オルゴォル

著者 :
  • 講談社
3.65
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本棚登録 : 251
レビュー : 78
  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062165693

作品紹介・あらすじ

「実は前から、ハヤ坊に頼みたいことがあってなぁ」東京に住む小学生のハヤトは、トンダじいさんの"一生に一度のお願い"を預かり、旅に出る。福知山線の事故現場、父さんの再婚と新しい生命、そして広島の原爆ドーム。見るものすべてに価値観を揺さぶられながら、トンダじいさんの想い出のオルゴールを届けるため、ハヤトは一路、鹿児島を目指す。奇跡の、そして感動のクライマックス!直木賞作家による感動の成長物語。

感想・レビュー・書評

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  • 『オルゴォル』 朱川湊人  講談社

    こんな本を読みたかった。もっと早く出会いたかったし、子供達にも読ませたかった、と思いました。

    物語は、ハヤトと言う小学四年生の少年が、同じ団地のお爺さんから頼みごとをされ、その約束を果たす旅で成長するお話です。良くある話、と言ってしまえばそれまでなのですが、ハヤトを始め、出てくる人達が何かしら人生で傷を負っていて、読んでいくうちにすっかり話に引き込まれて行きます。

    最初、両親の離婚、いじめの話がハヤトの周りにあり、「他人と自分は関係ない」、面倒なことは嫌いだと周囲に流されながら、自分の境遇に悩むハヤトの姿が描かれています。
    その後紆余曲折あって、お爺さんから預かったオルゴォルを渡すための旅に出ようと決めたハヤトは、春休みに母と離婚した大阪の父の所に向かいます。そこから、全く違う価値観、歴史に触れ、ハヤトの内面が変化して行く様子に、深く心を打たれます。大阪では、福知山線の列車事故の跡を目の当たりにし、途中、ヒロシマでも原爆ドームや資料館で深く、強く心をうごかされます。また、自分の旅に便乗させてくれた大阪の元気なお姉さんの大きな苦しみを知って驚いたり、目的地の鹿児島で特攻隊の基地があった知覧の話も知ってショックを受けます。
    旅を終えたハヤトが、なにを考え、どう感じたか、母だけが待つ横浜へどんな気持ちで帰ったのか…。大阪へ着いてからはほとんどが大阪弁で話が進むので、えてして説教臭くなりそうな話がごく自然に、けれどキッパリと読む側に伝わって来るのも気持ちよく、自分も他人の痛みや苦しみに耳を澄ませられる大人で在りたいと、素直に思える話でした。
    児童文学と大人の小説の橋渡しとして紹介したい様な、大切な事が素直に書かれた小説でした。

  • 出逢いっていいなと思った。
    本当にいい出逢いって、人を大きく変える。よくも悪くも・・・
    もちろん、この本の中では、出逢いによって主人公の人生はいい方向に大きく変わる。
    考えるきっかけをくれる人。そっと寄り添ってくれる人。突き放してくれる人。
    大切にするってことは、抱え込んで守ることだけじゃない。
    離れることで示す愛情ってものもある。
    愛情ってこと、守るってことを改めて考えさせられた。

    • kuroayameさん
      すみません★。
      レビューを拝見させていただいた瞬間に読んでみたい本に登録させていただきました♪。
      もう、まちがいなくおもしろそうで、あぁーっ...
      すみません★。
      レビューを拝見させていただいた瞬間に読んでみたい本に登録させていただきました♪。
      もう、まちがいなくおもしろそうで、あぁーっ、本日図書館へ出かける前に拝見させていただいていたらとおもうと悔しいです(><)。
      来週図書館にてチェックしたいと思います♪。
      いつも本棚を拝見させていただき、こころときめく本を知ることができとてもうれしいです。
      ありがとうございます♪。
      これからも是非参考にさせてください(>・)/。
      2012/11/09
  • 生きるって意味を改めて考えさせてくれた、素晴らしい作品でした。うーん人はみんな弱い部分があるけど、みんなで考えて助け合わなきゃなって思わせてくれた。10歳にしては大人以上に大人っぽい、しっかりした主人公でした。色んなところで泣かせてくれた。

  • 昔新聞で連載していたとき飛ばし飛ばし読んでいた。
    おもしろかったので、本になったらまとめて読もうと思っていた。
    義務教育について、友達について、いたましい事故について、戦争について、原爆について、自殺について考えさせる本。
    特に、自殺について重要な考え方を教えてくれた。

  • 夏の推薦図書とかにならないだろうか。。
    小学生の子供たちにぜひ読んでほしい。 多分大人の事情とか共感するのは難しいシーンがあると思うけれど
    中学生の反抗期を迎えて、もう一度読んでほしい。

    そんな本でした。

    前情報ナシなので、広島、長崎、福知山線、と怒涛の展開に驚いた。
    中学生の修学旅行が広島で
    高校が沖縄で
    多感な時期にそういった事柄に触れるのは確かにいいと思う。
    あんなに強烈な印象だった事柄が最近は薄れているから
    大人になってからだと、全然残らないかもしれないから。。

    「どっちも間違ったことを言っていないから
    お互い理解しあうのに時間がかかる」というセリフにドキリ。
    確かに、勧善懲悪ではないからそう簡単にはいかないよなぁ。。。

    本当、子供たちに読んでほしいな。。

  • 小学四年生が主人公の読みやすい話。大きな感動はないが、登場人物が魅力的だった。

  • 978-4-06-216569-3  381p 2010・10・7 1刷

  • この作家の本は何冊か読んでみたが、この作品はちょっと趣が違ったかな。でも少年の成長していく姿がほほえましいあたたかいストーリでした。なかなか良かったです。

  • ★2015年4月25日読了『オルゴオル』朱川湊人著 評価B+
    小学校5年生になろうとする春、フジワラハヤトくんが、彼にとって人生の様々な荒波を乗り越えて、少年として大きく成長していく数日を描く。何気ない描写に、朱川氏らしい昭和の香りがする生活が見えるところが持ち味。

    東京の母子家庭に育つハヤトは、ひょんな事から近所の老人から、オルゴールを鹿児島の待ち人へ届けることを約束してしまう。結果的にそれを実行するために、大阪に暮らす父親をたずね、そこでたまたま知り合った相川サエさんとともに、広島を経由して、鹿児島までオルゴールをとどけに行くことになる。その旅で、ハヤトは大きく成長する事となる貴重な体験を積み重ねる。

  • 朱川湊人作品初読み。
    表紙みて女の子だとばかり思ってた(笑)
    色んな体験をすることによって成長していく少年の物語。
    ぜひ主人公のハヤトと同年代の子供たちに読んで欲しい作品。

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著者プロフィール

朱川湊人(しゅかわ みなと)
1963年、大阪府生まれの作家。『都市伝説セピア』が直木賞候補。05年『花まんま』で直木賞受賞。ノスタルジックホラーというジャンルを開拓した。小説業のかたわら『ウルトラマンメビウス』の脚本も手がけるなど活動は多岐にわたる。著書に『サクラ秘密基地』『月蝕楽園』『冥の水底』『キミの名前』など多数。
2018年9月、『アンドロメダの猫』を刊行。

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