- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062171038
作品紹介・あらすじ
本書は、2010年に急逝した瀬川康男の初期から最晩年までの絵本作品を中心に、タブローやリトグラフ、スケッチなどあわせて画業を一望するものである。
感想・レビュー・書評
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瀬川康男(1932〜2010)
絵本界の鬼才と呼ばれた。愛知県岡崎市生まれ。小学校の頃から浦上玉堂や池大雅の絵を好み、13歳で絵で生きていく決意をする。日本画家に1年ほど師事するがその後は独学。広告のイラストレーションなどを経て27歳で初めての絵本『きつねのよめいり』をほぼ完全原稿の形で持ち込んだ。当時の編集者、松井直は「瀬川さんは出発点からプロであった」と回想しているという。
初期の描き方は「まぜまぜ技法」と言われている。以下引用で、
”『いないいないばあ』では洋紙にジェッソを塗った後、ペインティングナイフだけでアクリル絵の具による色地を作り、実在する気配を示す役割の縁取りがまず描かれた。その上に典具帖をのせて、ガッシュの墨を塗ると、墨がしっかりつくところとつかないところのムラができることであの独特な猫たちのなんともいえない表情が生まれ、細かい部分はとろみのあるインクなどで加筆された。”
【所感】今回、この画集を見て感じたのはどの作品も、どの人間、動物、お地蔵さんであっても皆、目が表情豊かであること。私自身「いないいないばあ」を読み、見て、目に強烈な印象を持っていた。当時は「怖い」という感情で処理をしていたが、それだけ目に魅せられたとも言えるのだろうと今、考える。そして私自身にとっての「怖い」という感情は他の絵本なども共通して私自身の人生に大きく影響していることから、決してネガティブな感情ではないことが今回学んだことでさらに納得することができた。詳細をみるコメント0件をすべて表示