- 本 ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062167611
作品紹介・あらすじ
工業高校機械科1年唯一の女子、冷たく熱い鉄の塊に挑む!めざせ「ものづくり」の真髄!!「高校生ものづくりコンテスト」旋盤青春物語。「高校生ものづくりコンテスト」とは……。全国の工業高校生の精鋭たちが、技術・技能を競い合う大会。「高校生技能五輪」「ものづくり甲子園」などとも呼ばれ、日本の高校生による「ものづくり」の頂点をめざす大会として注目を集めている。
講談社児童文学新人賞佳作受賞作家の新作
工業高校機械科1年唯一の女子、冷たく熱い鉄の塊に挑む!
めざせ「ものづくり」の真髄!!
「高校生ものづくりコンテスト」旋盤青春物語。
「高校生ものづくりコンテスト」とは……
全国の工業高校生の精鋭たちが、技術・技能を競い合う大会。「高校生技能五輪」「ものづくり甲子園」などとも呼ばれ、日本の高校生による「ものづくり」の頂点をめざす大会として注目を集めている。
感想・レビュー・書評
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イベントでまはらさんのお話を伺う。
ペンネームは三月三日生まれ、古事記の作中に出てくる桃が邪気を払うという意味合いがあるとのこと。作業場所では椅子がわりにバランスボール、毎日午前中に創作活動をなさっているとのこと。10年ほど同人誌で鍛えられて40代でデビューなさったとのことで、努力家で言葉を選びながら誠実に答える姿がとても素敵でした。
こちらの作品は実際に取材を綿密に行ったというお話でした。
コンピューター研究部、ものづくり研究部って私の頃はなかった、部活動。キラキラして見える。おじいちゃんの工場の動く機械や飛び散る火花を見るのが好きだったという心が主人公、<高校生ものづくりコンテスト福岡>大会に向けて部員のみんなと切磋琢磨を重ねた時間を描いている。切削時に出る鉄くずであるキリコには職人の腕が現れる、旋盤は「削る」「挽く」、ドリルで穴をあけるのは「揉む」、平面をかき削る時は「きさぐ」、ほんのちょっとの削るなら「さらう」とか「なめる」とか鉄の加工で言葉は変わるらしい。実践の前には理論、「何かに一生懸命になっとる時、それが本物かどうか、人は時々試されるんよ」という大山先生の言葉が襟元を正されるような気分になる。崎原先輩の「性差も能力」という助言に本人が勇気づけられ「ものをつくるのに男も女もない」という祖母の言葉に重ねる。自分の歩きたい道をひたすらに歩く姿を応援したくなる。
「機械にいい仕事させるのは人間やからね」という原口先輩の背中を眩しく見つめて心を寄せる様子も青春だなあと思う。北九州という工業の町に育った著者はモノづくりの話をかいてみたいと思って出来上がった作品とのこと。また北九州までドライブして工場萌えしてこよう。 -
しんどい先にある「たのしい!」のほうが、かんたんな「たのしい」より、断然「たのしい!!」。
方言なところもすてきでした。 -
面白かった。まぶしいぐらいキラキラした青春小説。鉄。火花。旋盤。職人技。カッコイイ。
金属質で硬い物に熱い想いが感じられる。専門用語もたくさん出てくるけど、テンポ良くサクサク読みやすかった。主人公のおばあちゃんがいい味出している。
「ものづくりは楽しい!」同感です。 -
おもしろかった!
旋盤の技能を競うものづくりコンテストを目指す高校生の心(しん)の物語。
原口が言った「ものづくりは楽しいから」が象徴するストーリー。旋盤も専門用語も聞いたことないものばかりだが、登場人物たちの楽しさが伝わってくる。
もの研の部員でもある、吉田、亀ちゃん、前半大活躍の小松さん、みんないい。
終盤、原口が元カノに会うところに心がついて行ったのに、何もできなかったのも良かった。
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「ものづくりはなくならんよ。なぜなら」「ものづくりは、楽しいからだ!」(P74)
工業高校を舞台にした「ものづくり」の話。とても気持ちの良い読了感が得られました。
主人公や他の登場人物も個性的で、それぞれの“旋盤”との向き合い方もおもしろい。
あと、工業高校というほぼ男子という環境での女性の立場や苦労も少し知ることができたような気がします。
「性差も自分に与えられた能力のひとつよ」(P171)「ものをつくるのに、男も女もない」ものづくりに限らずこの考え方を持つことは大切なのだと気付かされました。 -
北九州工業地帯を支える下請け企業の小さな町工場が並ぶ、北九州工業高校。三郷心(みさとしん)は、機械科1年生、たった一人の女の子だ。
三郷金属工業の社長の孫として、幼い頃から工場で育ったような心だったが、従業員の裏切りから祖父の死、会社の倒産と不幸が続き、腕のいい旋盤工だった祖父を慕いつつも、「ものづくり」からは遠いコンピュータの道を選んでいた。
そんな心に文化祭限定で「ものづくり研究部」からの誘いが……。即答で断ったはずが、もの研メンバーの様子や油のにおい、手の感触に心惹かれるようになって……
気持ちのいいYAでした。専門用語はちっともわからないけど、そんなことは気にならないくらい、「ものづくりは楽しい」というメッセージがびんびんに伝わってきて……。もの研の少年少女の真っ直ぐ思いに心を打たれました。心から夢中になれるものがあるというのは、本当に素敵なことですね。
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モノづくりへの情熱と高校生の純な思いとか、胸キュンモノです。
「たまごをもつように」もよかったので、こちらも是非読んでみたかった! -
工業高校で金属加工に打ち込む女子の話。周りは全員男子の状況で、旋盤加工に目覚めて「ものづくりコンテスト」通称ものコンを目指す女子の悪戦苦闘ぶりを描いてます。ものごとに真剣に取り組むと楽しいだけじゃない、乗り越えられない壁にぶち当たって、悩んで苦しんでケガもして、それでも試行錯誤して一歩ずつ前に進んでいく主人公を応援したくなります。モノづくりの楽しさ、奥深さが味わえる一冊です。
著者プロフィール
まはら三桃の作品






三桃と書いて「みと」と読むんですね。
そこまで本を読めているわけではないので、まはらみとさん、初めて知り...
三桃と書いて「みと」と読むんですね。
そこまで本を読めているわけではないので、まはらみとさん、初めて知りました。
イベントで作家さんのお話を伺うなんてことに参加したことないので、いつかそういうイベントにも参加してみたいな〜と思っていたところです。
また、読んでみたい本が増えました(^^)
アイコンはハロウィン仕様だそうすね(^o^)
コメントありがとうございます!そうなんです、「みと...
アイコンはハロウィン仕様だそうすね(^o^)
コメントありがとうございます!そうなんです、「みと」と読むそうです。
実は私もこのイベントで知りました。福岡在住の児童文学作家さん三名の座談会で、和やかな雰囲気でした♪図書館の会議室でなんと無料!
Manideさんがレビューなさった、北九州舞台にした『コンビニ兄弟』も読みたいのですが、予約60名待ちで人気です。
読みたい本がどんどん増えて積読状態、何とか解消したいでーす
イベントいいですね、面白そうです。
しかし、60名待ちはすごいですね、予約が多くなると保持数も増や...
イベントいいですね、面白そうです。
しかし、60名待ちはすごいですね、予約が多くなると保持数も増やしていくんでしょうが、それでも1年はかかりそうですね…
コンビニ兄弟は、もう少し待ってからですね、
きっと(^^)
私は図書館の予約枠は、常にいっぱいですが、どのタイミングで入ってくるかの予測が難しいですよね。予約している人の平均返却まで日数とか利用して、おおよその受け取り予定日がほしいところです。