大江戸釣客伝 (下)

  • 講談社 (2011年7月28日発売)
3.81
  • (11)
  • (33)
  • (17)
  • (0)
  • (2)
本棚登録 : 150
感想 : 33
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (322ページ) / ISBN・EAN: 9784062170871

作品紹介・あらすじ

人間の愚かさ、気高さを釣りの世界で描く

釣り船禁止令で絵師朝湖は三宅島へ島流しとなり、江戸で支援の秘策が練られる。赤穂浪士の討ち入りがあり、江戸の町が大地震による火災にやられ、周辺は津波に襲われるなか、釣り人たちの運命は!?

そもそも釣りは人の道にあらず、外道の道なり。この道に生き、この道に死して悔なし。
なまこの新造が、あれほど釣りにのめり込んだというのも、その心のどこかには哀しみのようなものがあったのではないか。自分の握るこの竿は、人が生きてゆくための杖である。人は淋しい。人は愚かだ。その淋しさや、哀しさや、愚かさの深さに応じて人は釣りにゆくのであろう。――<本文より>

第46回吉川英治文学賞受賞

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

人間の愚かさや気高さを釣りの世界を通じて描いた本作は、江戸時代の複雑な人間関係と歴史的背景を背景に、釣りをめぐるさまざまな物語が展開します。多賀朝湖と宝井其角という二人の釣り仲間を中心に、津軽采女や吉...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 私は上巻よりこちらの方が好き。

  • 綱吉の生類憐みの令のため世相は暗くなりついに斫も禁止される。釣り仲間である津軽采女の義父吉良上野介は討ち入りで惨殺され、朝湖は島流し、其角もアル中。最後は少し謎解きのような展開。

  • 其角や朝湖の破天荒な生き方は面白いが、家族はさぞや大変だったろう。釣りの面白さは知らないが、それでも伝わるものがあって、釣りを巡ってのあれやこれやが楽しかった。後半になって赤穂浪士が出てきて、津軽采女の釣りへ収斂していくしかなかった哀しみを想うに、不条理とか運命とかそういったどうにも出来ない事への怒りを覚えた。『何羨録』はその全ての果実なのだろう。

  • レビューは上巻にて

  • 歴史の意外な一面を
    知ることができた。
    宝井其角って荒ぶっていたのね(笑)
    やはり、赤穂浪士は好かんな。

  • 五代将軍綱吉治世下の江戸でよりにもよって釣りが好きで好きでたまらない人々の姿を少し引いた目線で淡々とあぶり出す。ものに憑かれた人の狂おしい欲望と哀しみ。閉塞した時代、仕事と責任、理不尽な仕打ち、無責任な世間、翻弄されながら、それでもその間で生きていく、生きて行かざるをえない人々の人生。そのもの悲しさ。

  • 初めてかな?夢枕獏さん。
    すずらんさんの番組でのインタビューを見て。

    宝井其角、多賀朝湖、津軽釆女、徳川綱吉・・・。

    釣りをやっててよかった。
    釣りの場面は口角が上がった。

    不勉強な自分は歴史に疎い事この上なく、1/4くらいほかの方々より楽しめなかったのかも。
    でも、少しずつ繋がっていくであろう未来を信じて焦らずに時代物を読み続けよう。

    兎に角、「義理と人情」とか「粋」とか「漢気」とか「慎ましさ」とか堪らない。

    特に阿久沢弥太夫と松本理兵衛には心打たれた。

  • 今も続く忠臣蔵の仇討ちの話は、後世創られたものが大半なんだろうけど、時代の流れというか周りの人の噂の強制力ってのは、大きかったんでしょうね。これを読んだからと言うわけでもないけど、今当然のように創られている、語られている物語を、他の視点からも見直すというのは、歴史認識にも、何においても必要ですね。

  • 20120630 釣りバカ日誌のような本と思ってたがもっと深い。元禄時代の生き様が絵巻のようで眩しい。淡々と書かれているのが良い。裏忠臣蔵的な読み方もあるかも。

  • うーむ、この下巻はもう釣りのお話では無くなってしまっている。
    つまり、肩すかしなのだ。
    なんだか詐欺にあったような気もするけど、そこまで言うのはよそう(あ、もう言ったか、わわぁ。すまぬ)
    まあ、もともと釣りのお話だけで上下二巻はとっても厳しいのだろうとは思うし。
    そして、最後の場面はいいなぁ~。
    だけど、そのとっても良い最後の場面の後に、作者自筆とはいえ変な能書き/言い訳の類があるのは、これまた気分良い読後感を阻害するものであった。
    ほんに惜しい。

  • 美容師のお姉さんから借りた。半年経って読了。
    釣りがしたいぞ。モロコ、クチボソ雑魚釣りが好きだ。竿もまだ持ってた筈だ。

  • 朝湖の島流しから、松の廊下,浪士の討ち入り,基角の死...ついつい釣られて一気読み。
    綱吉の突然の死で「生類憐みの令」は廃止され、赦免されて江戸に戻った朝湖と、采女の最後の場面がいい。

  • 文章にするっと作者が出てくるところがまた好きですよ

  • 当然クライマックスになると思われた忠臣蔵でしたが、
    采女の心境の変化が、日本初の釣り指南書の「何羨録」を書くに至るまでを、
    もう少し掘り下げてほしかった。
    其角の死からはめちゃくちゃ駆け足で史実紹介に終始していたのが、
    ちょっと残念です。
    本作の一番の主人公は、反骨精神を持ち続けた多賀朝湖こと英一蝶でしたので、
    彼だけを主人公した方がよかったかも。

  • 『何羨録』の著者津軽采女を中心に、生類憐れみの令に規制されつつ止められない釣客たちの物語。

  • 釣人必読書也

  • 朝湖の島流し、采女の義父にあたる吉良上野介の松の廊下から討ち入りまでの事件と赤穂藩寄りの世間からの仕打ち、其角の死去と暗い出来事が続く下巻でした。

    釣りが話の芯ですが人間の業とか哀しみとかが強く書かれていて物悲しく読みました。
    でも嫌な読後感を受けないのは作者の話の収拾の上手さなのでしょうね。

  • 釣りは人間ドラマ。押して引いて餌をつけて焦らして釣る。おもしろい。

  • 釣りに興味がないせいもあって、上巻の半分くらいまではあまり興味が持てずに淡々と読んでいる感じだった。でも、読み進めるうちに登場人物たちに愛着が湧いてきて、下巻は一気に読んだ。切ない。

  • 史実とフィクションが良い感じでクロスしてて、とても良い雰囲気を醸し出しています。釣り好きには是非読んで欲しい一冊です。

全30件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

夢枕獏の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×