砂の王国(下)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 682
レビュー : 144
  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062166454

作品紹介・あらすじ

作りだされた虚像の上に、見る間に膨れ上がってゆく「大地の会」。会員たちの熱狂は創設者の思惑をも越え、やがて手に負えないものになった。人の心を惹きつけ、操り、そして-壮大な賭けが迎える慟哭の結末。

感想・レビュー・書評

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  • 上下巻に及ぶストーリーだけど、結局 胡散臭い新興宗教は目論見通りの拡大路線を走り、予測通りに内部から破綻する。そして主人公は振り出しに戻って又も心身すっからかんの道を歩き始めるという お話だね。ちょっと残念だった作品。

  • 飽きる事無く下巻まで読了。

    下巻後半からの木島の現実なのか夢なのか妄想なのか曖昧になってくる描写をもっともっと曖昧にさせてしまえばより恐怖感を煽れたのではないかと。ラストの結末からするに希望を残したかったのかな。

    盲目的に何かを信じる事の恐さ。
    そしてそれが集団になり巨大化していく。
    巨大化していくにつれてどんどん排他的になってくるのはなぜだろう。排除したり敵を作る事でまとまるチカラがより強固な物になる。ベクトルが合う。でもそれでまとまった組織のチカラは所詮砂のようなもの。ただ、宗教となると、それが価値観の全てになってしまう。そうすると自然と攻撃することも排除することも=善い行いになってしまう。正当化しやすくなる。思考停止の恐さ。

    講談社 2010年 
    装画:鳥山由美  装幀:鈴木成一デザイン室

  • ホームレスのナカムラと辻占の龍斎とともに作った宗教「大地の会」は,木島と名前を変えた山崎の戦略どおり,着実に拡大していくが,少しずつほころびも出てくる。

    結末はあっけないが,それまでのエピソードはいかにも実際にありそうなもので,引き込まれる。

  • 元証券マンのホームレスが宗教をつくって這い上がっていく話。
    着実に信者を増やしていく様子は面白い。インチキな手段だけどきっと現実でも使われているんだろうと思うとなおさら。
    ただ下巻のエコレイブの後は斜め読み。破綻の仕方がわかればいいやと。結末は予想と違った。主人公にとってはある意味希望のもてる結末なのかもしれないが、釈然としない所が多々ある。ただ宗教の人を盲目的にする怖さと、人の何かにすがらねばいられない弱い部分は痛いほど感じた。

  • 全然予想してたのと違った。木島さんだけとは。でも大地の会ももう持たないでしょう。ブレーンを失ったのだから。便乗を忘れて自分が中心だと思った時点で、近いうちの破綻は見えてる気がするのですが。木島さん、寧ろ怖い思いもあれど追い出されて良かったんじゃないかとさえ思いました。大痴の会、死ん者・・・言い得て妙ですね。どこで間違ったのか。それはきっと他の二人を選んだ時からなんじゃないかなぁと思う訳です。暴走すると怖い、そして盲目になると本当に怖い。逃げたくなる時もあるけど大地に足を付けておかなきゃ。と思ったのでした。

  • 上巻で主人公達の作った新興宗教が上手く滑り出し、事が進んでいく、しかし気づけば自分の望んだものはこれだったのか?・・・
    幸せとは??大きくなる宗教と共にばらばらになる仲間と、安定しない自分の心。そして、行きつく先とは・・・

    少し展開に不満でしたが、人間の繋がりの難しさ、物事を進めていく事の困難さ、理想と現実とは?そういう事を考えさせられる作品でした。

  • 巧みについた嘘でも、どこかからつじつまが合わなくなっていく。
    下巻では、そこから大地の会を設立した木島を排除しようとする動きが。
    きっかけさえあれば、こんなに急激に会員が増えるものなんだろうなぁ。
    あぁ、恐ろしい。
    周囲に惑わされることなく、自分で判断できるようにしておかなくてはね。
    最後の飯村のブログはトラップに思えて仕方ない。

  • なかなか読めず。
    長いって思えば思うほど気が重くなるね笑

    自分が作った宗教に、最後は自分が追い出されてしまった。
    宗教って怖い。
    ただのデタラメなのに。
    自分で作ったのに。
    どんどん人が増えていき、自分ではコントロールできなくなってしまい、結果そのデタラメを信じてる人達に殺されかける。

    気づいて脱退した彼らと合流するとこまでお話があるのかと思ったら、ホームレスに戻りつつあるところで終わったから、え!?終わり??ってなった笑

  • 【上下巻のレビュー】
    ユーモア封印に作者の本気を見た

    久々にお得意のユーモアを封印して挑んだ意欲作。ホームレスに身を落とした男の起死回生の作戦は宗教を興すこと!?紆余曲折を経て会は軌道に乗ったかに見えたが、巨大になり過ぎた組織はやがて暴走を始める。ラストの信じられるものが誰もいなくなる状況への追い込みが恐い。

  • こう言う感じで終わる小説をあまり読んだことがないから読み終えた時に頭に?が出てしまった。物語を終わらせないっていう終わりもあるんだ。

    中村くんに迫られたこととか、なんで中村くんが違法者として木島をさらしあげたの?とか、結局元嫁は?とか、謎が多すぎる。

    伏線だと思われたことが一個も回収されずに終わったからモヤモヤがすごい。あの長い文章はなんのため?想像力が乏しいので、こうなったからこうだよって、誰か教えてほしい。

    時間がかかったけど最後まで飽きずに読めた。

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著者プロフィール

1956年埼玉県生まれ。広告制作会社勤務を経て、コピーライターとして独立。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞、14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞、16年『海の見える理髪店』で直木賞を受賞。『砂の王国』『花のさくら通り』『ストロベリーライフ』『海馬の尻尾』『極小農園日記』など著作多数。

「2018年 『それでも空は青い』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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