エスの系譜 沈黙の西洋思想史

著者 :
  • 講談社
4.33
  • (3)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 58
感想 : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062165495

作品紹介・あらすじ

「考える」「思う」の主語は何か。「思われること」は、本当に「私に思われ」ているのか。「私」を「捏造」したデカルトは、すでにこの問いを封印していた。しかし、近代以降、この沈黙の事象に対する哲学者たちの悪戦苦闘が始まった。リヒテンベルクに始まりフォイエルバッハ‐ニーチェ‐フロイトへと続く第一の系譜。一方、フィヒテに分かれシェリング‐ビスマルクに流れる第二の系譜。「人」とも「言語」とも「普遍的なもの」とも呼ばれながら、究極"それ"としか名づけようのない何ものかを巡って、人間存在の不思議を考え抜いた思想家たちの系譜を辿る。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • たまたまではあるが、佐藤賢一『小説フランス革命』(集英社)から始まり、18世紀末〜20世紀にかけての西洋史、西洋思想史を時代を追うように読んできている。その流れの中でこの本はタイムリーだった。「エス」がどのように哲学、心理学の中に現れ、理解されてきたか、利用されて来たのかがわかる。フロイトはこんな時代の流れの中で出てきたと思うとそこから始まる精神分析、そして心理療法の背景にあるものが垣間見えて、心理療法そのものが自分の中で対象化のされたのがありがたかった。近年の心理療法の背後にある万能感的な思想も時代の影響なのだろうか。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

1972年、東京都生まれ。1996年、東京大学教養学部教養学科卒業。2005年、東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。博士(学術)。岩波書店を経て、現在、講談社勤務。専門は、言語論・思想史。著書に、『フェルディナン・ド・ソシュール』(作品社。和辻哲郎文化賞、渋沢・クローデル賞)、『エスの系譜』(講談社、のち講談社学術文庫)、『言語起源論の系譜』(講談社。サントリー学芸賞)、『日本国民であるために』(新潮選書)。

「2019年 『いつもそばには本があった。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

互盛央の作品

ツイートする
×