盤上のアルファ

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  • 講談社
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本棚登録 : 435
感想 : 103
  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062165976

感想・レビュー・書評

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  • 将棋の三段編入試験制度が物語の大きな柱になっている。実際にそういう制度があるのかウィキペディアで調べてみたら、この小説内で紹介されていた通りの内容の制度があった。
    アマチュアの全国大会で優勝し、プロ棋士の推薦があった場合に試験を受けることが出来る。試験は奨励会二段・初段在籍者との8戦で、その内6勝したら、三段リーグに編入できる制度である。三段リーグで戦えるのは、最長で4期。ということは、この制度を使って、実際にプロ棋士になるのは、気が遠くなるくらい大変な話だ。うまく調べられなかっただけかもしれないが、三段編入試験制度に合格し三段となり、かつ、三段リーグを勝ち抜いて実際にプロ棋士になった人はまだいないようである。

    この小説は面白いものだった。
    私は将棋が好きなので、なおさら将棋を題材とした小説は楽しむことができた。上記のような、ほとんど無理筋と思えるようなチャレンジをする者の物語であり、題材としての面白さがある。
    これは、この小説に限った話ではなく、将棋を扱った小説一般に言えることであるが、もう少し将棋の一手一手と指し手の気持ちの揺れを細かく、精密に書いたものが書けないのかな、とも思う。
    指した後で悪手と分かった時の動揺や、絶対に負けられない戦いの中での粘り強い気持ちや、勝ち筋が見えてきた時の震えなどを、実際の指し手と共に書いて、かつ、将棋のプロではない者にも分かるように書ければ、本当に面白いだろうな、と思う。
    たぶん、ないものねだりに過ぎないのだが。

  •  NHKのBSプレミアムで玉木宏と上地雄輔がドラマをやっていた時に読みたいと思っていた、将棋は秋葉同じく全くの素人なのだけれど。
     社会部から文化部、それも興味もなかった将棋の記事を書くことになった秋葉と、プロ棋士入りをあきらめかけていた真田が偶然なのか、必然なのか……酷い出会い方(本当に)をしてから、2人の生活が、人生が変わりだしていく。将棋の棋譜の如く仕組まれたところもあったと思うけれど、同級生共に今の自分に疑問を持っている2人の相互作用はなんやかんやで良いものだと思った。でも、あの最後の展開は事情を知らなければ、秋葉じゃなくても怒るわー。
     将棋は全然分からないトコロがあるけれど、水上との勝負のところは熱い戦いだと思ったし、ハラハラドキドキ、そしてすげえー!って心からわくわくとなった。

     余談、ドラマで演じた2人も同級生同士で、共に今年40になる。

  • 将棋好きのだんなさんに勧められて読了。
    (ただいま我が家では「将棋小説フェア」開催中。
    次に「サラの柔らかな香車」も控えています。
    だんなさん的にはこっちのほうがおもしろかったらしく、こちらを先に読むように推してきました。)

    うん、おもしろい!よかったです。
    真田が登場してからは、加速度的におもしろかった。

    著者が地元の人だからか、関西~とりわけ神戸方面がよく出てくるのも
    親近感沸いて読みやすかったのもあるけど、
    人物像やそれらの背景なんかも丁寧に描かれていると思ったし、
    決して希望のないラストでもないし(むしろ希望が持てるとわたしは感じたのだが)。

    将棋がわかる人ならもっとおもしろいかもしれないけど、
    わたしくらいの知識でも、全然楽しめると思う。

    バランスよし。

    しいて言うなら、そんなに秋葉が嫌な奴には、冒頭からは感じられなかったのはわたしだけ?!きっと著者はけっこういい人なのかも・・・(想像)

  • 個性豊かな面々の軽快な会話のやり取りが心地よかった。
    一途に何かをやり遂げるのはなかなか難しいものだ。
    将棋の内容よりも、真田の人生のお話。
    もっと愚直に真田の将棋を見てみたかった。

  • 将棋を巡る人間ドラマ。大山名人を生んだまちの人間として興味引かれずにはいられない。升田八段の生き様にまで関心を引いてくれ、こうして世界を広げてくれる読書はすてきだ。
    「罪の声」に比べるとまだ書きつけていない、というか神視点の文体を模索している雰囲気も。

  • 希望が大きく見えるのは、達成したときではなく、その目的に向かって苦しんでいるときである。

    この一文に持っていかれた。

    勝負師の生き様、諦めないことの尊さが少しかもしれませんが、感じることができた。

  • 棋士の傍若無人さが目立って、腹たってしまった。

  • 将棋の世界に生きる男と新聞記者との奇妙な関係。新聞での将棋囲碁欄など今まで気にしていなかったが、これからは戦評も注目していきたい。

  • 将棋は全然わからないのだがそこにかける思いはすごかった。心震えた!

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著者プロフィール

1979年兵庫県生まれ。関西学院大学卒業後、神戸新聞社に勤務。2010年『盤上のアルファ』で第5回小説現代長編新人賞、11年、将棋ペンクラブ大賞を受賞。同書は19年NHKでドラマ化された。12年、神戸新聞社を退社。16年、『罪の声』で第7回山田風太郎賞を受賞、同書は「週刊文春ミステリーベスト10」第1位、第14回本屋大賞第3位にも選ばれた。19年『歪んだ波紋』で第40回吉川英治文学新人賞を受賞。ほかの著書に『女神のタクト』『ともにがんばりましょう』『崩壊』『雪の香り』『拳に聞け!』『騙し絵の牙』『歪んだ波紋』『デルタの羊』などがある。

「2021年 『歪んだ波紋』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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