これはさすがにないよね・・と本作品は思ってしまった。

    もっとケチをつけると、想いを昇華させる方法が入れ墨ですか??!!と幻滅。美しかったはずのプラトニックが、一気に俗っぽいヤクザ作品になった気が。そんな事で満足して死んで行く女は、いません絶対。

    想像か、本当かは別として抽象画家の抽象画を書く過程を描いている所はとても面白かった。自身が画家じゃないのに、よくこんな事描写できたなー、と。

    信司の事はストーリー上特に要らないと思ったが、まあ、アクションとヤクザと、主人公の結末の為に必要だったんだろうな、と。主人公の最後が予想外だったが、物語を完璧に完結させた、という点ではこれで良かったかも。

    と、ケチをつける事にかなりの楽しみを得られる作品、という点では読んでよかったし、なんだかんだ言って話の行方は気になったのでどんどん読めた。☆3つでも良かったが、肝心な所がなんかいまいちだったので2つに。

  • 入れ墨を彫る感じがリアルでした。文書による描写はさすがです。

  • 初の北方謙三作品。
    居酒屋経営ができ、絵の作品が非凡であり、女にも好かれ、喧嘩も強い。とんでもすぎる主人公で少しヒいてしまったところも(笑

  • 2月-1。2.5点。
    初の北方。さくさく読めるんだけど、あまり共感できず。
    主人公や主要人物の、考えとか、理由がわからなかった。
    それに対する描写も少ない気がする。

  • 主人公がアトリエに籠って抽象画を完成させるまでの描写が凄まじいね。あとやっぱり食い物が旨そうだな。

  • プロットだけの小説。

  •  短く、乾いた文体が印象的。世の中の小説のほとんどが、意味もなく饒舌だというとを再認識させられた。

     主人公は孤高の画家・硲冬樹。横浜で五軒の酒場を経営し、チンピラたちから頼りにされながら、趣味で描いている絵が自分でもわからないまま高く評価されてしまう、という設定は嫌味そのものだが、この文体で語られると不思議と気にならない。
     それよりも、この優しい時代に、男性支配型のハードボイルド・タッチを確立させるには、堂々と喫煙が許され、主人公を崇拝する女性しか登場しない世界を描くしかなかったのかな、という気はする。

  • 読了

  • 北方氏ひさびさの現代が舞台のハードボイルド小説。
    堪能、堪能。
    主人公が抽象画家ってところがねぇ~、憎いね~。
    そのモチーフを使ったヒロインとのド級のプラトニックさがいんだけど、な~んか嫉妬を覚えます。
    …ん?、どっちにだろう??

  • 20年ぶりの北方先生です。この領域に来てるんだな~と作者の成長を見た感があります。
    お得意の生きざま、やっちゃん、ひたむきで健気な女性、といった中に今回は作者の文筆家としての理想、あこがれを謳っています。
    北方先生の充実度が嬉しかったです。

  • 職場の辺りが舞台で親しみやすかったけど。
    主人公がスーパーマン過ぎて引いた目でしか読めなかった。
    絵を描かせれば世界が注目する画家で、生活のために経営している飲み屋達は生活の心配をしなくてよいくらい利益をあげており、ってそんな人間は世界中探してもなかなか見つからないでしょ。
    そういう人物を主人公に設定されてもなぁ。

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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