ドストエフスキー

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 124
感想 : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (554ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062166508

作品紹介・あらすじ

文学史上最大の衝撃、ドストエフスキーとは何なのか?気鋭の批評家が切りひらくドストエフスキー論の新たな地平。

感想・レビュー・書評

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  • 山城むつみ ドストエフスキー 論

    断定的で難解な文体が小林秀雄氏を思わせるが、ドストエフスキー作品の共通論点を捉えながら、個々の作品に結びつけて検証しているように思う。


    印象に残ったドストエフスキー作品の共通論点
    *地下室的主人公と他者の対話の異和性(ラズノグラージェ)
    *対話のトーンと顔の変化に繊細な注釈を加えた描写
    *キリストに対する同意を描こうとしているが、異和が露呈し、同意に至らないプロセス
    *悪魔=人間以上に人間的な本質を持つ存在
    *主人公は単なる人形でなく、人間である〜作者が真理と考えるものへ主人公を都合よく誘導しない

    異和とは
    *同意を促してくる 他者からの 心に染み透る言葉に対して声を合わせ損ねること
    *同意を促す他者=究極的にはキリスト
    *心に染み透る言葉=他者の内的対話の中に入り込み、その他者が自分本来の言葉を自覚するのを手伝う言葉

    最後の「カラマーゾフの兄弟」についての論考が、著者の主張と合致していて、わかりやすかった


    「カラマーゾフの兄弟」についての素晴らしい目付け点
    *アリョーシャとスメルジャコフの左右対称性
    *スメルジャコフは、イワンとの無意識の兄弟愛を確認するためだけに父を殺した
    *イワンが向き合うべきは、スメルジャコフを弟として愛せるか
    ドストエフスキー作品のイデー(詩想、ミッション)
    *他者とは主人公の内的対話の外部に立ち、その内的対話を見透し、他者の座に自らを押し入れ、そこから言葉を射しいれる(アリョーシャ)
    *イワンがアリョーシャの言葉を受け容れるかどうかに同意の問題は賭けられている

  • 圧倒される。評論の醍醐味とはまさにこういうことだろう。ある意味、対象作品そのものよりも深い世界を味わえる。また作品を再読したくなった。

  • 2011/2/19週刊ブックレビュー

  • 私には序章のみで十分。序章のみならば、読後感爽やか。文芸批評でドストエフスキーを考えるのはほどほどにして、作品そのものをくりかえし読みながらいろいろなことを思うほうが健全かと。

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著者プロフィール

1960年生。文芸評論家。著書に『文学のプログラム』(講談社)、『ドストエフスキー』(講談社)、『小林秀雄とその戦争の時』(新潮社)など。

「2018年 『佐藤泰正先生追悼論集 語り紡ぐべきもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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