- Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062165976
感想・レビュー・書評
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将棋の三段編入試験制度が物語の大きな柱になっている。実際にそういう制度があるのかウィキペディアで調べてみたら、この小説内で紹介されていた通りの内容の制度があった。
アマチュアの全国大会で優勝し、プロ棋士の推薦があった場合に試験を受けることが出来る。試験は奨励会二段・初段在籍者との8戦で、その内6勝したら、三段リーグに編入できる制度である。三段リーグで戦えるのは、最長で4期。ということは、この制度を使って、実際にプロ棋士になるのは、気が遠くなるくらい大変な話だ。うまく調べられなかっただけかもしれないが、三段編入試験制度に合格し三段となり、かつ、三段リーグを勝ち抜いて実際にプロ棋士になった人はまだいないようである。
この小説は面白いものだった。
私は将棋が好きなので、なおさら将棋を題材とした小説は楽しむことができた。上記のような、ほとんど無理筋と思えるようなチャレンジをする者の物語であり、題材としての面白さがある。
これは、この小説に限った話ではなく、将棋を扱った小説一般に言えることであるが、もう少し将棋の一手一手と指し手の気持ちの揺れを細かく、精密に書いたものが書けないのかな、とも思う。
指した後で悪手と分かった時の動揺や、絶対に負けられない戦いの中での粘り強い気持ちや、勝ち筋が見えてきた時の震えなどを、実際の指し手と共に書いて、かつ、将棋のプロではない者にも分かるように書ければ、本当に面白いだろうな、と思う。
たぶん、ないものねだりに過ぎないのだが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
嫌われ者の新聞記者と、できそこないの棋士。魅力があるとは言い難い2人に惹き込まれる文章。所々で笑わせてもくれ、話の展開も面白い。真田の大一番の結果に見せた秋葉の感情にこちらも昂る。ボーイズなんとかランは秀逸だった。
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NHKのBSプレミアムで玉木宏と上地雄輔がドラマをやっていた時に読みたいと思っていた、将棋は秋葉同じく全くの素人なのだけれど。
社会部から文化部、それも興味もなかった将棋の記事を書くことになった秋葉と、プロ棋士入りをあきらめかけていた真田が偶然なのか、必然なのか……酷い出会い方(本当に)をしてから、2人の生活が、人生が変わりだしていく。将棋の棋譜の如く仕組まれたところもあったと思うけれど、同級生共に今の自分に疑問を持っている2人の相互作用はなんやかんやで良いものだと思った。でも、あの最後の展開は事情を知らなければ、秋葉じゃなくても怒るわー。
将棋は全然分からないトコロがあるけれど、水上との勝負のところは熱い戦いだと思ったし、ハラハラドキドキ、そしてすげえー!って心からわくわくとなった。
余談、ドラマで演じた2人も同級生同士で、共に今年40になる。 -
将棋全然弱いけどw
ってな事で、塩田武士の『盤上のアルファ』
将棋知らなくても面白い♪
塩田武士さんは罪の声から読んだんで、こんなにコミカルな内容じゃとは思わなんだ
キャラがええ人ばかりでホンワカする♪
将棋やりたくなるねw
2018年31冊目 -
将棋の世界の一部。後半は勝って欲しいと読み進めた。将棋の世界の正統派でない真田が棋士になることはできるのか?好き嫌いの分かれる本だと感じた。
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真田の信念はとても心地よく共感できた。最後の秋葉の心情を思うと、真田には少し残念な気になった。真田だけに、策略家だ。
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個性豊かな面々の軽快な会話のやり取りが心地よかった。
一途に何かをやり遂げるのはなかなか難しいものだ。
将棋の内容よりも、真田の人生のお話。
もっと愚直に真田の将棋を見てみたかった。
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将棋を巡る人間ドラマ。大山名人を生んだまちの人間として興味引かれずにはいられない。升田八段の生き様にまで関心を引いてくれ、こうして世界を広げてくれる読書はすてきだ。
「罪の声」に比べるとまだ書きつけていない、というか神視点の文体を模索している雰囲気も。