それでも「日本は死なない」これだけの理由──なぜ欧米にできないことができるのか

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062170406

感想・レビュー・書評

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  • 著者の冗舌な語り口調で、楽しく読める
    日本を悲観しなくても、まわりも同じような状況であることがわかる。
    ただ、日本がこのまま何もしなくていいわけではない。

  • ポスト大震災、「それでも日はまた昇る」!なぜ日本人は、日本の本当の実力に気づけないのか。データを愚直に読み解けば、メディアの嘘が見えてくる。震災から立ち上がる人々が日本をあるべき姿に変える!

  • 日本が褒めちぎられすぎているのですが、そんなに外してもいないと感じた本。

    ブログはこちら。
    http://blog.livedoor.jp/oda1979/archives/4025340.html

  • 最近、この本の著者である増田氏は、驚くほど本を出版されていますが、私はその殆どを読んでいます。それらを通して感じることは、日本の将来は、すくなくともユーロを導入してしまった欧州各国や米国、成長が著しいと言われているBricsと比較しても明るいということです。

    その結論を、それほど加工していない公開データから導き出していることも、私にとっては納得感があります。

    だれか彼の論理に疑問を投げかけてくれる人がいたら、是非読んでみたいなと思っていますが、今のところ「しっかりとした書き物」としては見つけることができていません。

    一つの見方に固執することは良くないと思っていますので、バランスよく現実を見ることができるようになりたいと思っているので、今後とも幅広く読書をしていきたいと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・福島原発を廃炉にした結果、電力が不足するなら、現在休止中の柏崎刈羽原発を稼働すればカバー可能、長期的には、事実上禁止されていた、天然ガス・重油焚きの火力発電所の新設がやりやすくなった(p3)

    ・日本経済が強いポイントは、これだけ円高になっても経常収支は全然赤字にならず、巨額の貿易黒字を出し続けていること(1979年第二次オイルショック以来、33年間)、また所得収支が安定している(p23、28)

    ・アジア向け輸出の半分以上は、すでに円建て、2000年からの10年間で日本経済全体の円建て輸出比率は、36%から41%、ドル建ては、52%から48%(p30)

    ・建設機械は、20年前まではCAT社が圧倒的であったが、現在では、コマツ・日立建機・コベルコ建機である(p32)

    ・韓国経済が復活したのは、ひとえにウォン安、1ドル=1000ウォン以上にウォン高が進むと貿易赤字になる(p42)

    ・「日本は失われた10年を2回繰り返している」と言っているエコノミストは、日本の総負債(国、企業、家計)が、現時点でバブル前の1985年までに下がっている(48)

    ・日本は戦時中に政府債務が膨らんだ、1942年にはGDPの105%、44年には204%、戦後の急速なインフレにより国債の実質価値が減少して、46年に56%となった(p51)

    ・1923年の関東大震災の被害額は、当時のGNP(165億円)の33%(55億円)で、国家予算(15億円)の3倍、復興予算が19.5億円、当時は新興国であり円安(1ドル=2円から3.3円)となった(p56)

    ・福島原発がストップしたから停電になったのではなく、津波のために火力発電所(広野、常陸那珂、鹿島等)の機械や冷却ポンプがダメになり発電できなくなったから(p60)

    ・原子力発電は構造上フル稼働しかできないが、水力は20%(80%稼働比較で初期投資回収期間が4倍)、火力は48%の出力で稼働されているに過ぎない、火力を70%に上げれば原発全廃可能(p61、62)

    ・日本に最も重要なのは、電気自動車を動かすために貯めておく二次電池の性能を画期的に向上させるか、超電導技術を実用化すること(p66)

    ・1942年から1975年までの33年間でCO2排出は約5倍になったが、その間、大気温は上がるどころか下がったのが事実(p69)

    ・エジプトやチュニジアは徴兵制なので軍隊=国民であり、軍隊が国民に銃を向けるのは勇気がいるが、リビア、イエメン、バーレーンは傭兵、中国は徴兵制だが民族バラバラなので同胞に銃を向けられる(p102)

    ・工場労働者の熟練度に差があるから本国で操業している方が得だという分野がアメリカにはなくなった、そのため利益をあげるには労賃の安い海外への工場移転しか思いつかない状態になった(p129)

    ・アメリカ人の年間平均労働時間は相変わらず1800時間だが、これは本業によるもので土日のアルバイトは含まない(p131)

    ・日本の場合、労働力人口2.5人に高齢者一人という構図になるのは近未来の話だが、アメリカは現実問題として、勤労者2.5人で生活保護受給者一人を支えている(p135)

    ・アメリカでは20-24歳グループでは、大卒の失業率は9.4%、高卒資格のない人は、24%を超える(p144)

    ・アメリカの企業の利益率が高い理由は、MBAの優秀なアドバスではなく、マーケットで圧倒的な価格支配力を持っているからのみ(p149)

    ・経営破たんに追い込まれたアメリカのビックスリーが2009年に欲しかったのは「時間」なのでトヨタに言いがかりをつけた(p154)

    ・アメリカは食糧こそ輸出が多いが、原油は純輸入国になっていて貿易収支赤字の半分程度を占める(p157)

    ・アメリカに暴動が起こりにくいのは、完全なる車社会で、生身の人間が大勢集まれるスペースがほとんどないこと(p158)

    ・米国債の保有者は中国、日本が多いが、新発債の吸収ではFEDが圧倒的に多い、FEDがお金を回しているから米国債が買われ、金利急騰もしていない(p168)

    ・イギリスの不動産バブルはアメリカよりも大きい、個人家計の可処分所得に対する借金比率は、アメリカは133%だったのに対して、イギリスは161%(p186)

    ・ドイツに非難されたPIIGSから見れば、彼らのおかげでドイツの輸出産業が復活できた(ユーロ高のころはドイツの輸出はダメ)という思いがある(p196)

    ・ギリシア、ポルトガルの国債がデフォルトしてもドイツ経済への影響は少ないが、アイルランドやスペインの場合は大変なことになる(p197)

    ・アメリカとユーロ圏の違いは、ユーロ圏の銀行以外の金融機関、大企業の負債は、政府負債よりもはるかに大きいこと、倒産するとなると破たんはあっという間(p201、203)

    ・オランダが本当に没落した理由は、経営者が工場を都会から農村にどんどん移転させたから(p208)

    ・オランダからイギリスへの覇権以降が平和的に行われたのは、イギリスが欧州での領土をも持たないこと、当時のオランダ総督ウィレム公をイギリス王として受け入れたこと(p209)

    ・現在の新興国は消費者物価指数よりも、卸売物価指数の上昇率が高い、これは経済成長が国民生活の向上に役立っていないこと、日本の経済成長とは異なる(p216)

    ・中国はGDP成長率は凄い?が、最近5年間の自己資本利益率のマイナス5.6%はすごく、これが中国経済の現状を反映している(p218)

    ・中国の一人っ子政策は有名だが、博士号を取得した親は、対象外(p223)

    ・第一次世界大戦後に4つの帝国(オスマントルコ、ロシア、プロシア、オーストリアハンガリー)が消滅したが、多民族多言語国家であることが共通(p233)

    ・中国で少数民族(ウィグル、チベット等)よりも悲惨な目に合っているのは、農業戸籍の漢民族(p238)

    ・日本は電炉なので屑鉄があれば製鉄可能だが、中国は石炭が必要、自国生産の石炭は燃料には使えるが高炉製鉄には使用不可(p244)

    ・Bricsの株式市場の明暗を分けたのは、食料・エネルギーを輸出できているか否かによっていた(p247)

    2011/7/24作成

  • ポスト大震災、「それでも日はまた昇る」!なぜ日本人は、日本の本当の実力に気づけないのか。データを愚直に読み解けば、メディアの嘘が見えてくる。震災から立ち上がる人々が日本をあるべき姿に変える!

  • タイトルから日本経済を扱ったものだと思っていたのですが、半分以上はヨーロッパやアメリカ、中国についてでした。「他国は日本以上にひどいから日本は死なないのだ」という意図もあるのでしょうが、やや看板に偽りありの感。

    内容は増田氏の最近の経済関連の著作をギュッと濃縮して詰め込んだ感じで、ノリよく政治・経済を解剖していくのは非常に小気味いいです。私は増田氏の経済評論に関しては賛成できる部分もできない部分もあるのですが、政治に関しては粗削りながら次々に俎上に乗せて切り捨てるのが楽しいです。

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著者プロフィール

1949年東京都生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修了後、ジョンズ・ホプキンス大学大学院で歴史学・経済学の修士号取得、博士課程単位修得退学。ニューヨーク州立大学バッファロー校助教授を経て帰国。HSBC証券、JPモルガン等の外資系証券会社で建設・住宅・不動産担当アナリストなどを務めたのち、著述業に専念。経済アナリスト・文明評論家。主著に『クルマ社会・七つの大罪』、『奇跡の日本史――花づな列島の恵みを言祝ぐ』、(ともにPHP研究所)、『デフレ救国論――本当は恐ろしいアベノミクスの正体』、『戦争とインフレが終わり激変する世界経済と日本』(ともに徳間書店)、『投資はするな! なぜ2027年まで大不況は続くのか』、『日本経済2020 恐怖の三重底から日本は異次元急上昇』、『新型コロナウイルスは世界をどう変えたか』(3冊ともビジネス社)、『米中貿易戦争 アメリカの真の狙いは日本』(コスミック出版)などがある。

「2021年 『日本人が知らないトランプ後の世界を本当に動かす人たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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