審判目線 面白くてクセになるサッカー観戦術

著者 :
  • 講談社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062167673

作品紹介・あらすじ

講談社が運営するモバイルサッカーサイト『ゲキサカ』(http://gekisaka.jp)の人気“審判コラム”『No Referee, No Football』に加筆・修正をした待望の単行本化。2010年のJリーグで話題となった明らかな誤審やミスに見えて実は正しかった判定、試合を観戦する人に分かりにくかったジャッジなどを解説していく。さらに本書では、2010年最大のトピックスであったワールドカップにまつわる審判の現状や未来についても書き下ろした。

2010年のワールドカップ南アフリカ大会。ベスト16進出を果たした日本代表チームとともに、日本の審判も日本人として初めてワールドカップ決勝の舞台に立つなど大いに活躍した。一方、大会で起きた誤審は世界中で議論を呼び、日本国内でも審判に対する関心が今まで以上に高まってきている。しかし審判のことや判定について詳しく知りたいと思っても、知る術がないのが現状。本書は、こうした不満を抱えるサッカーファンの受け皿となり、「審判」という新たな目線を持つことによって、これまで以上にサッカー観戦を楽しむための新しい見かたを紹介する。

感想・レビュー・書評

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  • 前作に続く「審判解説」。図説も入り、より分かりやすくなった。

  • 「サッカーの重要なファクターである審判について、当事者の目線から分かりやすく説明されており、とても参考になりました。」

  • とても参考になる。
    審判は大変な職業です。

  • サッカーファンとしてサッカーを楽しくわかりやすく見るためにルールをできる限り理解したいもの。
    そんなサッカーファン必読の一冊でした。

    2010年の試合の中で、審判が下した決定に対してなぜそういう判断になったのかということを詳しく解説しているのでとてもわかりやすく…しかも、誤審であるとかこうすべきであったということまで審判アセッサーとしての視点で解説しているのでとてもわかりやすかった。

    スタジアムで胴間声を上げる前に読んでみたい一冊です!

  • W杯などで導入されているレフェリーの無線システムは電波法の問題で日本では使えないらしい。(p.73)

    2004年に設立されたJFAレフェリーカレッジでは、判定に説得力を持たすための「身体表現」を養うために講義に演劇を入れた。(p.107)

    日本サッカー界におけるファール基準と世界基準で特に大きな隔たりがあるのは、ホールディング、遅延行為、そしてファールスローの3つ。(p.132)

    約400万ドルを掛けて、主にW杯審判候補者の審査・強化のために2008年から2年半にわたり審判援助プログラム(Refereeing Assistance Programme = RAP)が実施された。プログラムは、①審判技術の指導・強化のための「テクニカル」、②体力・走力などを向上するのための「フィジカル」、③怪我の予防・ケアの「メディカル」、④心理面をサポートする「メンタル」、そして⑤気功や太極拳によって試合中の立ち振る舞いや選手マネジメント能力を高めることを目指す「エナジー・パフォーマンス」から成る。(pp.178-179)

    2010年W杯南アフリカ大会における判定(pp.179-181):
    得点に関する判定は160回。そのうち155回(正しくゴールと認めたのが142回、正しくゴールと認めなかったのが13回)が正しく判定されていた。(96.88%)
    枠内シュートは663本。そのうち5本がゴールラインを越えたか否か判断が難しかったが、そのうち4回は正しく判定された。正しく判定されなかった1本が、あのイングランドのランパードが決勝トーナメント1回戦のドイツ戦で放った幻のシュート。
    ペナルティーエリア内でファウルか否か判断が求められたのは65回。そのうち15回がファウルで、全て正しくPKと判定された。ノーファウルと判断された50回のうち45回は正しかったが、5回はPKと判定すべきだった。
    1試合あたりの警告数は3.82、退場数は0.27。※2006年ドイツ大会は、警告数4.80、退場数0.44。2010年J1は警告数3.25、退場数0.15。
    大会中の負傷のうち16%がファイルプレーによるもの。※2006年ドイツ大会は40%、2002年日韓大会は37%。

    2010年W杯南アフリカ大会における審判(p.183):
    主審の1試合の平均走行距離は、前半5.21km、後半4.97km、合計10.18km。
    副審の1試合の平均走行距離は、前半2.79km、後半2.68km、合計5.47km。
    大会中、審判に対して怪我予防などの為に行ったトリートメントの回数は265回。※2006年ドイツ大会は199回。
    同じく大会中、審判が受けたマッサージの回数は489回。※2006年ドイツ大会は266回。
    その結果、審判の負傷はドイツ大会の14回(試合中6回、練習中8回)から4回(試合中2回、練習中2回)に減った。

    日本人審判で初めてW杯に出たのは丸山義行で1970年メキシコ大会。日本人主審として初めてW杯で笛を吹いたのは1986年メキシコ大会・1990年イタリア大会の高田静夫。そして1998年フランス大会の岡田正義、2002年日韓大会の上川徹、2006年ドイツ大会の上川徹・廣嶋禎数と続く。(pp.206-208)


    やはりプレーを文字を読んで理解してそのプレー場面を想像するより、映像があった方が分かりやすいし、何より面白い。次回、同じような著書を出すならDVD付きなどいいかもと思った。最後の方には、W杯審判に上り詰めるまでのプロセスが書いてあって興味深かった。かなり競争は厳しいみたい。それとレビューは関東近郊開催の試合が多いから、他の地方も増やしてほしい。

  • 2011-069。
    実例をあげながら、判定基準、試合への臨み方、普段の生活などについて書いた本。

  • サッカーの試合中に、審判が判定をする際、どこを見て、何を考えているかについて書かれた本。審判の判定を、試合のケースを例に、図付きで説明しているため分かりやすい。
    その例をもとに、審判の判定の仕方を知ることによって、サッカー観戦をするときに、より深く試合の流れを理解できると思った。
    また、プレーの判定以外にも、ゴールラインテクノロジと6人審判制、審判の教育、ワールドカップに出場する審判の選出方法等も書かれている。

    読んでて気になった内容としては、以下がある。

    ・繰り返しの反則によるカードの難しさ。繰り返しであることは、観客は良く見ていないと判断できないことも多い。

    ・ハンドの解釈について。どこまでを故意とするか。意図的なもの以外にも、ボールが来ることを予想できる場合は、意図的でなくてもハンドにするべきか?

    ・アドバンテージは、どういう判定をすれば有利になるかを判定するのが難しい。特に、カードが絡むと難しくなる。

    ・日本と世界の判定基準の違いについて。判定基準の違いが出るのは文化的な面があることがあるのでしょうがない部分もあるが、世界基準に向けてどうしていくか?

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著者プロフィール

(公財)日本サッカー協会常務理事、前審判委員長、サッカーS級審判インストラクター。国際サッカー連盟(FIFA)フットサル審判インストラクター。元国際副審、Jリーグ主審、フットサル1級審判員。

「2015年 『間違いやすいジャッジがひと目でわかる! サッカーとフットサルのルール 第2版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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