散り残る

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 72
感想 : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062167499

作品紹介・あらすじ

突然、師に命じられて、気落ちしながら住み込んだ薬種問屋には、広大な薬草園を仕切る、しっかり者の娘・早苗がいた。誠之助は彼女に心惹かれたが、どうも、用心棒の左近との間に、何か訳がありそうに見える。早苗の右手が不自由なことと関係があるようなのだが…。医師を目指す青年の鬱屈と成長の日々-気鋭が描く青春時代長編。

感想・レビュー・書評

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  • 誠之助が住み込んだ薬種問屋には、たおやかな
    娘と謎の浪人、そして事件が待っていた。
    意思を目指す青年の鬱屈と成長の日々を
    描く、青春時代長編。

  • 医師見習い、商家の娘、訳アリ浪人の三角関係のお話。
    「こんな嫌な奴が主人公なのか・・・」と読みはじめてすぐに思ったけど、いやいやなかなかどうして楽しい誠之助さんでした。

  • 要領のいい同室の弟子に手柄を横取りされていらだっていたところへ、薬屋で修業してこいと師匠に放り出されてしまった医師見習いの誠之助。行った先には訳ありの男女がいた。それぞれの恋慕は足踏み状態でありながら、だんだんしっくりなじんでかみあっていく三人の関係が、切なくもありほほえましくもある。いつまでも続いてほしいと願いながら、そうでないことが予想できるだけに……それでも、三人には幸せになってほしい。この作者さんの書くお話は、こってこてに深くはないけれど、なぜか引き込まれてしまう。

  •  薬草園ものが好きなせいもあり、面白かった。

     姑息な弟弟子に出し抜かれ、師匠に見捨てられたんじゃないかと挫折感を持った医師見習いの主人公が薬草園で助手として働きながら、恋をしたり事件を解決したり勉強したりしていくうちに元気と希望を取り戻していくところが楽しい。

  • L

    解説には「医師を目指す青年の鬱屈と成長の日々、青春時代長編」とあったけれど、特に壮大な話でもなく、診療所から修業と称して薬種問屋行きを命じられ、腐ったり恋をしたりしながらも本来の性格を取り戻すという感じ。恋相手の娘と恋敵の侍、それぞれの立ち位置からの語りもあり とくに青年だけに焦点をあてたものではないし、薬種問屋奉公も半年足らず。
    いろいろあったけどそれぞれの道を頑張って進もう!というには期間が短すぎ、青年にとっては特に重い出来事もなかった。
    この青年はこれからが面白いんじゃないの?と少々勿体なく思う。

  •  想い人に切られて、手が不自由になったのに自分を責める早苗。まっすぐな気質ゆえに、役目を全うしようとして誤って早苗を切ってしまい罪の意識がきえない左近。まっすぐさゆえに、卑怯な同僚を許せず自分を見失っていた誠之助。その人もまっすぐすぎて生きにくい。それを藤屋の幸太郎や惣右衛門がつつんでいる様子が温かい。人を許すということや温かいということの強さを感じる話。

  • 三人の仲がこのまま続いて欲しいような、どうなるのか。

  • 突然、師匠から薬種問屋に住み込み手伝い修行を命ぜられることになった見習い医師の誠之助。
    なぜ弟弟子でなくて自分なのか?厄介払い、誠之助の頭の中は鬱屈した不満で渦巻く。
    手伝い先の藤屋で広大な薬草園を仕切るたおやかだがしっかりものの早苗、住み込みで用心棒の左近と出会う。
    誠之助は早苗に恋心を抱くが早苗と左近は惹かれあっているように見える。
    しかしながら二人の間にはなにか壁があるようにも見え早苗の不自由な右腕にも関係があるみたいだ。

    誠之助の成長物語としても早苗と左近の関係に誠之助が加わっての恋の物語としても楽しく面白く読めました。
    田牧さんの小説はいつもながらテンポがよくて謎めいた展開も手伝って物語の最期まで飽きることなく引きつけられる。
    誠之助、早苗、左近と章ごとに視線が変るのもよかったですね。
    三人のこれからの恋の展開を想像するのも楽しみです。

  • やはり田牧さんいいですね。見習い医師の誠之助、薬種問屋の娘 早苗、用心棒左近の三人を中心に話が進む。見習い医師の話というと山本周五郎の「赤ひげ」や藤沢周平の「立花登」とか思い浮かべるけれど、田牧作品はこれらよりもっと彩りがある。章が変わるごとに語り手が変わり、三人の心のうちがみえてきて、事の次第もわかってくる構成もいい。周囲に登場してくる人々それぞれ滋味があるが、全体に漂う温かみはやはり誠之助によるところが大きいと思う。前作「かくれからくり」より私はこちらのほうが好みです。

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著者プロフィール

1966年、東京都生まれ。2007年、「色には出でじ 風に牽牛」(書籍化にあたり『花合せ 濱次お役者双六』に改題)で全選考委員からの絶賛を受け、第2回小説現代長編新人賞を受賞、作家デビューする。いま、最も注目を集める女流時代小説作家の一人である。

「2021年 『大福三つ巴 宝来堂うまいもん番付』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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