神様 2011

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 930
レビュー : 154
  • Amazon.co.jp ・本 (50ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062172325

感想・レビュー・書評

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  • うちの隣にも越してこないかな、くま。

  • 「神様」が大好きだったから、う~ん、こうやって政治的な主張をふんだんにこめたかたちでリライトして欲しくなかったな。なんだか前作にみそがついちゃった感じ…。
    原発への主張は自由にやればよいと思うのだけれど、あえて「神様」をリライトしなきゃいけなかったんだろうか。全く別の新しい話を書いて欲しかった。「神様」は単なる自然への啓蒙をあらわした作品ではない(と私は思っている)のだから、こういうテーマでリライトしてしまうとなあ…。
    「神様」ファンの私としては、読むんじゃなかったという感想。

  • 1993年に書かれた「神様」を東日本大震災を受けてリライトしたもの。1993年版と2011年版が収録されています。短いのですぐに読めます。非日常は日常に変わりつつあり、風化されずとも薄まる情報や報道に対しての著者なりの怒りや警鐘が伝わってきます。大人はもちろん、子どもにも是非読んでほしい。震災はこれからも続いてしまうのです。評価し難いので、★3にしています。

  • 熊のような人でなはく、熊。
    熊は熊として産まれ、熊の運命を受け入れて、ただ生きていること。
    これを読んで切なくなるのは、偏見を持つ側だからか、持たれる側だからか…。

  • 「単なる書き換え」と「単なる並置」という手法が、この作品を読んだ後に味わう胸くそ悪さを産み出すのだろう。

  • 収録作品は「神様」と「神様2011」。一瞬木で鼻をくくったような内容に戸惑いも。短いし何のこっちゃっ。それでも次第に熊との自然な関わりがじんわり伝わってくる感覚が何だか凄くよかった。原発事故後の2編目も静かな怒りが心に深く染みた。

  • 2013.9.15
    前から『神様』好きだったけど、2011が出てるのは知らなかった。

    書かずにはいれなかったんだろうな。たんたんとしていて、良い。

  • 2011年3月11日東日本大震災。
    直後、「被災地に対して、自分のできることをする」が流行った。
    正しいと思う、でも、選択肢は多くなかったと思う。
    被災地で身体を使い救援にあたるか、多めのお金を出すか。
    実質的にはこの二つしかなかったと思うんだけど、なぜか芸術系のひとたちの「被災地の人を歌で励ます」的なものが流行って、関東の片隅で、自分は、首を傾げながらも、銭湯に行ったり計画停電に備えたり、自分としてはかなり多めの募金を振り込んだりしていたのだった。

    「結果として励ますことになる」なら良いのだけれど。

    川上弘美はもちろん違う。
    励ましでもなく、説教でもない。

    川上弘美の「神様2011」は、1993年に書かれた「神様」を書き直したもの。同じお話である。
    川上弘美らしい、異空間に読者を連れて行く書き出しは変わらない。
    「熊にさそわれて散歩にでる」。
    しかし、散歩に出たはいいが、2011年では、それが、放射線量マイクロシーベルトを気にしなければ成り立たないものと変わってしまっていた。

    これは結構、心を抉られる。
    これは物語内の日常が変わっただけじゃなく、現実の日常が本当にこうなったわけだから。
    福島だけではない。
    新聞には毎日、各都市の前日のマイクロシーベルトが掲載されている。
    これが2011年3月11日から変わってしまった、私たちの日常だ。

    東日本大震災以前に戻ることはできないけれど、では、私たちはこれからどうしたらいいのか。
    自分はどうするべきなのか。
    いつの間にか異界へ連れ去られている、川上弘美の作風色濃いふうわりとした物語に、大変大変重いものを突き付けられた感じがする。

    私は、放射線量を気にして日常を送りたくはないし、どの人にもそんな日常がこれから起こらないよう、ちゃんと考えたい。

  • 前作ができた1993年は私が生まれた年で、「あのこと」がこんなにも風景を一変させてしまったんだなと感じた。『神様』と『神様2011』を読み比べることで、その変化が一層浮き彫りになった。それでも生きるということを熊の神様が静かに投げかけているように感じた。

  • 日常はこんなに簡単に変わってしまうんだなぁ。「あのこと」は実際に起こったことなのに、日々実感が薄れているところにかなりの衝撃を喰らった感じでした。

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著者プロフィール

川上弘美(かわかみ・ひろみ)
一九五八年東京都生まれ。一九九四年「神様」でパスカル短篇文学新人賞を受賞しデビュー。一九九六年「蛇を踏む」で芥川賞、一九九九年『神様』で紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞、二〇〇〇年『溺レる』で伊藤整文学賞、女流文学賞、二〇〇一年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞、二〇〇七年『真鶴』で芸術選奨文部科学大臣賞、二〇一五年『水声』で読売文学賞、二〇一六年『大きな鳥にさらわれないよう』で泉鏡花文学賞を受賞。二〇一九年紫綬褒章受章。

「2019年 『掌篇歳時記 秋冬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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