盤上のアルファ

著者 :
  • 講談社
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感想 : 109
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062165976

感想・レビュー・書評

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  • 将棋の三段編入試験制度が物語の大きな柱になっている。実際にそういう制度があるのかウィキペディアで調べてみたら、この小説内で紹介されていた通りの内容の制度があった。
    アマチュアの全国大会で優勝し、プロ棋士の推薦があった場合に試験を受けることが出来る。試験は奨励会二段・初段在籍者との8戦で、その内6勝したら、三段リーグに編入できる制度である。三段リーグで戦えるのは、最長で4期。ということは、この制度を使って、実際にプロ棋士になるのは、気が遠くなるくらい大変な話だ。うまく調べられなかっただけかもしれないが、三段編入試験制度に合格し三段となり、かつ、三段リーグを勝ち抜いて実際にプロ棋士になった人はまだいないようである。

    この小説は面白いものだった。
    私は将棋が好きなので、なおさら将棋を題材とした小説は楽しむことができた。上記のような、ほとんど無理筋と思えるようなチャレンジをする者の物語であり、題材としての面白さがある。
    これは、この小説に限った話ではなく、将棋を扱った小説一般に言えることであるが、もう少し将棋の一手一手と指し手の気持ちの揺れを細かく、精密に書いたものが書けないのかな、とも思う。
    指した後で悪手と分かった時の動揺や、絶対に負けられない戦いの中での粘り強い気持ちや、勝ち筋が見えてきた時の震えなどを、実際の指し手と共に書いて、かつ、将棋のプロではない者にも分かるように書ければ、本当に面白いだろうな、と思う。
    たぶん、ないものねだりに過ぎないのだが。

  • 将棋好きのだんなさんに勧められて読了。
    (ただいま我が家では「将棋小説フェア」開催中。
    次に「サラの柔らかな香車」も控えています。
    だんなさん的にはこっちのほうがおもしろかったらしく、こちらを先に読むように推してきました。)

    うん、おもしろい!よかったです。
    真田が登場してからは、加速度的におもしろかった。

    著者が地元の人だからか、関西~とりわけ神戸方面がよく出てくるのも
    親近感沸いて読みやすかったのもあるけど、
    人物像やそれらの背景なんかも丁寧に描かれていると思ったし、
    決して希望のないラストでもないし(むしろ希望が持てるとわたしは感じたのだが)。

    将棋がわかる人ならもっとおもしろいかもしれないけど、
    わたしくらいの知識でも、全然楽しめると思う。

    バランスよし。

    しいて言うなら、そんなに秋葉が嫌な奴には、冒頭からは感じられなかったのはわたしだけ?!きっと著者はけっこういい人なのかも・・・(想像)

  • 初めての作家さん。読み終わった後に、本作がデビュー作だと知った。ご自身の経験に根ざした作品とのこと。
    昭和の香りが濃い設定に、やや入り込み難さも感じたが、小さな引っ掛かりや違和感よりも、ぐいっと引っ張り込んでいく筆力が勝っていたのか、一気に読み切ってしまった。勝負のクライマックス、とりわけ題名の意味が明かされる場面が、いまひとつ響かなかったのは、私に将棋の知識がないからなのだろうか。他の作品も読んでみたい。

  • 将棋全然弱いけどw

    ってな事で、塩田武士の『盤上のアルファ』

    将棋知らなくても面白い♪

    塩田武士さんは罪の声から読んだんで、こんなにコミカルな内容じゃとは思わなんだ

    キャラがええ人ばかりでホンワカする♪

    将棋やりたくなるねw

    2018年31冊目

  • 真田の信念はとても心地よく共感できた。最後の秋葉の心情を思うと、真田には少し残念な気になった。真田だけに、策略家だ。

  • 希望が大きく見えるのは、達成したときではなく、その目的に向かって苦しんでいるときである。

    この一文に持っていかれた。

    勝負師の生き様、諦めないことの尊さが少しかもしれませんが、感じることができた。

  • 将棋は全然わからないのだがそこにかける思いはすごかった。心震えた!

  • 2018.8.7

  • 2018/07/15 読了

  • おもしろかった。

    人生懸けてる感あり。

    ずっと秋葉目線だったのがいきなり加織さん目線が入ってきたときにちょっと違和感あった。

    真田人生つらすぎ。
    リーグ勝ちぬけるかどうかのとこがめっちゃドキドキ。
    元夫婦とか、思いもせんかったぞー。
    いやー、まあ、言われてみれば、ただの客にあそこまでしてやんないか。
    なんか、最終的にいい話にまとまったなあ。

著者プロフィール

1979年、兵庫県生まれ。神戸新聞社在職中の2011年、『盤上のアルファ』でデビュー。2016年『罪の声』で第7回山田風太郎賞を受賞し、“「週刊文春」ミステリーベスト10 2016”国内部門第1位、2017年本屋大賞3位に輝く。2018年には俳優・大泉洋をあてがきした小説『騙し絵の牙』が話題となり、本屋大賞6位と2年連続本屋大賞ランクイン。2019年、『歪んだ波紋』で第40回吉川英治文学新人賞受賞。2020年、21年には『罪の声』『騙し絵の牙』がそれぞれ映画化された。

「2022年 『朱色の化身』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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