エルニーニョ

  • 講談社 (2010年12月1日発売)
3.42
  • (16)
  • (47)
  • (67)
  • (15)
  • (1)
本棚登録 : 371
感想 : 74
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784062166416

みんなの感想まとめ

逃避行をテーマにした物語は、DVから逃げる女子大生と、母親に見捨てられた少年の出会いを描いています。彼らは南の田舎町で出会い、共に自らの過去から逃れようとします。夏の青い空や海、風を感じながら、彼らは...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • DV男から逃げ出してきた21歳の女性・瑛(テル)が、辿り着いた南の田舎町で、ニノと名乗る少年と出会う。ニノもまた、暮らしていた施設から逃げ出してきて、この町に居着いていた。
    季節は、夏。
    二人は、二人を追う者から逃げ続ける。
    逃避行の道すがら、出会う人々や出来事。
    広い海、蒼い空、吹く風。
    そして、握ったニノの小さな手の感触や、エキゾチックで悪戯で、ちょっと悲しげな横顔。
    読みながら、頭の中で繰り広げられる映像世界に、まるで自分が、忘れられない夏休みを過ごしたような、そんな気持ちにさせられる物語でした。
    ニノがかっこいいです。子供なのに!

    • 円軌道の外さん

      遅くなったけど、
      お気に入りポチ
      ありがとうございました!

      コレ、レビュー読ませてもらって
      興味津々です(^O^)

      ...

      遅くなったけど、
      お気に入りポチ
      ありがとうございました!

      コレ、レビュー読ませてもらって
      興味津々です(^O^)

      名作映画『グロリア』を思わす
      モロタイプの設定に
      思わず食いついてしまいました(汗)

      基本文庫派だけど
      本屋でチェックしてみたいと思います♪


      良かったらまた
      気軽に絡んでいってくださいね(^_^)

      2012/05/30
    • まよさん
      円軌道の外さん

      こちらこそコメントいただきありがとうございます。
      その映画、気になったので調べてしまいました。
      あらすじを読みましたが、こ...
      円軌道の外さん

      こちらこそコメントいただきありがとうございます。
      その映画、気になったので調べてしまいました。
      あらすじを読みましたが、この小説はもうちょっとマッタリしている感じでした(笑)
      中島京子さんは最近読み始めたのですが
      文章がとても上手いと私は感じて、好きなんです。

      私も円軌道の外さんのレビューのおかげで
      気になる本がいっぱいできました!
      ありがとうございます。
      2012/05/31
  •  ボキャブラリーが豊富でその使い方が絶妙な作家さんだと思う。

     たんたんとしているようで勾配の多いストーリー。描く世界が素晴らしい。
    DV男から逃げた大学生が見知らぬ街のホテル(しかも自分の名前のような)に
    泊まり、誰からかわからない留守電メッセージを聞き、言われた場所へ行き、
    男の子と出会う。(まさか七歳とは)
     蜂にさされたその子は砂糖のお店に住み着いて、主人公もそこで店の手伝いをする。消しゴムハンコやエコバッグで店を盛り上げるくだりはおもしろい。
     
     その子を追いかける人物の正体が気になるのになかなかわからない。そして・・・・・・まさかそういう人だったとは。

     逃げているときに駅で出会った男性とのシーンは必要だったのかな。

  • 自分のしたいことが「最適な選択」はないというオトナな観点で、気持ちをぐっとこらえることは、ままある。
    けれど、その時その瞬間に感じる通りに行動するしかできない場合。馬鹿なことを、と言われたとしても、時間をかけて「適」にしていくことはきっと出来るんだろうと思えた。
    諦めの気持ちを重ねた安穏と、じっくり練り上げた納得。願わくば、後者の多い人生を歩みたい。瑛とニノが、歩み始めたように。

  • DVの元臨時教師から逃れる女子大生テル、母親に置き去りにされた7歳のニノは海外養子縁組から逃げている。二人あわせて《てるにの》→《エルニーニョ?》 

    宗教色をどこまで入れるか、書きながら迷ったのかな?
    南の島の寂れた街はよい感じに描けています。
    社会問題、南の島、それに宗教を絡めたかったのでしょう。
    いつもより畳み掛ける緻密な物語のヒダは感じなかったけど、夏にあう南の島のお話、なかなか・・・流石です。

  • 話に中に吹いている風の色が目に浮かぶような感じ。空気を伝えてくれる。

  •  10年以上も前に刊行されたというのに、いまだにDV男ってなくならないなあ。
     中島ワールド全開ですね。おとぎ話のようでもあり、リアルでもある。読者を連れて行ってくれる不思議な魅力があります。こういうのって、よほど知識とパワーがないと出せないと思うのです。どうやって組み立てるのかなあ。それとももくもくと湧いてくるのでしょうか。
     森のくまさん、なるほど~と思います。お逃げなさいって言ってほしいよね。

  • テル(瑛)とニノのロードムービー(?)逃亡する先々での人との出会いがあって、自分の立ち位置を見つけていくお話。大人っぽいくだりもあるけど、結構ファンタジー。良い意味で。モモとか森のくまさんとかも出てきて。

  • 西村が漢字になったりカタカナになったり。
    文字を使った表現が面白い。
    かくれんぼの鬼。

  • 逃避行ものだけど最後はあるべき場所に戻るのが好き。テルとニノは末永く幸せに…
    途中に不思議な挿話がたくさんあるのが特徴で、どうにも深読みできるけどしなくても楽しい。森のくまさんに囁かれたら逃げるべきなんだな…

  • DV男から逃げてきた瑛が、ひなびた商店街のある街で灰色の男から逃げているハーフの少年ニノと出会う。
    追われるふたりが、逃げ続けた末に出した結論とは。

    メインのストーリーのテーマは重く、深刻なもの。
    瑛の問題は、本人の強い意志で解決を見たけれど、ニノの問題は、まだまだ続く様子。
    ただ、解決に向けてすすんでいる感じの結末には、明るい未来が見え、ホッとした。

    途中途中に挟まれる寓話、
    必要なものだとは思うものの、少し読みにくさを感じた。
    著者の意図をうまく汲み取れていないのかなと、少し落ち込んでしまう。

  • 読んでるうちに飽きちゃった

  • 逃げる21才女と逃げる7才男。
    恋人のDVから南へと逃げるテル。公園で男の子と出会い、なりゆきで一緒に逃げることになる。
    男の子は施設から逃げてきたらしいが、施設外の人間に追われているらしい。

    なぜDV男に居場所がわかったのか?

  • 1つの物語から想像の羽を広げて展開していく中島作品。
    いくつもの挿話から広がったのかな。
    よくここまでと思わなくはない。

    ただ、少し童話みたいな世界になっていて
    それが狙いかもしれないけど、ちょっと置いてけぼりになってしまった部分があった。

  • 環境なんて変えればいいんですよ。

  • これの前に読んでいた本でも『モモ』が出てきたので、“灰色”に追いかけられているというフレーズからすぐ『モモ』が浮かんでしまった。エンデ流行ってんの?と思ってしまった。途中途中差し込まれる話のせいでなんか読みにくかった。こういうファンタジーっぽいのはあんまり好きじゃないなー。砂糖屋さんのおばあちゃんは好き。この人の作風はなんか独特で読む人を選ぶ感じがする。2012/338

  • DV男から逃げ出した若い女性と、無国籍のまま児童養護施設から脱走している7歳の男の子が、鹿児島と思わしき街で出会う話。著者の状況説明が巧みで、情景が見えてくる。
    主人公の女性とDV男の出会いは、地方の高校の生徒と非常勤英語教師、という設定。

  •  被害者体質、敗北主義が染みついた女の子って多いんだろうなー。異性関係(口説く、抱く、付き合う等)で、良く見られる為のオシャレや飾り程度でなく、過剰で異常な何かを行使する人間は「素では落とせない、傍に置いておけない」という劣等感や弱さを持っているのだろう。
     そして、行使したらカモになりやすい体質や主義の人間を見つける嗅覚は優れている。強い人なら行使されてもカモにはならないだろうし。
     支配や従属、自由を奪う事で劣等感は優越感、弱さは自信へと勘違いをこじらせる。
     各逸話が面白かったけど、少々多すぎて本文が物足りない気もしました。
     竜巻さんや鯨谷くんが「良かれと思って(鯨谷くんは騙されて)」でテルとニノを追い詰めてしまうのがツラかった。それをテルも分かってるから恨みもしてないのは最後で伝わってきたけど。
     場面は星空の下で綺麗に書かれていたけれど、「ゆきずり」は感心しない。現実逃避で病んだ部分や逃避行での高揚などの部分では「軽さ」はあるのかもしれないが、テルの人となりを見れば一般的な「尻軽」とは思わないので、一概に責める事は出来ない不思議な場面でした。
     森のくまさんと砂糖屋の婆ちゃんに出会えた事は宝物ですね。そしてニノと出会って消極的→積極的、受動的→能動的、見つけてもらう→見つけに行く、とテルが学生の女の子→大人の女性へと成長したのが嬉しくなった。
     あての無い旅でその日暮らし、よそ者を蔑んだり排除したりしない暖かな人々。そんな場所があるのなら自分も行きたいとこういう話を読む度に感じます。

  •  国籍とか血筋とか、本当に大事なものなのかなと思うことがある。
     生まれた国、生まれた家系というものからは離れることはできないのは事実だけど、それを大切にするのは良い事なのかもしれないけど、そういうものを抱きしめることと、目の前に広がる未知の世界を踏みしめることは別のことなんだ。国籍や血筋で、その人の未来や運命が決まるわけじゃない。当たり前のことだけど。
     でも、その当たり前のことを当たり前のように信じている人って、どれくらいいるんだろう。本当は半ば運命みたいに諦めて、宿命みたいに決めつけて、袋小路から出られなくなってる人の方が多いんじゃないだろうか。

     男女関係に悩み疲れた主人公の女性が、逃亡の旅の途中で出会った男の子が混血児であるという設定が興味深い。主人公にとっては、その国籍や血筋が未確定なまま彷徨う男の子を守ることが、運命や宿命から逃れ、自分の未来を切り拓く一歩なのだろう。
     物語中に挿入される引用も含めたエピソードも含めて、人生の袋小路から逃れて、人間が生きていくためのヒントを少しだけもらった気がする。安心感を読む者に与えてくれるラストも含めて。
     

  • てるとニノの話。ニノがかわいい。結局ハッピーエンドだけど、単純ではなく心が温かくなる。

  • 家族とアイデンティティと境界線の物語。
    主人公の二人だけでなく、わたしたちみんな、どこからきて、どこへゆくのか。

    たぶん、この作家は、いまわたしたちが暮らしている「日本」という国家の境界線(=「日本人」というアイデンティティ)が、実は、自明でもなければ確固としたものでもないことをよく知っている。

    てるが逃げていたのは、ひとりの男からだけではなかったんだろうな。

    表向きにはわかりやすくて安心感があるけれども、内実、窮屈で抑圧的で本来あるはずの自分の輪郭がなくなってしまうほどの縛りを課していたなにか。その存在にうっすら気がついて、しかしそれをどうしていいかわからなくて、疲弊していたときに森のくまさんに出会って、初めの一歩を踏み出した、と。

    からゆきさんの話とか、過去の残像を表出させつつ現代のわたしたちが日々感じていることの真実と織りかさねていく感じが好きだ。

全63件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

1964 年東京都杉並生まれ。小説家、エッセイスト。出版社勤務、フリーライターを経て、2003 年『FUTON』でデビュー。2010 年『小さいおうち』で第143 回直木三十五賞受賞。同作品は山田洋次監督により映画化。『かたづの!』で第3 回河合隼雄物語賞・第4 回歴史時代作家クラブ作品賞・第28 回柴田錬三郎賞を、『長いお別れ』で第10 回中央公論文芸賞・第5 回日本医療小説大賞を、『夢見る帝国図書館』で第30 回紫式部文学賞を受賞。

「2022年 『手塚マンガで学ぶ 憲法・環境・共生 全3巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中島京子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×