さようなら、ドラえもん 子どものためのテツガク教室

  • 講談社
3.08
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感想 : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (162ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062170901

作品紹介・あらすじ

強く生きるためのテツガクトレーニング
何のために生きているの? 「カトン先生」がカントの道徳論を指南する。
のび太のままではいられない!?

そう、「よいこと」ってのは、自分が心の底からほんとうに望んでいることなんだ。でも、弱いと自分が望んでいることも言えなくなる。仲間外れにされるのがこわいから、全部他人の意見に合わせる。ぼく(わたし)はこれでいいんだ、と言い聞かせても、じっと自分自身の声を聞いてごらん。「これでいいわけない!」っていう小さな叫び声が聞こえてくるだろう? なぜなら、それはきみのほんとうに望んでいることではないからだ。

感想・レビュー・書評

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  • なんで?という疑問を持つことがなくならない。そうやって生きている大人が少ないことも実感してきて、子どもの疑問に私もなんでか分からないから一緒に考えようよと誘ってはヘンだと言われ逃げられたりしているこの頃。この本を読んで少しでもマシに答えられるようになったかと言えば、より相手に疑問を持たせるような答えを返すしかなくなった。自分で考えて決めて強くなっていくこと。真理を求めて生きること。そういうことを勧める大人がいてもいいよね。

  • 死にたい人のほとんどは、心の底では生きたいと思ってる。
    死ぬほど追い詰められたのは気の毒だ。でも、死にたい人の態度が文句なしに正しいわけではない。
    死にたいところまで追い詰められている人が、模範的な態度をとることを拒否したからって、非難する理由になるか?

    自由は自由によって制限を受けなくてはならない。
    私たちは社会的な動物だから。

    どんなに考えをつきつめていっても、結局は「なぜだかわからないけれど」へ行きつく。それが信念だ。数学の公理と同じ。それ以上さかのぼれない取り決め。

    善意の嘘、相手を喜ばせるための、自分を守るための嘘。
    そんな嘘をついてもいいのか、自分の気持ちをしっかり見つめること。

    カントは、人の命より真理が大切だという。「道徳的に良い」ことは普遍性を持っていなくてはならない。カントはこう考えた。

    ぼんやりとしかわかっていないことを正確な言葉で考えなおしてみるのはおもしろい。
    本当の事から目をそらしている人生はつまらない。

    完全に無になるとはどのようなものだろう。

    哲学は自己欺瞞を許さない。何よりも本当のことを知りたいという要求だから。でもたいていの人は、本当の事なんか知りたくない。もし本当のことを知って不幸になるなら、本当の事なんか知りたくない。

    なぜ、人に親切にしなくてはならないの?
    なぜなら、私たちは社会的な動物だからだ。でも、人に親切にするのは義務ではない。そうした方がいいことではあるけれど、そうしなくちゃならないことではない。
    親切に振舞う余裕を持っているなら、そうした方が、自分や周りの人が生きやすくなる。
    人に親切にする時だって、重要なのは動機だとカントは考える。

    「立派」な行為が間接的に強制される社会は恐ろしい。

    誠実は真実の一種。自分が思っている通りのこと、感じている通りのことを、そのまま思い、感じることを誠実という。

    哲学真理とは、どうしてもわからないことを、なぜわからないのか、しっかり言葉で説明すること。

    誠実であろうとすればするほど、どうしたらいいのかわからなくなるのが現実だ。

    すべてを完全に正確に捉えるのは無理だ。どうやったってわからないものはわからないのだから、自分が絶対に正しいと思ってはいけない。

    カントによると、学ばない人生は生きる価値がない。

    真理はすべての人の思い込みを超えている。

    「世の中には、毎日が苦しくて地獄の中をさまよっているような人がいる。そういう人は、「なぜだ?なぜだ?」と考えざるをえない。」 p.120

    人生は虚しく馬鹿げている。私たちはなぜ生きるのだろう?この答えのない問いを身体全体で考えて生きている。

    人生に意味も価値もない。私の存在に意味も価値もない。
    でも、愛だけが与えてくれる価値を信じたい。

    人生は実際には生きてみなければどうなるかわからない。
    そしてみんな確実に死ぬ。

    考えない人はなぜ人間として生まれてきた?と思っていたけど、カント的にはもっともな考えなのかも。
    でも、優生思想につながりかねない考えでもあると思う。

    自分に厳しく他人に親切にすると、生きやすくなる。
    そうなのかな?

  • 中島義道さんのファンで、12冊目です。約2年ぶり。

    ただ、エッセイ風な作品は面白いのですが、哲学を語りだすと毎回消化不良おこします。
    子供向けに書かれたものは「きみはなぜ生きているのか?」に続いて2冊目です。
    この二冊は哲学とは何かを少し知れてよかったです。
    だからこれらよりもうちょっと難しい、でも「後悔と自責の哲学」「善人ほど悪い奴はいない ニーチェの人間学」よりずっと易しい哲学の本があったらいいなと思います。

    適当にごまかさないで、真剣に考えて生きること、人生の暗黒面をしっかり見て、自分をきたえること。それが豊かな人生を開くと言われれば、うん、そうかもしれません。

  • 自分の手で。なぜ??。死んではいけないの?ウソをついてはいけないの?人に親切にしなければならないの?勉強しなければならないの?
    なんのために生きてるの?
    カントの考えをやさしく伝えてるのかな?

  • 元大学教授が中学生向けに哲学を紹介した本。
    幸せを求めていく人生もあるけど、真理を求めて、考え続ける人生もあるよってことみたいです。

  • 楽な道を正当化して歩むあの人を思い出した。
    それがかえってはてしない不満と苦痛と欺瞞を産んでいるのか、と納得。
    考えつづけるべき。

    人生でふりかかるきびしさが生きやすさのアイテムになるというのはなかなか理解が難しいところではあるが、知るべしである。

    押し売り親切のあの人も思いだした(笑)

  • どんなに辛くても自殺しない。
    絶対に嘘つかない
    なるべく人に親切にする
    一生懸命に勉強する

    神様に心の底まで見透かされているとすると、他人をだませても神様は騙せないから何をするにしても、自分の心を清らかに保つことが一番大切。

    人間である限り、考え続けよう。何かの役に立つからではなく、人を幸福にするからでもなく。人から尊敬されるからでもなく、ただひたすらに真理を求めて考えること、これが本当の意味で勉強するということ。
    真理を学ぶといは、たとえそれがどんなに残酷でも、ごまかしを見抜くこと。そして真理を知ってもなんの利益にもならず、なんの解決も見いだせず、かえってそのために今までよりもつらくなるとしても真理を求めるべき。なぜなら、それが真理だから。
    強くなければ自分の好きなことを貫くこともできない。

  • カントの考えを中心に書いてあるが、哲学を厳しくとらえすぎていて著者の自己満足としか思えない内容だった。はじめての哲学本としてこれを選んでしまうと、哲学全般を嫌いになってしまうんじゃないだろうか。

  • ”幸福”になる為、俺は生きてる。あなたは何のために生きてる?難しく考えないで。「よいこと」って自分が心の底から本当に望む’こと’だよ。あと、のび太君はドラえもんの道具にたよってばかりじゃないよ。

  • 中学生との『テツガク』授業の内容を、分かりやすくまとめた本。
    語り・口調で読みやすい。
    生きることとは?良い事、悪い事とは?大人の私にもいろいろ考えさせられる内容。
    155ページ中146ページでやっとドラえもんの話が出てくる(笑)

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著者プロフィール

1946年生まれ。東京大学教養学部・法学部卒業。同大学院人文科学研究科哲学専攻修士課程修了。ウィーン大学基礎総合学部哲学科修了。哲学博士。専門は時間論、自我論。「哲学塾カント」を主宰。

「2019年 『ウソつきの構造 法と道徳のあいだ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中島義道の作品

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