東京影同心 (100周年書き下ろし)

著者 :
  • 講談社
3.58
  • (4)
  • (6)
  • (6)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 47
感想 : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062167260

作品紹介・あらすじ

明治元年、江戸町奉行所は市政裁判所と名を変え、のち、東京府に移管されて、完全に姿を消した。慶応三年、二五歳で異例の出世をし、南町奉行所定回り同心となった金子弥一郎。お役大事で、まじめに生きてきたこの男にも、コロリの流行、桜田門外の変、彰義隊と、文久、慶応、明治の大変動が襲いかかる。「八丁堀」が消えた明治の世になって、捕り物一途の男が見せる、己れと世の中につける決着。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 一息に読み終えての感想は、実に面白かったである。
    江戸時代から明治へと変動する時代に、果たしてどのようなしくみで
    改革がなされてきたのかは、誰しもが興味深く思うことであるが、
    主人公、南町奉行所同心 金子弥一郎が見せる 同心の心意気が
    最後まで、小気味良く読者を惹き付ける。
    けじめをつけた、弥一郎が春の霞みの大川で釣り糸を垂れるくだり
    の光景は、私までもが、一息、読み終えたほっとする部分である。

    • guniang79さん
      この作品はまだ読み始めていないが、杉本章子さんの作品はいままで全く当り外れなく、全て面白かった。
      杉本作品の共通の感想としては、ほんのりと...
      この作品はまだ読み始めていないが、杉本章子さんの作品はいままで全く当り外れなく、全て面白かった。
      杉本作品の共通の感想としては、ほんのりと優しい余韻がのこり、後味よく読み終えられることではないだろうか。
      2011/01/23
  • 同心なのに「東京」??ナゼナゼ??
    、、と興を惹かれたものの。なるほど、幕末の、江戸幕府が瓦解して職を失った同心のこの時代背景なのね。かといって市井の治安のために尽くす姿勢を貫いたわけでもなし、なんだか取っ散らかっていた。新聞記者になるというのも、米八との曖昧でずるい関係も、そして旧幕側として久留米藩のために人斬りすらする顛末も。
    なんかだんだん、どんな正義が内にあれ、ひとを殺めるシーンが受け入れられなくなっている自分がいる。時代とともに、当たり前がずれてきていて、物語の義に酔えなくなってきてしまっている、こういう感覚、わかってくれるひと今増えつつあるんじゃないかなあ。私だけかな。フィクションなんだけどさ。読者としてどこに焦点を当てて読めばいいのか、受ける私が下手だったかもしれないけれど、なんか呑み込めないままの読後感、でした、。

    あ、ただ、「洞が峠」の例えが台詞に入っていたのがとても印象的。これは自分のためにφ(・ェ・o)。めも

  • 主人公と奥方のやり取りが素敵だな、と。短い夫婦生活が残念。

  • 権力はなくても支える仲間あり、慕ってくれる姐さんあり。東京になったって、職にあぶれたって、魂は庶民を守る江戸っ子同心・弥一郎だ。

  • 2013/08 まぁ、うまい本ですな。

  • 面白かった。幕末から明治にかけて活躍する志士たちの話はよく聞くけど、江戸の同心達はどうしていたかは知らなかった。着眼点が面白い。幕末は物悲しい話が多いけれど、御一新で八丁堀は変われど心意気は変わらない、という話を読めて清々しかった。

  • 明治時代。江戸が東京と呼ばれるようになった時代。
    かつて江戸の市中を見廻っていた同心達は時代の変化にどのように変化していったのか。
    知識としては知っていましたが、小説として取り扱っていたものを読んだのは初めてでした。
    とても判りやすいだけではなく、江戸から明治へと向かう時代の情緒も感じられ、さすが杉本章子作品だと思いました。

  • 「八丁堀」元定回り同心・金子弥一郎は江戸から明治と動乱の時代に東京の町をかけめぐる。

     身ごもった妻を病気で亡くし、弟は彰義隊に身を投じ殉死。  江戸から明治を背景に同心一筋の男の生き様が素晴らしい。
    何時もの事ながら時代考証がとてもわかりやすい。 

  • 明治元年、江戸町奉行所は姿を消した。南町奉行所定回り同心だった金子弥一郎にも文久、慶応、明治の大変動が襲いかかる。
    時代が変わっても生き方は変えられない。筋を通す弥一郎の生き方は、周辺の人々に温かく受け入れられる。
    魅力ある若者像。

  • さすが、杉本章子。江戸を書かせたら、言うことなし。

全14件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

すぎもと・あきこ
1953年、福岡県八女市生まれ。ノートルダム清心女子大学国文学科卒業後、金城学院大学大学院修士課程修了。江戸文学を学ぶ。1980年「男の奇跡」で歴史文学賞佳作入選、作家デビューを果たす。1989年「東京新大橋雨中図」で直木賞受賞。2002年『おすずーー信太郎人情始末帖』で中山義秀文学賞を受賞。近著に『起き姫 口入れ屋のおんな』など。本作は「お狂言師歌吉うきよ暦」シリーズ4作目の完結編となる。

「2016年 『カナリア恋唄 お狂言師歌吉うきよ暦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

杉本章子の作品

ツイートする
×