マキリ (100周年書き下ろし)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 32
感想 : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062166034

作品紹介・あらすじ

新宿で殺傷事件に巻き込まれ、逃れるように、十数年ぶりに故郷山形に戻った騎寅。再会した幼なじみでかつての恋人・竜子は、騎寅の父・拓馬の妻となっていた。しかし、拓馬の不在が呼び水となり、嫌いで別れたわけではない騎寅と竜子は、再び体を重ねるようになる-。即身仏伝承の残る現代山形を舞台に、男女のもつれ合う情念と因縁を、濃密なる官能と斬新怪異な物語で綴る、ホラー恋愛小説。

感想・レビュー・書評

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  • 新宿で殺傷事件に巻き込まれ、逃れるように、十数年ぶりに故郷山形に戻った騎寅。
    再会した幼なじみでかつての恋人・竜子は、騎寅の父・拓馬の妻となっていた。
    しかし、拓馬の不在が呼び水となり、嫌いで別れたわけではない騎寅と竜子は、再び体を重ねるようになる―。
    即身仏伝承の残る現代山形を舞台に、男女のもつれ合う情念と因縁を、濃密なる官能と斬新怪異な物語で綴る、ホラー恋愛小説。
    (アマゾンより引用)

    何かよく分からなかった…
    結局何なの?
    死んでたの?

  • 殺すか殺されるか、
    自分と他人が見ているものは果たして真実なのか。

    連続通り魔を返り討ちして殺害してしまった騎寅は
    それ以来自分が腐乱死体に見えるようになり
    災害を口実に実家の山形に逃げる形で帰省した。

    家業の鍛冶を継いだ昔の女である竜子は、失踪した父拓馬の後妻になっていて、
    かつて祖父が旅人の即身仏を手伝ったという氷室が放つ怪しげな空気
    即身仏を一目見ようと企む人たちの陰謀
    竜子にたいする騎寅の思い。

    即身仏なんて修行の成り果てがあるのね。

    騎寅の行動が結構あいまいに書かれているので
    ぼんやり推理しながら読む感じ。

    ネタバレは騎寅は殺人犯してそのまま死んでしまいーの
    死人の状態で竜子に会いに山形に行きーの
    氷室には即身仏なんていなくて
    竜子が護衛のために殺してしまった拓馬の死体がありーの。

    祖父の存在が不思議だけど彼も死んでたってことかな?

    著者ってこんな話も書くのかーって感じ。
    確かに、ホラー要素ありの恋愛ものといえば恋愛だ)^o^(

  • 意外と愉しく読めました。でも、結局のところどういうこと?
    解らんかった。

  • ホラー恋愛小説。今年山形で即身仏をみてきた為、なんとなく気になった小説。即身仏伝承の残る現代山形を舞台に、不思議な空気感で描かれた男女の情念と因果。自分ははたして死んでいるのか?と疑問を持ちながらも、ある事件から逃げるべく生まれ育った山形へ、昔愛した女のもとへと舞い戻る男。激しく求め合う二人だったが、、、。
    ラスト数ページに、いや、数行にすべてがあった。生きるということの執念、純粋に人を愛する欲。どん底をみた悲しい瞬間に、すがりたかった人が側にいなかった辛い過去と現在に続く想い。そして、再び戻ってきた彼に告げる言葉は...。上手く表現できないが、女性は単純にはできていないということです...。

  • 安達千夏は少し腕を上げた。

    これは、生きることに不自由さや怒りを感じる女の話だ。古事記や八犬伝や即身仏というモチーフを絡めながら、男の視点に立って描かれていく。古事記も結局は男の視点に立っていたように。
    身勝手を身勝手とも思わない男の一般論に対して、女として生きることの不自由さはしばしば隠されている。男女共に、鈍感になっているのか、気付かない振りをしているのか。いずれにせよ、安達千夏は竜子に、私は生きているのだ、と言わせる。騎寅の論理、イザナキの論理。それに竜子は反旗を翻す。男の論理で形作られたこの世界そのものに、魔斬りを向けるのだ。
    愛など信じない。否、そんなものは初めから存在してはいない。たとえ、死んだ騎寅が竜子の呼ぶ声に応じてやって来たのだとしても。

  •  目覚めたときに自分が死体だと思うという異色の展開です。

     こういうありえない設定を読ませてしまう力量、やはりタダモノではないと思われます。なぜヤング向けの作品と違うのかと考えてみますと、イザナミ、イザナギの話とか、即身仏の話とか戦争体験とか使われる素材が違うのですねえ。



     マキリというのはマタギとかが使う大きめのナイフです。目覚めた男は血まみれですが、どこも怪我をしていません。連続ナイフ傷害事件の犯人に襲われて、その犯人を殺してしまったようです。自分の目には死体にしか見えない体は、他人には普通に見えるらしく、男は地震の被害にあった故郷、山形に戻ります。そこには昔の恋人が鍛冶屋の父親と結婚していました。戦争があったころに即身仏になった男のミイラがあるとされる洞窟。そこを守り続ける祖父。そしてミイラを商売にしようとする怪しい男が現れ、事態は急展開していきます。

     ラストまで、男が生きているのか死んでいるのか謎のままです。

     全編に溢れる迫力がすごいです。テレビ化はありえない。映画化ですね。でも歩く死体はどうするのでしょう。西川さんあたりが映画化してくれないかなあ。


     ちょっと気になったのは、かつての恋人竜子の目線が後半でちょくちょく入ってきていたところ。ラストで納得はしましたが、そこのところ、どうにかならなかったかなあと。ラストもちょっと唐突だったかな。わかるんだけどね。走りすぎたきらいがありました。

  • ウィークリーマンションの一室で目覚めたら、からだ全身に腐敗網が広がっていた。自分の目で見ると自身のからだは腐りかけの死体にしか見えないが、鏡や写真ごしには顔色もよく健康そのもので、なにより動きしゃべることができる。
    そんな奇妙な状態のまま、故郷に大地震があったことを知った騎寅は、音信不通になっていた実家に帰る。
    そこには、かつて自分をふった幼馴染の竜子がいた。
    即身仏、イザナギイザナミなど、幻想的な印象を与えるエピソードが幾重にも重なって、不思議な物語を築き上げる。特に亀岡文殊の待定坊の話は不気味さもあいまって強く印象に残った。
    即身仏となった僧侶に対する考察は乱暴だし不遜だが、頷ける部分もあり、おもしろい。

  • 導入部からの連綿とつづくミステリアスな流れに引き込まれついには一気読み。

    最後の一ページ、これを描きたいがために作者は描き続けてきたのだなと同じ女性として納得。

    ホラー恋愛小説というか、民俗学的な小説でもありました。

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