量子の社会哲学 革命は過去を救うと猫が言う

著者 :
  • 講談社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062165570

作品紹介・あらすじ

20世紀認識革命とは何か?-第二の科学革命(相対性理論、量子力学)と、探偵小説、精神分析、キリスト教、キュビスム、レーニン、シュミット、そして革命などの、見えない協働関係、同時代性とは…。壮大なスケールで、現代社会を生んだあらゆる"知の大転換"を描き尽くす大澤社会学の新境地。

感想・レビュー・書評

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  • 以前も書いたけど、人文科学と自然科学の幸福な連結が成功した良書。量子科学についての理解がもう少しあれば、もっと興奮できたと思います!

  • 科学と芸術と社会の展開を、時間的(歴史的)同時性の視点から動態的に論じた本。
    ちょう面白かった!!
    うちの研究室の奴は全員読まなきゃだめやろ。

    フロイトの章がじゃとかん強引な印象があるのと、最後の方は前半ほどのダイナミズムを感じなかったけど、読み疲れただけかも。
    中盤で一回間を開けてしまったのが失敗だった。一気に読むべきだったな。

    また忘れた頃に読み返そう。
    哲学の重要性を思い知ったので、それまでに哲学書読みまくって理解を深めたいな!

  • これまで出会ってきたことのない考え方ばかりで新鮮だった。知に対する認識が変わったから科学革命や西洋美術に変化が生じたことはなるほどと思った。

  • 量子の社会哲学 革命は過去を救うと猫が言う
    (和書)2010年12月05日 21:55
    大澤 真幸 講談社 2010年10月8日


    asahi.comで柄谷行人さんの書評を読んだ。図書館で検索したら借りることができるらしい。丁度良かったので借りて読んでみた。

    とても面白く読むことができた。著者の他の作品も是非読みたい。相対性理論と量子力学の分かり易いと思われるたとえ話があるがよく解らなかった。そういうところをもっと知りたくなった。

    世界が変わって見えるというか、数年前に自分が囚われていたことを批判して貰っているように感じて有益だった。本とは関係ないが、ダメージは大きかったが避けられない何かだったと思う。

    一気に読んで、有益で読後感も良い。

  • ふむ

  • 量子の社会哲学 革命は過去を救うと猫が言う

  • 自然科学・社会科学・芸術は時代精神に大きく影響をされる。
    古くはギリシャ時代。近くはニュートンやアインシュタインの時代。


    ギリシャ時代、科学は哲学の範疇にあった。
    ニュートンの光学は、光を抽象的表現として利用する印象派に影響を与えた。
    また、アインシュタインの物理学は、ニュートンの物理学から神を引き離した。


    そして、量子の時代に入った。
    量子力学の泰斗ファインマンは言う。
    『量子力学を理解していると主張するものこそ、量子力学を理解していないのである。』


    量子力学は、時間、因果関係、物質の知の内在化など我々が今まで想定していたことを簡単に覆してしまう。
    すなわち不可知の領域。全知と全能が両立しえない領域。
    その領域が、芸術にキュビズムを生みだす。ピカソの絵はまさに、不可知の領域。


    著者は言う『われわれは、次のように言うこともできる。量子力学に至りついたとき、人間は、それについて無知である限りで、神とその下にある人間界の秩序の安寧が保たれるような、恐ろしい淵源を垣間見てしまったのだ、と。』


    量子の世界を開いたことが、これからの人類に何をもたらすのか。
    文系人間でも読むことができるので、思考の整理のためにも一読を進める一書。

  • 時間だ。

  • 跳躍と収斂。そして新たな跳躍。

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著者プロフィール

大澤真幸(おおさわ・まさち):1958年、長野県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。思想誌『THINKING 「O」』(左右社)主宰。2007年『ナショナリズムの由来』( 講談社)で毎日出版文化賞、2015年『自由という牢獄』(岩波現代文庫)で河合隼雄学芸賞をそれぞれ受賞。他の著書に『不可能性の時代』『夢よりも深い覚醒へ』(以上、岩波新書)、『〈自由〉の条件』(講談社文芸文庫)、『新世紀のコミュニズムへ』(NHK出版新書)、『日本史のなぞ』(朝日新書)、『社会学史』(講談社現代新書)、『〈世界史〉の哲学』シリーズ(講談社)、『増補 虚構の時代の果て』(ちくま学芸文庫)など多数。共著に『ふしぎなキリスト教』『おどろきの中国』(以上、講談社現代新書)、『資本主義という謎』(NHK出版新書)などがある。

「2023年 『資本主義の〈その先〉へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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