ジェントルマン

著者 :
  • 講談社
3.43
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本棚登録 : 1253
レビュー : 257
  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062173865

作品紹介・あらすじ

眉目秀麗、文武両道、才覚溢れるジェントルマン。その正体-紛うことなき、犯罪者。誰もが羨む美貌と優しさを兼ね備えた青年・漱太郎。その姿をどこか冷ややかに見つめていた同級生の夢生だったが、ある嵐の日、漱太郎の美しくも残酷な本性を目撃してしまう。それは、紳士の姿に隠された、恐ろしき犯罪者の貌だった-。その背徳にすっかり魅せられてしまった夢生は、以来、漱太郎が犯す秘められた罪を知るただひとりの存在として、彼を愛し守り抜くと誓うのだが…。比類なき愛と哀しみに彩られた、驚愕のピカレスク長篇小説。

感想・レビュー・書評

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  • 78:瀬太郎という「完璧な」男にまつわる罪と罰、そして愛情。瀬太郎に惹かれるユメという存在は、山田文学らしい純粋さと脆さ、危うさを持っていて、いびつで、決して愉快ではない物語を艶やかに、そして妖しく彩っています。あまり好きではない方向性の物語なのだけど、どうしてか目を離せない。そうこうしているうちに読み終えてしまって、ラストシーンの美しさと、どうしようもない運命に揺さぶられるとともに、つまらない道徳やモラルというものについて考えさせられました。
    「あまり好きではない方向性の物語」を読ませてしまう魅力って、すごいな……。

  • 一気読みできたので、4つ

    漱太郎みたいなサイコパスが、世の中に実在しているのだろうか、、、??

    完璧なジェントルマンである表の顔と強姦、暴力、支配を厭わない裏の顔

    被害者は後を絶たないが、サイコパスの兄からの狂愛を受けて育った妹が一番悲惨に思われた。


    主人公夢生は、しかしながら、漱太郎に恋をする。彼の魅力に抗えない。どんなに欲しくても手に入れられず、彼の理解者たらんとする。

    ラストの展開は、夢生が漱太郎を守ろうとしたのか、理由はどうあれ女性以外を衝動の対象とした事への絶望、嫉妬、独占欲なのか、はたまた身内であるシゲの報復でもあるのか、、、?
    懺悔室が処刑室へ、自分だけが漱太郎を裁く資格があると語る夢生の悲恋

    それと心に引っかかるのは、圭子が友情ではなく、愛情と夢生に言えていたら、どんな展開が待っていたのかという事

    圭子の愛情で夢生を救って欲しかったなぁ

  • 敏太郎の怒りの凄まじさに怯えながら読んだ。登場人物が皆、ひた向きな思いを抱えているが、成就しない。入れる鍵穴を間違えている。
    綺麗な絵を一枚ずつ見せられているような小説だ。あまり奥行きは感じなかった。

  • 2017年5月17日、再読。前回同様、一気に読み終える。
    前回は、主人公ユメの想い人である漱太郎の二面性に魅了されたのと、ユメの想いの強さに引き込まれ、ラストシーンの描写の美しさに衝撃を受けた、という感想だった。今回は、漱太郎の性格とラストを知っているだけに、文章をなぞるだけでなくユメの心情に寄り添い読む余裕があった。途中、彼の詩的すぎる語りが若干うっとうしく感じられたりもしたが、ラストを考えるとあの語りは効をなしていた。伏線が何度も敷かれており、脇役と思えた登場人物(路美など)が重要な役割を果たしてラストに向かっていく。ユメがラストであのような行動に出るまでを丁寧に読み取れた。本を閉じた時、静かに涙があふれてきた。その涙がどういう感情なのかよくわからないが、それこそが「どうして?だって漱太郎だよ?」と圭子がユメに問うた答えかもしれない。

  • あまり後味がよろしくない。
    後味と言っても途中から面白くなくて、読了すら出来なかったんだけど。
    ゲイとか強姦とか、そういう世界はあまり興味がない。
    だから面白くなかったというよりは、好みの問題かな。
    昔のエイミーは好きだったんだけどなぁ。
    2017/05

  • 2016/12/22 読了

  • 20160821

  • 冒頭のチープさに嫌な予感がしつつ我慢して読み進めたが、悪い意味でラノベ。
    途中までしか読んでないが、サイコパス物かと思いきやそんな高知能や心理の描写はなく、馬鹿でもできる間延びした強姦シーン。こんな緊迫感の欠片もない強姦を書けるのはある意味すごい。強姦なんてどうやっても胸糞悪くなるはずの行為なのに。
    こういうある意味カリスマ性ある人物とかサイコパスなんかを日本人作家が書くとなぜかズレる。ハズレばっか掴んでると思うのでそろそろ当たりを引きたい。

    キャラがどうも量産深夜アニメのキャラクターじみてて判で押したような言動しかしない。こういう型番のアニメキャラクターはこうきてこうしてこういう行動をするのがお約束、と決まり切った展開を頭に描くとそのまんま動く。

    初作家で他に気になる作品もあったのだが、特に惹かれる文章や言葉選びでもないので迷う。

    p59まで

  • 山田詠美っぽさ?の寄ってらっしゃい見てらっしゃいみたいなかんじ。
    人間関係はこういうものだよなあと思った。

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著者プロフィール

山田 詠美(やまだ えいみ)
1959年、東京生まれ。明治大学文学部中退。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。同作品は芥川賞候補にもなり、衝撃的なデビューを飾る。87年には『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞受賞。89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年 『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16「生鮮てるてる坊主」で川端賞を受賞している。その他の著書に『無銭優雅』『学問』『タイニー・ストーリーズ』『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』などがある。

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