パンプキン! 模擬原爆の夏

  • 講談社
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本棚登録 : 230
レビュー : 42
  • Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062170772

作品紹介・あらすじ

1945年、終戦の年。原爆投下の練習のため、模擬原爆・通称パンプキン爆弾が日本各地に49発も落とされていた事実を知っていますか?本当にあったことを、小説で読む・知る。

感想・レビュー・書評

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  • パンプキン爆弾の事はこの本が出版された時に初めて知った。自分なりに調べて、自分の田舎も被害にあっていたことを知り、もしも歴史にちょっとした違いがあったら原爆を落とされたかもしれないと知りショックを受けたことを覚えている。
    今回ようやく本を読むことが出来た。子供向けだか、大人が読んでも為になる。模擬原爆の事実を知った女の子の心の変わりようが、自分と同じようであり共感出来た。また、原爆の被害者の側面だけでなく、そうなった当時の日本の状況もきちんと書かれている点も良い。
    ちょうどこれからオバマ大統領が現職大統領として初めてヒロシマを訪れる。それだけで各国の思惑が渦巻くような世界情勢であるが、いつの日かこの本の最後に出てくる「長崎ちゃんぽんみたいな世界」になって欲しいと切に願う。

  • 難しいテーマだったけど、最後はきれいにまとめてあって
    暗い部分をわかりやすく未来に向けて前向きに書いてあり
    、読んでよかったと思える一冊。
    できればもっと沢山の人に読んでほしい本。

    以前読んだ風船爆弾、今回読んだパンプキン爆弾、どちらも図書館の児童書も知った。
    大人ももっと読むべきなのになと残念に思う。

  •  パンプキンは、爆弾です。模擬原爆の別名です。

     爆弾に模擬も本物もへったくれもないでしょ、爆弾は爆弾で、爆発して、人を殺す武器でしょ。どうして「模擬」なの?
     そう思いませんか。
     「パンプキン」は、模擬原爆でした。

     広島と長崎に落とされたあの原爆の、練習台として、つくられたのが、「パンプキン」です。原爆の形は、通常の爆弾とは異なります。
     大きくて重くて、不格好な原爆を落としたい場所に、正しく落とすのには、練習が必要でした。原爆の開発には、多額のお金がかかっています。失敗するわけにはいきません。練習場所に選ばれたのは、大阪です。練習で爆弾を落とし、練習で人が死にます。
     人が殺し合うのが戦争。たくさん殺したほうが勝ちなのが戦争。そんなことはわかっています。でも、人殺しの技能を高めるために、人を使って練習できる神経を形成するのが、戦争なんだということを再認識してぞっとします。

  • 《市図書館》
    恥ずかしながらこの本を読むまで、模擬原爆の存在を知りませんでした。
    自分の住んでいる県にも模擬原爆が落とされていたことにも、驚きを隠せません。
    児童書ではありますが、模擬原爆を投下した理由などが、明確に書かれていて、子供の目線で物語が進むので読みやすく分かりやすかったです。

  • 模擬爆弾の話を知らず、地図のページを見て米軍がかなり一つ一つをよく考えてるなあという雰囲気があって驚いた。調べてみたいなあって思うきっかけになったからありがたい。
    『どや!』ってするために原爆落としたわけじゃないし、ソ連=今のロシアって言ってたり、何を言うかよりも何を言わないかの方が大切な事もあるなって思うけれど、その『どや!』の件に関しては言葉が足りないように見えてもやもやしてしまう。
    ヒロカの性格が小学生と知っていてもどうしても受け入れられない。でも勉強を好きになる道筋って皆こうだよなあって思った。無知の恐ろしさを知らない人は嫌いで、学ばないという事を自ら選択したなら良いのだけど、流されて学ぶ機会を逃している人に見えてイライラした。でも子供には勧めるのに十分良い本で、こっちの方が原爆に興味持ちやすくなるから仕方ないけれど。自分が勝手にめっちゃこういう子受け入れられなくてイライラしているだけ……。とにかく、ヒロカのように沢山の人に興味を持つきっかけとなる本なのだと思うから是非大人も読んで欲しい。また、驚いたところや疑問点をどんどん掘り下げてみて、勉強を好きになる人が増えると思うと嬉しくなる。

    ずっと思っているんだけど、戦争って怖いっていうのは誰でも知ってる。でも戦争がなくならないのは個人の利益とかそんな問題じゃないし、もっと人情的に考えてもなくならない理由は沢山ある。もし戦争に何かの形で関わる時、戦争をするしかなくなっちゃう不条理な気持ちとかも調べて知っておいて、戦争に関わる中で自分の選択の幅を広げておいて欲しい。戦争やそのきっかけを悪い物って簡単に断じると、その足元を崩されるのも簡単になっちゃうのは本当に恐ろしい。

  • 多くの方が書かれているように、この本を読むまで「模擬原爆」のことを知らなかった。
    大阪弁の主人公ヒロカもさっぱりしていて共感できる。

    「知らないことは、こわいことだよ。だれかの言ってることが事実とちがっていても、そうなのかなあって信じてしまう。ぼくはそれがいやなんだ」

    このたくみの言葉が一番心に残った。

    「あのな…。いろんなことを知っていくと、結局だれが悪いのんかも、わからへんようになるな」

    こうして多くの人が、自分で考えることをやめてしまうのだろう。
    最近の世の中を見ていてもそう感じる日々。

  • こんな夏休みを過ごせたらええやろなぁ。
    夏の日差しと自分の興味を追うために使う時間。
    大人にも欲しいな、そんな時間。

  • いとこのたくみが調査していた模擬原子爆弾パンプキンに興味をもったヒロカ。戦争について深く考えたことのなかったヒロカは、模擬原子爆弾や戦争について知ることで、驚いたり、考えが変わったり、さらに疑問が出たりして、自由研究にまとめることにした。令丈ヒロ子さんの文と明るく元気な関西弁が助けになって読みやすく、戦争について考える入門書としてよいかも。

  • 五年生のヒロカには、同い年のいとこがいる。
    東京に住んでいるたくみだ。
    たくみは調べたいことがあると言って、二週間ほどおじいちゃんの家にやってくるという。
    ヒロカはたくみを駅に迎えに行ったが、もうそこにはたくみはいなかった。
    おじいちゃんに電話をしてみると、
    「モギゲンバクノイレイヒ」の方へ行ったという。
    モギゲンバクノイレイヒ?
    おじいちゃんに言われた通りの場所に石の板のようなものがあり、たくみはその板に顔を近づけていた。
    ヒロカはその板に書かれた字を読み、その場所が「模擬原子爆弾投下跡地」だと初めて知る。

    自分の住んでいる近くに落とされた「模擬原子爆弾」で人が亡くなったこと、その形から 別名「パンプキン爆弾」と言われていること、どんな目的でなぜ落とされたかということ… ひろかは、わざわざ東京から調べにきたというたくみに刺激を受けながら、「パンプキン爆弾」が心に引っかかり無視ができなくなって、自分でも調べていく。

    4年前初めて読んだのだが、それまでパンプキン爆弾について全く知らなかった。そして、自分が住んでいる県も含め日本中に落とされていたことや残っていた爆弾は海に投棄されたことなどを知り驚いた。
    そんな惨たらしいことをしたアメリカに対し、ひろかが怒りを発する場面がある。そこでたくみが日本が中国や朝鮮台湾などに行ったことや、無差別攻撃をしたことなどを伝える。とても印象に残る場面。
    そういったことも子どもたちが知り、日本軍側からだけではなく多角的に考えるきっかけになればと思う。

    挿絵も親しみやすく、読みやすい。
    ヒロカの作った壁新聞も最後に載っていて、今のヒロカの考えも書かれていてわかりやすい。
    たくさんの子たちに読んでもらえるといいなと思う。

  • 犠牲者の方が"数"で個人の話がないのが残念。

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著者プロフィール

作家

「2021年 『人類滅亡フラグがたちました!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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