金閣寺の燃やし方 (100周年書き下ろし)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 150
感想 : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062166195

作品紹介・あらすじ

「金閣寺焼失事件」に心を奪われた二人の作家・三島由紀夫と水上勉。生い立ちから気質まで、ことごとく対照的な二人を酒井順子が解剖。面白すぎる新・文芸評論。

感想・レビュー・書評

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  • 表があれば裏がある。三島由紀夫側からでない金閣寺の見方があったのね。電力問題まで考えさせられました。

  • ふむふむ。

    ある社会的な事件をテーマに、別々の作家が別々の手法で描いている、というのは結構ありますね。
    (ex.大江健三郎「セヴンティーン」と沢木耕太郎「テロルの決算」)

    ここでの取り上げ方だと、金閣寺についての三島と水上はまるできれいに表と裏。
    わかりやすい構図になったようです。

  • まずタイトルが良い。バカリズムの「都道府県の持ち方」に通ずるところがあってツボ。金閣寺が全焼していたのは知らなかった。学びの多い本だった。三島版、水上版もそれぞれ読んでみたいな〜

  • 酒井順子による、三島由紀夫『金閣寺』と水上勉『金閣炎上』『五番町夕霧』の解説書。
    『金閣炎上』を読んで金閣寺放火事件に興味をもって、先に『金閣寺』を読んでから……と思っていたらこれがどうにも読み進まず挫折……。
    本書を読んでその理由が分かった。
    私は三島由紀夫という人物が好きではない。
    読み進めながらどうにも辛くて進まなかったのはそういうことかと。
    かといって水上の方にそこまで共感するかというとそんなこともないのだけど。

    二人の作家の金閣にまつわる作品群を、主に作家論から解明していくエッセイ。

  • 水上勉と三島由紀夫との対比。それぞれの原本を読もう。

  • 著者に深さや重さを求めてはいけない。
    隠れサブカルのライト感を楽しみつつ、
    本書に登場する水上勉、三島由紀夫、林養賢を知るきっかけになればいい。
    「裏が、幸せ」へと続くオマージュ的な本。

  • 三島の"金閣寺"に出会ったのが40年前。読後の朦朧とした状態で、当時の新聞記事を必死に読み漁ったのを、思い出した。
    終わりの太宰治との比較は、私も同意見。

  •  読み終えて違和感が拭えない。

     対比的な構図を押し通す姿勢は、何か大事なものを見逃すことになるのではないか。そう単純化、図式化してよいのか。

     理優越、素材としてのみの金閣、林という三島に対し、生い立ちへの怨嗟、 庶民目線の水上。理の三島、情の水上。大枠は間違っていないのだろう。

     しかし水上の執筆動機が気にかかる。なぜ『五番町~』を、そしてその後、『金閣炎上』をあの時期、ああいう形で書いたのか。あるいはなぜそれ以外に書けなかったのか。

     林と接点がある、似たような境遇だったなど、三島にはなかった特別な感情が水上にあったのは確かだろうが、それとて自身の恵まれない境遇、仏教、禅宗への個人的怨嗟が出発点ではなかったか。

     三島の死への距離感、耳目を引く行動、隠された出自への劣等感。

     見方を変えれば、両者は自己愛的という点で酷似していて、ただ作品としての現れ方が違っただけではなかったか。

     哀れなのは、関わられたようで一人放置された林養賢、その人ではなかったか。

    (ここにきてある思いが浮かんだ。著者には厳密な批評をする意図などなかったのでは。そうであるなら別なタイトルになっていただろうし。こちらが一方的に著者の術中に落ちていただけか。戦略は大成功というわけだ)

  • ショッキングなタイトルだが、「負け犬の遠吠え」のようなユーモラスさや毒性はあまりない。
    三島由紀夫と水上勉それぞれの金閣寺炎上に関する小説を比較検討する、けっこうまじめな文芸論。
    水上版は未読だが興味惹かれる。

    各自の小説に登場したシーンや、三島、水上それぞれの生い立ちをふまえて、ルーツを辿って検証する。金閣寺以外の作家の手記や代表作にも触れ、その思考回路を繙きながら、なぜ三島の、そして水上の「金閣寺」は生まれたのかを探る。

    単に文献をいじって羅列しただけの論文ではなく、各地に足を運んで,地域の人となりにも触れつつ、作家をはぐくんだ土壌に迫って分析をしている。結論をなんども言い重ねてくどいところもあるが、両作家作品へのガイドブックともなっており、なかなか読み応えのある一冊。

  • 13/07/23 三島と水上の対比を通しての日本人論?

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著者プロフィール

1966年東京生まれ。『負け犬の遠吠え』で第4回婦人公論文芸賞と第20回講談社エッセイ賞をダブル受賞。『下に見る人』『子の無い人生』(以上、角川文庫)、『源氏姉妹』(新潮社)、『紫式部の欲望』(集英社文庫)、『枕草子REMIX』(新潮文庫)ほか著書多数。河出書房新社「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」シリーズで、『枕草子』の現代語訳を担当。近著に『都と京』『女流安房列車』『男尊女子』『忘れる女、忘れられる女』『ガラスの50代』『バブル・コンプレックス』『処女の道程』など多数。

「2021年 『平安ガールフレンズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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