わたしの彼氏

著者 :
  • 講談社
2.86
  • (10)
  • (37)
  • (95)
  • (54)
  • (16)
本棚登録 : 502
感想 : 95
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062168083

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 意外と評価が低いんだなぁ。
    ユーモアたっぷりのとっても素敵な恋愛小説だと思うんだけどなあ。登場人物も愛くるしい。ちょっとずれてて、とてもキュート。
    結ばれない恋をする美男子鮎太郎、小粋なお姉さま3人。
    鮎太郎と付き合う女の子たちも、なんか憎めなくて。
    映像化しそうだなぁと思っています。

  • 芥川賞受賞作「ひとり日和」同様、淡々した表現の作風であると感じましたが、登場人物の個性は広がりをみせ、描写は深みをもち、展開も面白かった。3人の姉、そして友人たちとの関係から成長する鮎太郎を軸に描かれていますが、それにしても鮎太郎はもてすぎではないでしょうか。男性としては、ちょっと嫉妬してしまいます。

  • 「シスター・ボーイ」なんて言葉はもう死語なんだろうか? 私が子供の頃は、なよなよした優しげな様子の男の子はそんな風に呼ばれていた。男の子は元気で、どちらかというと腕白なくらいが誉めそやされていた時代だった。

    この小説の主人公である鮎太郎も心やさしきフェミニストで、3人の美人の姉にさまざまに感化されて育ったという20歳のハンサムボーイ、字義どおりの「シスター・ボーイ」だ。

    この小説は、そんな鮎太郎をめぐる女性たちの物語。いわば鮎太郎という主体性のない優しき存在を中心にして回る惑星たちのストーリーのようでもある。

    時おりイラッとくるのは、鮎太郎の草食風の外見と意識せぬフェミニストぶりの物腰だろうか。姉たち、中でも個性的な真ん中のゆり子姉さんの言いなりになる忠実なロボットのような鮎太郎。

    言い寄られて受身の恋ばかりしていた鮎太郎が、ゆり子姉さんのところで自伝執筆の口述筆記をするアルバイトの女性に、自らアクションを起こすところから物語が動いていく。

    まあ、女性による女性のためのおとぎ話とでもいうべきか、、、
    鮎太郎をずっと慕い続ける女友達のテンテンがいじらしい。

  • 愛されても愛してもなんだか不幸。
    みんな曲がってよじれてもがいてるんだな。
    突拍子もなく視点が変わるのが面白い。好き。

  • [2011.08.27]

  • 「このすばらしく速い電車でスキー場のある大きな駅まで行き、鳥の名前のついたそこそこ速い電車に乗りかえ、終点でゆっくりの電車に乗りかえ、…」日本海の海の見える旅先で読み終わりました。たまたまにびっくり!

  • 主人公鮎太郎の人生の欠落感を埋める物。それが、幼い頃からの姉の虐待あるいは優しさで、歪んだ方向へ行ってしまう。主人公でありながら自分はなく、いつも誰かの弟であったり、彼氏であったりする、悲哀のようなものが、全体を覆っている。面白かった。

  • 長くなるので、よかったらこちらをご覧ください。
    http://tschuss12.jugem.jp/?eid=170

  • 三人の姉に強いたげられつも育った心やさしき弟、モテるんだけど、女性に翻弄される姿ににんまり(^^)女性に対して強く出られない。これも姉たちの影響。育った環境って恐ろしい。

  • 青山七恵、オマージュ、おやすみプンプン?最初はその空気感と文書が心地よかったのに、結局単なる「モテてモテて困る男の子のお話」ということが分かってきてから途端に退屈になってしまった。本当にそれだけしか描かれていない小説で、それ以外に何を感じ取れっていうんだろう?
    期待していただけに、がっかり。

全95件中 51 - 60件を表示

著者プロフィール

二〇〇五年に「窓の灯」で文藝賞を受賞しデビュー。〇七年「ひとり日和」で芥川賞受賞。〇九年「かけら」で川端康成文学賞受賞。著書に『お別れの音』『わたしの彼氏』『あかりの湖畔』『すみれ』『快楽』『めぐり糸』『風』『はぐれんぼう』などがある。

「2023年 『みがわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

青山七恵の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×