ジェントルマン

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 257
  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062173865

感想・レビュー・書評

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  • 場合によってはエンターテインメント的にとらえられがちな同性愛の物語を山田詠美さんが描くとは思わなかった。同性愛者の友人もいるようなので、彼らの切ない恋の悩みを聞いてあげているのかな……。
    容姿端麗、才色兼備でありながらわざと親しみやすい”隙”も演出する、完璧な「ジェントルマン」の漱太郎(そうたろう)。それを鼻白んだ目で眺めていた同級生の夢生(ゆめお)。ところがある日、漱太郎の秘密を共有したことで恋に落ちて……という、映像的には萩尾望都さんの『ポーの一族』が浮かんで来る世界です。漂う恐怖感はオスカー・ワイルドの『ドリアングレイの肖像』のような。とにかく退廃的で嘆美な空気が流れている。
    正直、女性が嫌悪すべき描写である華道部の部屋での場面は美しいと思ってしまいました。
    自分はゲイの友人がいたので(最近連絡がないので過去形にするが…自分にとっては変わらず大好きな友人ですが。)、そういう世界が現実にあるということも知っているし、それほど違和感なく入り込めました。そして、頭のよいゲイってしんどいし辛いな、とも感じていたので、夢生の描写は大げさではないと思うし、漱太郎の歪みっぷりも非現実的に見えて現実的だろうと思いました。妹の貴恵子への偏愛は置いといて、ああいう性癖の男性はいるだろう。

    ところどころに結末に向けての布石がちりばめられていて、恐怖の結末を予測させるのだけど、それに対する夢生の仕打ちが予想を超えていた。シゲのこと大事だったんだな……とも思ったし、同時に嫉妬もしていたのでしょう。

    漱太郎も夢生の親友・圭子の気持ちもどうしようもなく切なく、読後非常に気持ちが滅入りました。
    だけど、自分はこの作品を美しいと思うし、好きです。

    途中で夢生が坊主に近いことを知り、イメージが間違っていたけれど(笑)。さらさらした髪の女っぽい男の子を想像して読んでいたので残念。

  • ありがち設定やな~とか思って読み始めたけど、流石は山田詠美様ですよ!!!
    これは…!と唸らざるを得ないアフォリズムにも痺れる。


    誰が一番好きかと聞かれたら、佳子かな。
    私は他の愚鈍な子たちと違うのよというスタンスで始まり、女子会女子を嘲笑い、私は夢生に唯一許される女だと自覚しておきながら、最後の最後の情けなさ…。愛しくなりました。

    これはいいBLって言ったらぶっ叩かれるのかしら…

  • 暗く、重く、深い。
    傲慢で自分本意で身勝手で。

    気分が悪くなるぐらい、暗い暗い本だったけれど。
    なぜか読み進めてしまっていた。

    山田詠美サンは、
    こんなお話しも書けるのだなぁ。

    ぼくは勉強ができない

    とか、好きだったけれど。
    売って変わるこの作品。
    幅が!

    あー恐い。苦しい。
    すぐ読めたけど、もう一度は読めないなぁ。

  • うわー、こういう兄妹大好き。ユメと漱太郎より、漱太郎と貴恵子の今までの話の方が気になる…。
    こういう、何でもできて裏もある人が頭おかしいレベルできょうだい愛してるっていうの好き。

  • ユメの「友情なら、裏切れる。」って言葉がとても悲しくなりました。
    13.6.2

  • 【ほかの著書に「姫君」など。
    内容紹介 誰もが羨む美貌と優しさを兼ね備えた青年・漱太郎。同級生の夢生は、ある嵐の夜、漱太郎の紳士の姿に隠された、恐ろしき犯罪者の貌を垣間見る。その背徳にすっかり魅せられてしまった夢生は、以来20年にわたり、漱太郎が犯す秘められた罪を知るただひとりの存在・・・“告解の奴隷”として、彼を愛し守り抜くと誓うのだが…】

  • エロい、でもなく、グロい、でもなく。
    それをごったまぜにした、「エグイ」という感じだった。

  • 魅力的な登場人物が多いのに、誰にも感情移入することなく読める作品。
    誰の気持ちにも寄り添えないことが、不満や苛立ちではなく、自分がただの傍観者であったことに一瞬気持ち良さを感じてしまいました。

  • こんなジェントルマンいてたら恐ろし。
    ハマったら終わり。

  • 「ピカルディーの三度」でも思ったことだけど、同性愛ってだけでも奇を衒ってるのに、さらに性癖でも異常性っていうか、変態性を追加。うー、それが少し不快。

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著者プロフィール

山田 詠美(やまだ えいみ)
1959年、東京生まれ。明治大学文学部中退。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。同作品は芥川賞候補にもなり、衝撃的なデビューを飾る。87年には『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞受賞。89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年 『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16「生鮮てるてる坊主」で川端賞を受賞している。その他の著書に『無銭優雅』『学問』『タイニー・ストーリーズ』『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』などがある。

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