生き方と哲学

  • 講談社 (2011年7月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784062170390

みんなの感想まとめ

生き方を考えることは、個人の具体的な体験と向き合うことを促します。哲学的な思考を通じて、自己の内面を探求する手助けとなる本書は、常識的な認識を基にしながらも、思考のエレガントさと鮮やかさを感じさせます...

感想・レビュー・書評

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  • 大学のとき、「科学哲学」の講義で、鬼界教授本人から受講していた我々全員にプレゼントということで献本されたものを、未だに手放さずに事あるごとに読んでいます。それこそ、人生について悩んだときにはほぼ毎回この本を開いては、何か考えるヒントがないか、探りながら読んでいます。

    とはいえ、書かれていることは、非常に真っ当で、大変常識的な認識で、別に具体的なアクションの提示もごくありふれたことを、ふんわりと提示するくらいです。そういう意味で、刺激がないといえば刺激のない本。
    読みやすいですが、哲学書の文体に慣れてないと、随分回りくどくネチネチと物事を言うなぁこの人は、という感想になってしまうと思います。

    それでも、私がどうしても惹かれるのは、思うに思考のエレガントさと、鮮やかさにあるのでしょうね。

    とにかく「喩え」が巧みです。読みながら考えているところに、ハッと虚をつくように見事な喩えが繰り出されるあたりは、何というか名人芸を感じさせて、そこにエレガントさ、そして鮮やかさを感じるんですね。
    しかも、特別な材料を使っているわけでなく、「ビーフカレー」といった、ごくありふれた材料を使った喩えなのも、妙味です。おそらく、教授自身のヒューモアもあるとは思いますが、研究なさっていたヴィトゲンシュタインが、そういう喩えの巧みな哲学者だったのだろうと思っています。

    何か、そういうところで、私自身の教授の思考の確かさに対する信頼、というものが築かれているんでしょうね。真っ当なことが書いてあるだけでは、人は安心しないんです。
    うまく、引っ掛ける。思考する意識を考えさせたい「そこ」に連れ出す。ソワソワさせる。そして、最後は収まりよくピタリと嵌める。ここまでの、デザイン。
    感動を覚えます。

  • 註も多いし文章も難解。生の自分を大事にしましょうということでしょうか。

  • 生き方を考えるということは、即、自分のことについて具体的で個別的(個人的)なこと。普遍的であれば、生き方を考えていることにはならないのだ。

  • 2012 1/13第2部まで精読、3-4部パワー・ブラウジング。Amazonで購入。
    @sakstyleのブログエントリ(http://d.hatena.ne.jp/sakstyle/20110819/p1)を見て購入した本。
    詳しい内容等はそちらを参考。

    哲学関連の本って読みにくかったりとっつきにくく感じることが多かったのだが、本書は驚くほど読みやすいし面白い。
    「生き方」にかかる本だからか、自身が今まさに青年期にあるせいかはわからないけれど、今回飛ばし読みしたところも含めてたまに読み返したい本。

    キーネーシス=目的達成行動とエネルゲイア=能力の発現活動を分けて、人生/生きるということが前者だと思うと生きるのに不安を覚えたりするようになる⇔通常、知らずのうちにすべての行動がキーネーシスだと思うようになってしまう、とか。
    人の生き方については客観的に示すことができないので様々な例示を出すしかないし倫理学で普遍的な倫理を扱おうとすると空疎になるとか。
    割りとなるほど、と思う。

    あと、格好いい生き方の例としてマーロウが度々引用されるので、チャンドラーを読みたくなる(笑)

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著者プロフィール

1954年、京都府生まれ。1990年京都大学大学院文学研究科博士課程研究指導認定退学、Ph.D.(ニューヨーク市立大学)。現在、筑波大学大学院人文社会科学研究科名誉教授。

[著書]
『ウィトゲンシュタインはこう考えた』(講談社現代新書、2003年)
『生き方と哲学』(講談社、2011年)
『『哲学探究』とはいかなる書物か』(勁草書房、2018年)
[訳書]
『ウィトゲンシュタイン哲学宗教日記』(講談社、2005年)

「2020年 『ウィトゲンシュタイン 思考の生成原理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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