引き裂かれた絵の真相 夭折の天才 村山槐多の謎

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 13
感想 : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062173742

作品紹介・あらすじ

出生地の謎と消えた大作の行方があきらかに!
栄光、挫折、22歳での夭折。今注目の奇才「火だるま槐多」25年ごし、執念のスクープ!
代表作など41点を収録!

新発見
大作『日曜の遊び』の行方、真の作者を追う過程で発見した注目の作品を収録!
『日曜の遊び』(裸婦と男たち)
『少年像』
『赤ダリア』
『望雲顧水』
『湖畔の少女』
『年賀状』
『無題(1916年の自画像)』

感想・レビュー・書評

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  • 一枚の絵がはたして、村山槐多の作品なのか山本鼎の作品なのか?その謎を緻密に解き明かしていく学芸員の努力の過程が描かれていて、読み応えがあります。日本の近代絵画に関心のある方には面白いと思います。

  • 従兄の画家・山本鼎に才能を見出だされ短い人生を終えた村山槐多。彼はアーティストに縁があるらしくその名は森鴎外によって命名されたらしい(鬼とはまさに…)江戸川乱歩は彼の絵を持っていたそうだし。死後には詩集も出版され、しかもデスマスクもつくられてて、どれだけ彼の死が惜しまれたかわかる。冒頭には高村光太郎による槐多の記述がある。
    ーーいつでも一ぱい汗をかいてゐる肉塊槐多。五臓六腑に脳細胞を遍在させた槐多。強くして悲しい火だるま槐多。無限に渇したインポテンツ。(抜粋)

    大作「日曜の遊び」の作者は、槐多なのか鼎なのかという謎を追う。

  • 若くして亡くなった天才画家村山槐多。
    当然、作品数も少なく、もし未発表作品が発見されたら数千万円の値がつくだろうというのを何かで聞いたことがある。

    本作は、山本鼎の作品とされていた大作が、実は発見当初槐多作品として認識されていたそれが正しかったと解明するまでをまとめたものである。

    槐多の生い立ちから丁寧に調査されており、またなかなか目にすることのない彼の作品や、図版などが多数掲載されていてとても興味深い。槐多の署名や落款がずらりと掲載されているのも面白い。
    友人との書簡のやり取りや、住んでいた部屋の間取り、作品に使われる絵の具、紙や保存状態など、可能な限り確かな裏付けの取れる方法で、ひとつひとつ関連付けながら結論を導き出していくさまは非常に好感が持てる。
    というか、この作品が誰の手になったものかということは、ここまで細部にわたって調べ上げて初めて確認が取れるものなんだということに、改めて驚いてもいる。
    コンパクトにまとまってこそいるが、実は20年くらいかけて調べ上げた結果、解明へとたどり着いたその記録なのである。根気だなあ。

    それにしても、〇〇なところが誰某の影響を色濃く受けている、とか、△△法を用いているところが誰某に倣った手法だとか、美術関連には全く疎い私には、どこがどうで誰某風なのか、説明されてもよくわからない…。
    学芸員とか、その道のプロはいったいどのあたりをどう見て、そういうのを判断しているのだろう。
    美術って難しい。

  • 図版が多く、読みやすい。
    他にも触れたいことが沢山ありそうなのに、極力感情を押さえ「大作」だけを筋道を立てられて結論まで。良い本だった。

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著者プロフィール

1963年、愛知県岡崎市に生まれる。武蔵野美術大学卒業、おかざき世界子ども美術博物館学芸員。2003年にスペイン政府の給付により渡欧。サルバドール・ダリ、ジョアン・ミロを研究。研究論文をもとに制作されたNHKの特別番組「私が噂のダリである」が2006年国際エミー賞にノミネートされる。また、企画した「村山槐多の全貌」展が「2011年美術連協大賞・奨励賞」(美術館連絡協議会)を受賞。著書は『ダリをめぐる不思議な度』(ラピュータ)等がある。

「2019年 『真実の眼ーガランスの夢 村山塊多全作品集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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