美の方程式

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 61
感想 : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062165860

作品紹介・あらすじ

「黄金比」「螺旋」「崇高」のキーワードが解く「美」のコード
「パルテノン神殿」 ダ・ヴィンチ『モナリザ』 ライト「グッゲンハイム美術館」 コルビュジエ「サヴォワ邸」 ゴッホ「ローヌ川の星月夜」……に潜む方程式とは?

私が、どうして「美の方程式」などという本を書いたかというと、この美術解剖学という分野は、やはり美の創造にとって必要な「方程式」の大切な基礎だからと考えたからです。――<「エピローグ」より>

感想・レビュー・書評

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  • 黄金比と美についての歴史についての本 とてもわかりやすく 参考図書もたくさんあげられていて 次につながるとてもよい入門書だとおもいます

  • 黄金比についてアレコレ。

  •  美はある種の完璧さを前提にする。そこに、「破れ」が掛け合わされることによって完全な美となる。モナリザを例に挙げて、対称性の破れについて言及している。世界一有名な絵のひとつであるが、その魅力の原因は何かというと、正面からみた絵と、右斜めから見た絵と、左斜めから見た絵、さまざまな角度から見た絵が合成され、鑑賞者に自覚的違和感を与えることなく内的に統一させているからである。 
     黄金比について、1:1.618・・・・という魔法の比率は、パルテノン神殿をはじめ、「最後の晩餐」など有名で何百年も人を惹きつけて止まない芸術的創作物に見出すことができるのである。くしくも、数学者が数式に美を見出すことと密接に関連があることは容易に想像できるだろう。美について考える上で興味深いエッセンスがつまっている良書であるといえる。

  • 養老孟司を師とする数学者の本。
    かねがね黄金比について詳しく知りたいと思っていたので、読んでみました。
    黄金比に限定されず、広い意味で、世界上の自然や人造物の美について採り上げています。
    特に、ギリシアのパルテノン神殿と『モナリザ』について詳細に記されていました。

    『モナリザ』の顔は、正直美人には見えない、とずっと思ってきましたが、あの作品は、人物の顔の美しさではなく、絵全体のバランスが美しいと判断できるのだそうです。
    確かにシンメトリーとアシンメトリーが複雑に織り込まれた絵は、どこか不思議でつい引き込まれます。
    それが美と言われる所以だとのことです。
    アシンメトリーを取りこんだという点では、遠く時代を経て、キュビスムのピカソにも見られる法則なのかもしれません。

    また、養老孟司の言葉として「美人には、玄人好みの美人と、素人好みの美人がある」が紹介されており、養老氏は結構歯に衣着せぬ人なんだなと思いました(衣着せた上での表現なのかもしれませんが)。

    幾何学を取りこんだ現代建築家、ル・コルビュジェは上野の国立西洋美術館を作っており、建物全体にモデュロール(黄金比の原理)があちこちに使われているとのことです。
    いつも、展覧会にばかり目がいっていましたが、次に訪れた時には、柱や天井空間などの建築にも目を向けてみようと思いました。

    最後に、タイトルにもなっている美の方程式、「美=完璧×破れ」が紹介されました。
    本を全部読んだ後なので、なるほどと理解できます。
    完璧な美だけでは、何かが足りないんですね。
    一旦完璧なものにして、それを崩すという作業が大切とのこと。
    その崩し方に、芸術家としての腕が試されるとのことです。
    幾何学的な専門的説明など、難しくてよく解らなかった箇所があるものの、概要としては面白く読めました。

  • 有名な作品を例に、内容も整理されていてわかりやすい言葉で解説。回りくどい説明を重ねた重たい本を苦労して読むよりもずっと理解しやすい。こういう本が増えるといい。

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著者プロフィール

美術批評家、解剖学者。東京藝術大学大学院美術研究科博士課程を修了(学術博士)。
東京大学医学部助手(解剖学)を経て、現在は東京藝術大学美術学部教授(美術解剖学)。著書および監修書多数。
近著に『ダ・ヴィンチ、501年目の旅』『ヌードがわかれば美術がわかる』(ともに集英社インターナショナル)など。

「2022年 『服のシワを描く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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