神の左手

  • 講談社
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本棚登録 : 139
感想 : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062169394

作品紹介・あらすじ

あたり一面不毛の荒野にそびえる超巨大な建物-「サンクチュアリ(聖域)」。縦横無尽に迷路が走るこの場所は、その名に反して監獄とも修道院ともつかない恐怖の迷宮。自らを救世主と呼ぶ謎の集団が支配するここには、10歳にも満たない男の子たちが次から次へと連れてこられる。食事は最悪、規則を破れば死にも至る刑罰、友人は禁止、知識を求めるなどもってのほか。10年にも及ぶ訓練を経て、彼らはいずこへか送り出される。そしてその目的は誰も知らない…。嘘と裏切りと抑圧に満ちたこの世界で、他人には決して心を開かない14歳のケイルは、殺人がらみのいまわしい事件に巻き込まれ、仲間二人との脱出を余儀なくされる。その逃亡をきっかけに一気に加速する物語!神は彼らにいったい何をさせたいのか。

感想・レビュー・書評

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  • カルトっぽい色付けのダーク・ファンタジー。砂漠の中の要塞めいた修道院のような「サンクチュアリ」で、戦争に明け暮れる修道僧によって狂気のスパルタ式で戦士/殺人者に育てられている少年たち。13歳ほどのトマス・ケイルという少年が主人公。 出だしはすごく良かったと思う。これから出会う世界の予感にわくわくした。 でも、サンクチュアリを脱け出した後は、ちょっと失速かな。大体、イタリアの都市を思わせる「メンフィス」の近くに「ヨーク」があったり「シルベリー・ヒル」があったりすること自体、多少興醒め。巻の2/5くらいで突然ケイルの驚異的な能力が披露されたり、そもそも逃げ出すことになった発端に出てくるすごく気をもたせた物体がそれきり言及もされなかったり、ケイルの心の動きが理解不能だったり、その他の人もそうだったり、視点がころころ変わったり、説明が多すぎたり、虚仮威しが多すぎたり、ちょっと残念なところも多い。
    十分厚い本なのだけど、最後近くで、ここからどうまとめるんだろうと不安に思っていると、まとまるどころか、そもそもこれは話の発端に過ぎない、ということがわかる。うーん、現時点で、おそらく3部作の2冊目まで出ているようだけど、まあ、機会があれば読むかな。魅力的なものも秘めてる作家だとは思う。

  • 表紙がアサシンクリードですが、面白かった。サンクチュアリという宗教施設でコンバット技術を教え込まれている5歳の時に買われてきたケイル(天才14、5歳)が同じく集められてきた少年2人と事件に巻き込まれていく。トリロジーの1冊目はサンクチュアリから少女を救出し脱走、欲望都市で活躍、美女(美少女)と大人の巨大戦士との決闘など。ヨーロッパの歴史の暗部がモチーフになっている。UKジュブナイルらしい非常にダークでいろんな意味で濃い話。暴力と性描写も多くアメリカとか日本の小学校の図書館の棚には嫌がる大人が少なからずいるのでは?と思うが、それなりにオブラートに包んだ表現なので大丈夫なのか。ともかく、ものすごく面白い、続きが楽しみ。

  • とても暗い話。場面設定が理解し難い。展開が謎すぎて早く続きが読みたい。三部作だったとは… 上下巻で終わると思ってたのに。とりあえず今後に期待。

  • タイトル先行で、手に取ってしまった。淡々とした語り口と対照的に、鬱屈した暗さ。
    しかし次々といい意味で予想を裏切られ、気付けばかなりボリュームはあったが一気に読了してしまった。
    続きがとても気になる!が、有り体に言えば、よくあるファンタジー小説とも…。でも面白いよ。

  • 読みながら、オリバーツイストを思い浮かべていた。『オリバーツイスト』ダークファンジー版?ちょっと違うけど……結末が、ケイルのもつ秘密が気になります。

  • 想像と違ってゴシックなダークヒーローものだったけど、つらつら読むには悪くない。でも、元々なのか、翻訳のせいなのか、細かな描写が??なところが散見される。そして、最後が思いっきり、続く、になってて、思わず2巻めの「悪魔の右手」を借りてしまったけど、3部作でしかも、3巻めはまだ出てないって、読むの早まったか。

  • ■ロードオブザリングとハリーポッターを足して2で割って、ダークなエッセンスを振りかけたような作品。かなりダークだけど意表を突く展開と猛烈なスピード感で楽しめた。

    ■残りページが少なくなってきて「いったいどういう終わり方をするんだろう?と思っていたら、意外な結末だったのは、このあともまだ展開があるのかも...。(というか、作者の解説に2作目を(原語では)既に発刊し、3作目を執筆中と書いてあった)

    ■次回作もかなり楽しみなシリーズ一作目。

  • ぐいぐい引き込まれる丁寧な状況描写、力ある文体。恐ろしいくらいに時間の進みが遅いからどうなるのか?と思っていたらそのまま途中終了。3部作とか、全然知らなかったです。。。何一つ謎が明らかにならないまま終わるので、お願いだから続きを下さい。 作品説明はダークファンタジー・・・確かに設定は暗い。でも、エグイグロイと想像したくないほどの描写はないように感じました。

  • あらすじに書いてあった設定に惹かれて読んでみた。
    うーん、何と言うか無駄に長い。
    面白くなる要素はたくさんあるし、全ての文章が下手という訳では無いが
    あまり魅力的な文章ではない。
    和訳がまずい・・・という訳でもないような。

    三部作らしいのですが、本作はさわりだけらしいのですが
    何のためにこの分厚さ・・・と読み終えてなお思いました。
    星2つと迷ったけど、完結するまでに面白くなることを信じて3つにしました。

  • 映画化されてその映像の迫力に圧倒されている自分が目に浮かぶ。小説でありながら大作映画の風格をかかえる一作。

    ダークファンタジーと宗教闘争。サンクチュアリへ戦士となるために拉致される少年たち、大陸のかなたに広がるいくつのも勢力。虐待され幼年期を過ごした少年たちのヒューマン的な側面と、勢力闘争を続ける各勢力の壮大の戦いが平行して描かれる。

    主人公の少年はあまりにも過酷な状況にて育ったために感情が著しく抑制されている。不条理な扱いを特にそうだと思わずに耐えることができ、死への恐怖が極限にまで少ない。ただそれは抑制されているのみであって、ないわけではない。故に、尊厳を侮辱するような扱いに憤ることもあるし、急に正義めいたことをしたりもする。
    その描写は名作「夜と霧」にもある。強制収容所にいる囚人たちはそのうち理不尽な暴力に慣れて無感情になるが、人格を否定した侮蔑はそうした無感動をすら通りこおして少しずつ彼らの心を蝕む。そして無感情を人は時たま征服して人間としての「正義」を達成する。

    かすかな友情と、愛情と裏切りを経験した彼は続作でどう変化していくのだろうか。良い意味でも悪い意味でも、今後の主人公から目を離せない。

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著者プロフィール

ポール・ホフマン
作家、脚本家。
1953年生れ。イギリスのニューカレッジにて英文学を学ぶ。
デビュー作のThe Wisdom of Crocodilesが部分的に映画化される。2作目のThe Golden Age of Censorshipは、英国映画倫理委員会での、検閲委員の実体験に基づく。
3作目のダーク・ファンタジー3部作の第1作目『神の左手』が世界的ベストセラーとなる。第2作目『最後の4人』を2011年4月に刊行予定。

「2012年 『悪魔の右手』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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