大人の流儀

著者 :
  • 講談社
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感想 : 375
  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062169424

作品紹介・あらすじ

大好きな人に手紙を書きたくなったとき。上司に意見をしなければならないとき。人を叱らなければならないとき。大切な人を失ってしまったとき。嫌でもケンカをしなければならないとき。とてつもない悲しみに包まれたとき。こんなとき、大人ならどう考え、どう振る舞うのだろう。

感想・レビュー・書評

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  • 1.著者;伊集院氏は、小説家兼、作詞家です。電通のCMディレクターになり、松任谷由実や松田聖子のツアー演出を手掛けました。その後作家デビューし、「乳房」で吉川英治文学新人賞、「受け月」で直木賞、「機関車先生」で柴田錬三郎賞、「ごろごろ」で吉川英治文学賞を受賞。また、伊達歩の名で作詞家として活躍。「愚か者」で日本レコード大賞を受賞。マルチな才能を発揮しています。
    2.本書;「大人の流儀(全11巻)」の第一弾です。「春(10項目)」「夏(10項目)」「秋(9項目)」「冬(9項目)」そして、補項(愛する人との別れ)の5つの章で構成されています。シリーズ合計で、170万部超のヒット作になったそうです。
    3.個別感想(気に留めた記述を3点に絞り込み、私の感想と共に記述);
    (1)『春』の章より、「大人が人を叱る時の心得;この頃は、様々な理由で職場の中で怒る人が少なくなっている。それは断じて違う。怒りなさい、叱りなさい、どやしつけなさい。・・・どやしつけてくれた経営者が、親方が、先輩が、いかに正しい事をしてくれたかは後年になってわかるものだ。・・・叱られた時は誰も辛いからである。辛いものは心身にこたえるし、よく効くのだ」
    ●感想⇒私は、会社に入った頃、上司に度々反論しました。その際、ひどく叱られたものです。私は、経験よりも理論や理屈を優先し、素直に従わなかったのです。しかし、中堅社員になった頃に、叱ってくれた上司の言わんとした真意(経験が知識を凌駕することがある)を理解できるようになり、経験を積む事の大切さを痛感しました。今でも褒められた事よりも叱られた事をよく覚えています。仕事以外にも、“人に対する感謝の気持ち” や “読書の意義”など、貴重な言葉の贈物を頂き、忘れる事はありません。また、人を叱るには一定のルールがあるとも言われました。「人前では叱らない(プライドへの配慮)、人格を傷つけない叱り方、等」です。この事も大変有益な教えでした。某書に「愛情があれば相手の為を思って厳しく叱る」と書いてありました。叱り方への気配りは言わずもがな。
    (2)『秋』の章より、「企業の真の財産は社員である;(企業に)人間を作り上げるものがなければ、ただの利益集団でしかない。・・・企業の真の価値は社員である。人間である。誰だって仕事の覚えたては失敗の繰り返しだ。中堅になってもなお失敗はある。苦節、苦悩も日々生じる。しかし、失敗、苦節が人間の力をつけていく。そうして力をつけた企業は底力を持っている」
    ●感想⇒企業は、“Going Concern”として、永続的に存続し、社会的責任(社員・株主・地域社会への貢献等)を果たさなければなりません。「企業は人なり」と言います。私は、利益追求を優先し、人への思いは二の次に考える企業を評価しません。そういう企業は、経営者を見れば分かります。他人に持論を言う際に、自分の言葉でなくて原稿に頼る幹部は、自社のあるべき姿を考えていない証左です。私は、こんな幹部のいる会社に就職したいと思いません。
    (3)『冬』の章より、「大人の仲間入りをする君たちへ;新成人の諸君に少し言っておく。八つの言葉の、③自分だけが良ければいいと考えるな。ガキの時はそれも許されるが、大人の男にとってそれは卑しいことだ」
    ●感想⇒世の中を見ると、社会生活のルールを守れない人がいます。ゴミの収集場所で思うのですが、キチンとゴミ袋綴じしない人、周辺にゴミが落ちていても拾わない人など・・・。私は、そんな時、自ら袋綴じしたり、こぼれたゴミを私のゴミ袋に入れます(しばしばある事なので、ゴミ袋に多少の余裕を残してゴミ捨てに行きます)。著者が言う、「自分だけよければいいと考えるな」納得です。
    4.まとめ;最終章の「愛する人との別れ」は、“妻;夏目雅子さんと暮らした日々”について書いています。「人間には己でどうしようもできないことが一生で起こり得るし、そうなった人を見守ることは使命というか人間は当り前に手を差し伸べるのだと思う」とあります。個人的な事で恐縮です。今年3月に愛犬を亡くしました。享年14歳でした。最後の数ヶ月は体力も衰え、見るのが辛い日々でした。家族の一員の死を見て、さすがに涙しました。伊集院さんは、「時間が解決してくれます」と言っています。しかし、私は、朝夕の散歩でペット犬を見ると、今でも当時が偲ばれます。これも人生なので止むを得ないのでしょう。愛犬が亡くなって、5月からブクログを始めした。気晴らしになり、それなりに良かったと思っています。最後に、一言、『本書は若者へのメッセージが豊富です。一読すれば、心に残る言葉との出合いがきっとある』でしょう。  ( 以 上 )

    • ダイちゃんさん
      よんよんさん今日は
      よんよんさん今日は
      2021/10/31
    • ダイちゃんさん
      コメントが、全部入いりませんので、続きです。
      いいねとコメントありがとうございます。今、投票に行き、帰りに散歩しました。途中で、犬を見ると淋...
      コメントが、全部入いりませんので、続きです。
      いいねとコメントありがとうございます。今、投票に行き、帰りに散歩しました。途中で、犬を見ると淋しくなります。ブクログで紛らしています。今後もよろしくお願いいたします。
      2021/10/31
    • よんよんさん
      ダイちゃんさん
      いいねとお返事 ありがとうございます。こちらも投票に行ってきました。
      淋しくてたまらないですよね。がんばりましょう。こち...
      ダイちゃんさん
      いいねとお返事 ありがとうございます。こちらも投票に行ってきました。
      淋しくてたまらないですよね。がんばりましょう。こちらこそよろしくお願いします。
      2021/10/31
  • 「人はそれぞれ事情をかかえ、平然と生きている。」
    10年前くらいにこの一文に感銘し、いつか読みたいと思っていたエッセイ集。

    時代云々はおいといて、味わい深い一冊でした。
    「妻と死別した日のこと」と「愛する人との別れ」は、沁みました。

    それがどうした。

  • 題名に名前負けした雑記。

    でもこれ、シリーズでずっと出ているので
    それぐらい売れているわけですがそんなに良いかなあ。。

    伊集院静の様になりたいけど一生なれないオッサン向けに
    ジャンジャン出して売っているだけの様に感じます。

    最後の夏目雅子の内容は価値があったので辛うじて★2つ。

  • 父の書籍。父と同年代であり、偏屈というか思考が近いので読んでて面白かった。にしても大人になるとある程度俯瞰した考え方で、且つ折れないものが必要なのだとと思う。どこか社会を憂いつつも見守る。そんな文章。死別をご経験されていることもあるかも知れないし、それは解らない。

  • 家から煙草屋までのひとときでさえ、人は何かにめぐり逢うものである。
    それが私たちの生、社会なのだ。
    街を理由もなく歩いてみる。

    企業の真の価値は資産や資本金、株価ではなく社員。

    時代に決して流されることなく、1人の大人として振る舞う、そのための心構えをほんの少ししれた気がする。でも結局、何事も経験してみないと分からない。自分が何かを経験する時にこの本の内容がやっと腑に落ちるのかもしれない。それまで大切に読み続けたい本だ。

  • 大人って、大人に自然になるものではない。
    歳をとれば、大人になるというわけでもない。
    確かに、愚痴を言わないで、きちんと流儀を語ることは難しい。
    若いものを批判することが、大人の流儀でもない。
    世の中、幼稚すぎたり、軽薄すぎたり、いつの間にか
    薄っぺらくなってきている。
    人間は、ほとんど水分でできているが、
    水よりも軽い存在になっているような 大人。
    大人とは、いろんなものを味わい、噛み締めて、
    そして、やっと 「ぼそり」と言えるものかもしれない。
    伊集院静の この大人の流儀を読みながら、
    不思議に、自分が 大人になりたいと思えるのがいい。
    歳をとって、老人になっても、
    大人になれてない自分に驚く。

  • ホリエモンさん、ちきりんさんと続いてこの本を読んだ。世代によって、周りの環境によって、まっっったく考え方が違うことがよりよく分かる。自分がした苦労を若者もしないと自分が納得できなかったり、昔は良かったと思い込んだり、なんだか愚痴や文句めいた本で押し付けが強い印象。大人の流儀と言いながら、品がないなと感じた一冊だった。
    仕事の仕方などは社会が変わるにつれ変化するから、そういう印象になってしまうけど、普遍的なことについては学びを得られるかもしれない。わたしはそんなに受け取れたものは多くはなかったけれど。

  • 割に合わないって?
    人生というものは総じて割には合わないものだ。
    そういうことを平然と受け入れて生きるのが大人の男というものだ。

  • 筆者の独り言を横で聞いているみたいな本。
    結構叩かれそうなこともしれっと言えるのは人柄なのかな。

  • エッセイ集。
    伊集院静氏の作品は初読。

    もちろん伊集院氏の考えすべてに賛同するわけではないけれども自分で考え、自分で体験し得た思考に基づいて生きる大人は格好良いね。著者はギャンブルもするようでお金遣いは荒いようだけど、一本筋を通して生きてる格好良い「大人」なのだと思った。だから人が慕ってくる。

    安いものに飛び付いて本当のものの価値を顧みないこと。安いからと遠くのスーパーへ出向いて地元の商店が潰れること。博打師は自分のためだけにお金を稼ぐこと。ここはすごく共感。
    物事も、人も繋がっている。それを分かっている人が人情家と呼ばれ人を集めるのかもしれない。
    巻末の夏目雅子さんのことを書いた文は「何かを、誰かを大切にすること」を知っている人の文だと思った。
    「時が解決する」、それは人間にとっての哀しみでもあるけど救いである。
    (2016.4.4)

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著者プロフィール

1950年山口県防府市生まれ。1972年立教大学文学部卒業。1981年短編小説「皐月」でデビュー。1991年『乳房』で第12回吉川英治文学新人賞、1992年『受け月』で第107回直木賞、1994年『機関車先生』で第7回柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で第36回吉川英治文学賞、2014年『ノボさん 小説正岡子規と夏目漱石』で第18回司馬遼太郎賞を受賞。2016年紫綬褒章を受章。

「2021年 『ミチクサ先生 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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