八月の犬は二度吠える

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 156
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062167512

作品紹介・あらすじ

悲劇の夏から24年、たったひとつの恋のため、仲間を崩壊させた自分に死の床についた"かつての友人"が託したのは京都中を震撼させるはずだった極秘作戦の完遂-『八月の犬』で送ってくれそれだけが、俺の願いだ-。

感想・レビュー・書評

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  • こんな風にばかばかしいことに一生懸命になれるのって、とっても短い間なんだな。そして、時を経て、友の願いを叶えるべく集う仲間たち。結末に向かって物語は加速する。京都故か万城目さんテイストを感じた。中盤の出来事、ちょっと唐突な気が。伏線を読み落としたかな。

  • 予備校時代に企てた壮大なバカ計画を、仲間の1人が死に瀕した20数年後に実現させようとする話。
    バカ計画とは大文字焼きの「大」を「犬」にしようとするもので、いい大人になってからは、この犯罪行為に反対するヤツも出てくるが…。
    自分だったら頭では悪いと思いながらも、登場人物の山室や長崎のように計画遂行に突き進んだろうなと思いながら読んだ。
    切ない青春ストーリー。
    ガン死に行く仲間の友を思う懐の深さ、バカな計画に命を懸ける一途さ。最後は泣いてしまった。
    泣ける話とかじゃなくてリアルに泣いた。
    自分もそうだけど、大学時代を京都で過ごし、京都に若い頃の一生忘れない思い出を残してきたヤツは多いはず。
    懐かしい町並みとそれに溶け込んだいろんな思いが巡る。

  • 花火も送り火も今の時代ならネットにあげられ、
    非常識な若者のそしりは免れないと思うが。

  • 鴻上さん最近見ないなと思ってたら図書館にいた(笑)言わずと知れた第三舞台、小劇場のカリスマの本を見逃さずにおれようか、ひったくるようにして借りて貪るように一気読み。
    やっぱりいいのだ、アナクロと言われようがあの激動の時代を知っている者にとっては感涙ものの青春グラフティ。
    屋上スナイパー、1万発のロケット花火、そして宗教行事でもある大文字送り火への冒瀆ともとれる無謀な挑戦…それら全てが若き日の自分にシンクロし感涙ものの活劇はやはりこの人の今日の存在意義なのだろう。
    腹を抱えて笑った、人目憚らず泣いた、そして手放しで感動した…オレらの青春はまだ終わっちゃいないぜ!と思わせてくれるいい本です。但し中高年限定ね(爆笑)

  • 舞台は1982年戌年の夏の京都。
    大文字焼き(五山送り火)を”犬文字焼き”にしてしまおうとたくらむ予備校生たちの青春ストーリーです。くだらないことに夢中になれる若さ、将来への不安、恋の悩み、そんな楽しくも悩み多き時代のキモチがよみがえってくる一冊。犬文字焼きは成功したのか・・・その意外な結末とは。

  • 鴻上尚史さんの予備校時代をモチーフにした小説。登場人物がナイーブで僕自身も予備校時代を思い出した。「カレーは家庭と家庭が出会う」「本当の悩みは抱え込む」など印象深い台詞も多かった。

  • よかった!読む人の年代によって差はあるかもしれないけど、懐かしく、ほろ苦く、おかしく、悲しい・・・いろいろな気持ちが出てくる小説でした。 

  • 鴻上尚史の青春記、京都での浪人生活から生まれた、八月の犬にまつわる物語、秀逸です。大文字焼きを見上げつつ、大→犬、という発想は、さすが鴻上尚史であります。この青春記を読みつつ、昔読んだ、村上龍の青春記、69、長崎オランダ村等を読み返したくなりました。

  • 電車で泣きました(笑)
    プライドを捨て、
    恐怖心を捨て、
    常識を捨て、
    ただがむしゃらにひたむきに
    頑張るオッサンたち。
    だいすきです。

  • 予備校時代を京都で過ごした仲良し6人組が中年になり、過去を回想する。
    40、50代の人には懐かしく読む事もできるが、世代があわないためか共感し辛かった。
    登場人物が妙にナイーブ過ぎだと感じた。

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著者プロフィール

著者等紹介
鴻上尚史[コウカミショウジ]
1958年8月2日生まれ。愛媛県新居浜市出身。早稲田大学法学部卒業。劇作家・演出家・エッセイスト・小説家

「2023年 『ヘルメットをかぶった君に会いたい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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