打撃投手 天才バッターの恋人と呼ばれた男たち

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062173551

作品紹介・あらすじ

打撃投手、どこか哀感の響きのある言葉である。バッティングピッチャーとも呼ぶ。あるいは略してバッピとも。選手の打撃練習のために投げる投手のことだ。現役の投手が打者を抑えるために投げるのと違って、打撃投手は打者に気持ちよく打ってもうことを目的としている。同じ投手でありながら、存在する意味が百八十度違うのだ。プロ野球の裏方に光を当てるスポーツノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 打撃投手とは、日本プロ野球独特の職業であり、米国や韓国ではそれを専門にする人はいない。1日に200球近くを投げ、決してスポットライトは当たらないし、労働条件は恵まれない。

    彼らはかつて野球界の投手を経験しており、その時は打者に打たせないことが役割だった。しかし、打撃投手になれば、打者に打たせることが役割となる。同じ投手でありながら全く反対の役割を与えられる。その葛藤を乗り越えて、清原やイチロー、松井に愛された一流の打撃投手もいれば、乗り越えることができず、数年で廃業となる者もいる。

    本書では、様々な打撃投手たちを取り上げ、彼らの考え方や球界における打撃投手の存在価値をあぶり出す。打撃投手はあくまでも裏方だ。しかし、裏方なりの技術を極めた者だけが生き残る厳しい「プロ」の世界なのだ。

  • 人生いろいろ。

  • 一番印象的だった言葉は「打たせまいとして投げるのも打たせようとして投げるのも難しいですね…」。ストライクを通す技術ももちろん大事なのだろうけど、先ず精神的にタフでないと長くはできませんね。プロのバッピ、Big upっす。

  • 一番印象的だった言葉は「打たせまいとして投げるのも打たせようとして投げるのも難しいですね…」。ストライクを通す技術ももちろん大事なのだろうけど、先ず精神的にタフでないと長くはできませんね。プロのバッピ、Big upっす。

  • 先日文庫化された「打撃投手」の二作目ともいえるノンフィクション。
    松井、清原、イチロー、落合など名バッターの打撃投手を務めた人々、期待されて入団したものの、芽が出ず、転向した人々など、前作以降に登場した打撃投手を描いている。

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著者プロフィール

澤宮優(さわみや・ゆう) ノンフィクション作家。1964年、熊本県生まれ。青山学院大学文学部卒業、早稲田大学第二文学部卒業。2003年に『巨人軍最強の捕手』(晶文社)で第14回ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。主な著書に、『バッティングピッチャー』、『炭鉱町に咲いた原貢野球』、『昭和十八年 幻の箱根駅伝』(以上、集英社文庫)、『世紀の落球』(中公新書ラクレ)、『イップス』(KADOKAWA)、『戦国廃城紀行』(河出文庫)、『暴れ川と生きる』(忘羊社)、『集団就職』(弦書房)など多数。

「2023年 『「二十四の瞳」からのメッセージ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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