私の箱子

著者 :
  • 講談社
3.22
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本棚登録 : 131
感想 : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062174251

作品紹介・あらすじ

台湾人の父と日本人の母、そしてかわいい妹。四人で暮らした思い出の家を取り壊すとき、段ボールの中から偶然見つかった「箱子」。そっと覗き込むと、「家族の記憶」が溢れ出した。家族の「果てない絆」をみずみずしい筆致で描く初エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 一昨年はじめて台湾へ行って以来、台湾に興味があり、
    同じ頃、一青窈の姉が著者と知り、読んでみたいと思っていた1冊。

    物語だと思って借りたのだが、実際はエッセイだった模様。
    どちらかと言うと、台湾での生活や街の様子、もっと詳細に知りたかったのだが、どちらかというと生い立ちから家族のことがメインで、読みたい内容からは少し違っていた。
    とはいえ、数少ない台湾の街並みの記述から伝わる雰囲気やにおいは、
    わずかばかりだが感じることができた。

    妹さんの活躍は知っていたけど、この方も歯科医兼役者など、多才なよう。
    尤も台湾ではとっても有名な財閥のお嬢様とのこと。
    なるほど。

  • 一青妙のエッセイ。一青窈のお姉さんですね。
    その姉妹が台湾人のハーフとは知っていても台湾で五大家の「顔家」の長男を父に持つ由緒正しいお家柄の娘さんだとは知らなかった。台湾の五大家とは日本統治時代の台湾において、政治・経済的に特に秀でた五つの名家の事を指す。基隆の顔家、板橋の林家、霧峰の林家、鹿港の辠家、高尾の陳家。板橋の林家は土地開発から始まり、現在でも土地を一番多く持っている。霧峰の林家は軍人として名を馳せ、現在の彰化銀行を作り上げた。顔家は鉱業から始まり石炭、金鉱で財を成した。鹿港の辠家は塩から始まり現在の台湾セメントや中国信託銀行を保有している。高雄の陳家は糖業から始まり、いまでも高雄周辺の多くの土地がこの陳家の所有。清朝時代からの2大家族の両林家に対し、この三家は日本統治時代から発展を遂げる。
    姉妹の父、顔恵民さんは犬養毅の孫、犬養康彦さんと学習院時代からの親友で、戦時中の東京大空襲で顔恵民宅が焼失したときに自宅に住まわせていたという。その後も息子同然に過ごし、犬養家が松濤に引っ越した時に顔恵民も近くに引っ越したくらいに家族同然だったようだ。
    顔家の始まりは孔子の弟子で一番の秀才だったという。だから顔家は代々儒教を重んじ、妙と窈とは孔子の教えから名前をもらったという。
    という事を見てみると、一青姉妹は名家の出身なんだということがわかる。
    そして戦時下という不運な時代でなければ、父の顔恵民さんは精神的に悩むこともなく生きられたのではないかと思う。ここにも戦争の犠牲者が生まれた。
    父と母の出会いが気になったりするのだけれど、それは二人のみぞしるのかしら。

    台湾が大好きだからか、ちょーーー長い引用と備忘録的なレビューになってしまった。


    私の箱子(シャンズ)
    台湾の“野猫(イエマオ)”
    閉ざされた部屋
    母が逝く
    顔家物語
    「顔寓」の主
    台湾妙ーあとがきにかえてー

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    中国語で箱のことを「箱子(シャンズ)」という。台湾人の父と日本人の母、そしてかわいい妹。四人で暮らした思い出の家を取り壊すとき、段ボールの中から偶然見つかった「箱子」。そっと覗き込むと、「家族の記憶」が溢れ出した--。
    台湾屈指の名家「顔家」の跡取り息子として生まれた父、16歳の年の差を越えて国際結婚をした母。ふたりは娘たちを残して、相次いで早くにこの世を去った。歳月を経て大人になった筆者は、母が大切にしていた「箱子」の中身をひとつ、ひとつ確かめる。そこには、台湾と日本を往復した、結婚前の初々しい決意を示す両親の手紙や、母子手帳、父と娘の書簡の束、家族写真、そして、父のガン闘病の記録を綴った母の日記などがあった。それらに目を通していくうちに、筆者は封印していた自らの記憶を鮮明に思い出していく。
    台湾で過ごした幼少時代、台湾語・中国語・日本語をあやつりながら周囲の顔色を観察して慎重に行動するようになったこと、6歳年下の妹の誕生、大好きだったおやつ、スパルタ式台湾教育、日本で始まった新しい暮らし、ふと閉ざされる父の部屋、突然の父のガン宣告、闘病中ある理由で口をきかなくった両親の伝言係を務めたこと、父との別れ、歯科大学入学、母の急逝、女優への挑戦--。
    さらに「箱子」に導かれるように生前の父を知る人を訪ね歩くと、これまで知らなかった、台湾と日本の激動の歴史に翻弄された父の人生が浮かび上がっていく。日本統治下の台湾で日本人として生まれた父、太平洋戦争開戦の年に学習院中等科入学、国民義勇隊の一員として疎開先で聞いた玉音放送、終戦後「祖国」が戦勝国と敗戦国に分かれてしまった父の苦悩、失意の帰国と待ち受けていた熾烈な二・二八事件--。次から次へと迫りくる過酷な歴史の波と、名家の長男・財閥の後継者としてのプレッシャーに、ときにアルコールに溺れながら耐え続けた父がようやく辿りついたのは、かけがえのない大切な自分の家族だった。
    子供の頃にはわからなかった「なぜ」の数々が明らかになったとき、果てることのない家族の絆と深い愛に包まれる。
    爽快でみずみずしい筆致で描かれた、書き下ろし初エッセイ。(Amazonさんより)

  • 昔の人はどうしてこうも気丈だったのか…

  • 歌手の一青窈と同じ名字だなと思ったら、お姉さんでした。
    そして一青という珍しい苗字が日本のものだと知り少し驚きです。
    内容は、著者の父親と母親の生涯、著者自身の半生といったもの。
    父親の顔家にまつわる記述が多めだったかな。
    日本と台湾の関わりも含め、台湾で有名な財閥顔家のことなど、なかなか興味深く拝読しました。

  • 文章がもうひとつ。

  • お金持ちな台湾華僑のお話。

    いろいろ持っていたからこそ、そこにある幸せに気づくことができなかったのかもしれない。

  • 台湾の小学校のこととか、当時の台湾の生活がかいま見られる。父逝去の章で大号泣。母の思いがつらい。

  • しっかりと自分を持っていて、家族や家族の歴史とかに対する思いの強さを感じる。
    絆ってこういう事なのかな…。

  • 一青ファミリーを探る旅。
    始めから終わりまであたたかくてやさしいままの文章が、
    素敵だった。

  • 著者の名前を読めば一目瞭然、すぐにあの有名歌手・一青窈の関係者と窺い知れる。

    そう、このエッセイは、一青窈の実の姉で歯科医であり、舞台役者でもある妙による、実の家族四人の思い出の記である。

    「箱子」は中国語読みで「シャンズ」、木の箱を指す。一家に伝わる大事な記憶が封印された木の箱、そんな宝箱が解体する古い実家から見つかったという書き出しから、数奇な一家の物語が書き起こされる。

    子供の頃、はっきりと分からなかった一家の歴史が、宝箱の中から見つけ出した手紙や写真の束から浮かび上がってくる。

    ほんのわずかの手がかりから、著者は知り合いを訪ね、一家の秘められた歴史をしだいにひも解いて行く。そこで明らかになった真実に著者は驚きを隠せない。高校生の頃に亡くなった父親が残してくれたアルバムの意味や、その頃の父母のいさかい、、、

    裕福な家庭の裏側で、日本人としての戦前教育を授けられていたために、台湾での現実に一人苦悩していた父親。そんな父親を献身的な愛で支えながらも、報われなかったた母親の真の姿。今となって初めてわかる真実が著者の心を乱す。

    全般に感動的な事実が書き記されているのだが、第5章の「顔家物語」だけは蛇足。

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著者プロフィール

一青 妙(ヒトト タエ)
エッセイスト、女優、歯科医
1970年、台湾屈指の名家「顔家」の長男だった父と日本人の母との間に生まれ、幼少期は台湾で過ごし、11歳から日本で暮らし始める。現在、エッセイスト・女優・歯科医として活躍中。日台の架け橋となる文化交流活動にも力を入れている。2016年、自転車での台湾一周環島を完走。著書に『私の箱子(シャンズ)』(講談社)『わたしの台南』『わたしの台湾・東海岸』(新潮社)など。『ママ、ごはんまだ?』(講談社)は映画化され、2017年に日本、台湾で上映された。台南市親善大使、石川県中能登町観光大使、四国一周サイクリングPR大使を務めている。

「2017年 『「環島」 ぐるっと台湾一周の旅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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