ナマコ

  • 講談社 (2011年4月1日発売)
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  • 本 ・本
  • / ISBN・EAN: 9784062166553

感想・レビュー・書評

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  •  主人公の私は新宿の「呑々」という呑み屋の常連客。この店の主人である小田さんが、北海道の斜里に質の良い昆布を仕入れにいくという。それに誘われて、一緒に北海道に行くが、その先でナマコ漁のことを知り……。

     昆布仕入れのついでに緩く北海道旅行。楽しいけれど、なんだそれは?ということが次々と起こる。いい意味で脱力感。

  • 生ナマコ酢しか食べた事が無いので、干しナマコの想像が膨らむ膨らむ。
    北海道の漁師との交流も良かったが、微妙な温泉紀行も味わい深い。とはいえ一番は小田さんのキャラクター、勝手に禿げたオッさんをイメージしてしまう。一見強面だけど話すと面白い的な、遊びながら苦労してるから経験談も面白そう。どの辺りまでフィクションなのだろう?シーナ氏の充実したオッさんライフに憧れるばかりである。

  • 入院中、たまたま病院にあったために読んだ。シーナマコトは決して嫌いではないけれど、これには何だか、かつての「昭和軽薄体」の心地よいいい加減さみたいなリズム感かどうも薄らいでいて退屈だった。ナマコやホヤに一家言あるヒトには面白いかもしれないけど。

  • まさか小説だとは!というか小説なのか小説じゃないのか⁉︎ ほとんど実話。読めば確実に腹が減る。そして北へ行きたくなる。

  • ワタシのためにあるような本だ。
    まったく小説とは思えなくて "食べログ" で新宿の「呑々」という居酒屋を探したけど、やっぱりなかった。


    p.28
    冷たい北の海に住むナマコはさすがにきちっとしまっているように見えた。凛々しいと言ってもいい。

    p.38
    私はコノワタに目がない。
    もともと私の好きな酒の肴のベストスリーは「ウニ・ホヤ・ナマコ」と節をつけるようにしていい続けてきた。
    しかもこのコノワタはこのベストスリーのさらにその上をいく輝けスーパーゴールデンデラックススペシャルナンバーワンの肴、ということになるのである。

    p.56
    「ほんとにナマコ船に乗るんですか」

    p.67 ⚫︎赤ボヤ
    頭の上のマカロニ状のチョンチョコリンも実に圧倒的に面妖なる形状である。

    p.73
    ナマコがナマコとしてその人生に達観している

  • なまこ小説。なまこをめぐる大冒険?がオモシロイ!

  • 椎名さんらしい一冊。
    読み始めると、たわいもない話なのに、それとなく話に引き込まれてしまう。
    一気読みしてしまった。

  • 前から気になっていた椎名さんの作品に初挑戦しました。北海道と香港を舞台に「ナマコ」をめぐって大冒険を繰り広げるおじさんたちの物語。小説メインの読書生活から少し世界を広げてみようと思い表紙にインパクトがある本作を選びました。
    語り口が明快で嫌みがなく、ジェネレーションギャップもほとんど感じず楽しめました。とりあえず難しいことは抜きにビール(個人的には日本酒)を飲んでナマコを食べたくなる。
    これから少しずつ椎名さんのほかの作品も読んでみたいです。

  • GW中の八重山諸島への旅のお供に持参した、椎名誠著 ナマコ読了。「本邦初の私ナマコ小説」とのキャッチフレーズ通り、ナマコをテーマにした怪しい小説なのであります。主人公の作家と新宿の「呑々」という作家行きつけの居酒屋の店主が繰り広げる北海道、そして香港へのナマコをめぐる旅。

    「生ビールをこよなく愛する作家は、ただ者ではない雰囲気をかもし出す新宿の居酒屋店主と、うまい食材を求めて北海道から国際都市・香港へ乗り込む。そこで待ち受けていた怪しい男たちと、ナマコをめぐる激しい戦いが!?」(本書より引用)

    SFでもない、純文学でもない、どのジャンルの小説といったら良いんでしょうか?やはり私小説に限りなく近いんでしょうかね?正に「私ナマコ小説」というのがピッタリだと思うのであります!独特の椎名ワールドが100%全快で展開しているのも嬉しい限り。我輩のような椎名ファンはもちろん、ナマコに興味がある方にも是非ともお勧めしたい小説なのであります。

    それにしても最近椎名さんの本の出版ペースがやや遅くなってきているような気がする。我輩のような椎名中毒者にとっては、書店の店頭で椎名さんの新刊を見つけると飛びつくように購入してしまうんだよね!

    【Dance1988の日記】
    http://d.hatena.ne.jp/Dance1988/20110517

  • 北海道弁に多少の違和感残しつつも、浜言葉はあんなもんかな。小田さんがいい味。ノンフィクションなのかフィクションなのか分からない微妙なエッセイ。テキヤのたこ焼きはもう食べられないかも。

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著者プロフィール

1944年生まれ。作家。1988年「犬の系譜」で吉川英治文学新人賞、1990年「アド・バード」で日本SF大賞を受賞。著書に「ごんごんと風にころがる雲をみた。」「新宿遊牧民」「屋上の黄色いテント」「わしらは怪しい雑魚釣り隊」シリーズ、「そらをみてますないてます」「国境越え」など多数。また写真集に「ONCE UPON A TIME」、映画監督作品に「白い馬」などがある。

「2012年 『水の上で火が踊る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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