国税記者 実録マルサの世界

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 147
感想 : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062174367

作品紹介・あらすじ

日本でいちばん口が堅い国税局査察部。担当記者たちはどうやって端緒をつかみ、取材するのか。マルサと脱税者の息詰まる攻防をここに明かす。

感想・レビュー・書評

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  • 非常におもしろかった。

  • 少し前の本だが、キヤノンの事件について詳しく書かれているので読んでみた。結局、御手洗さんとの関係は不明確なままだが、キヤノンが社長の個人的な関係から、喰い物にされたことは間違いない。同族企業的な面から抜け切れていないことを示す事件ということだろう。

  • ブログに感想書きました→http://d.hatena.ne.jp/victoria007/20120201/1328074537

  • まだ最終解決していない最近の案件も全貌を詳しく紹介しており、その生々しさがおもしろい。縁がないものの国税局はごまかせないと感心します。

  •  近年の脱税事件の手口から,国税当局の組織,取材の様子まで。著者は共同通信で国税庁記者クラブを経験し,テレビマンに転身してまた国税の取材をしたそう。四十路でも若い記者に混じって活き活きしてる。
    「申告漏れ」「所得隠し」「脱税」には区分があるらしい。手続上のミスが「申告漏れ」,意図的な仮装・隠蔽行為があって重加算税が課せられるようなのは「所得隠し」,査察部が地検に告発した事案が狭義の「脱税」。一億を超えないと査察部は扱わないから,「脱税」とは報道されない。(p.46)
     査察部が強制捜査する対象は,ほどんと個人か中小企業だという。中傷ならワンマン社長が自分で帳簿も操作できる。大企業だと内部告発されるのが関の山。急激に業績が拡大した中小企業は,脱税の誘惑も大きく,手を染めてしまう。
     査察部には強制捜査を担当する通称ミノリという部署のほかに,内偵を行なうナサケという部署があるのは知らなかった。ナサケからミノリに事案を送ることを隠語で「嫁入り」って言うんだって。勿論,国税局には査察部のほかにも調査部があって,そこでは調査官が大企業とかの帳簿を淡々と調べてる。
     査察部は仕事きついらしくて,最近は若い職員に人気がないらしい。同様に時間的・体力的にきつい社会部の記者も,最近は若者に敬遠されるそうだ。華々しい活躍を夢見る若者が減っているということだろうか。職務内容が変に美化されず見えるようになってきたための,合理的判断なのかも。

  • 国税担当記者による実録本。脱税イクナイ!しかしこうまでして脱税するかと。何億円も稼いでも税金は払いたくないもんか。

  • 【レビュー】
    読みやすさ:★五つ
    内容の濃さ:★四つ
    実録はやはりすごい。ここまで書いてしまっていいのか、と思うくらいの詳細な書き方に脱帽。国税局で”定点観測”している、とあるが、ということは国税局にむやみに出入りしないほうがいいな(笑)。本書は、以前読んだタックスヘイブンの闇と併せて読むとより理解が深まるに違いない。
    【特記事項】
    ・マスコミで使われる「申告漏れ」「所得隠し」「脱税」の違い:申告にミスがあったら、それが故意でも過失でも「申告漏れ」と呼ばれる。そしてそれに重加算税が課されると「所得隠し」と呼ばれる。これは広い意味では脱税に入る。報道でいう「脱税」は査察部が地検に告発したものだけ。
    ・人気バイオリニスト諏訪内も所得隠しをした。
    ・国税犯則取締法により、日没後から日の入り前までは強制捜査ができないので、部署には今日の日の入り時刻が書いてある。
    ・国税関係の職員は、国家公務員法と各税法の二重の縛りで守秘義務があり、「沈黙の艦隊」と呼ばれるほど口はかたい。
    ・最近は株取引収入の申告漏れなど、無知ゆえの脱税が広がっているが、これはしょうがないとはいえない。
    ・国税当局が「本日強制調査に入りました」などと発表することはない。そうした発表はすべてマスコミが独自に見出したもの。
    ・都内のある場所にはあらゆる分野の名簿がそろっているところがあるらしい。
    ・キャノン関連で御手洗氏にまで捜査当局は手を伸ばそうとしたが、大賀の口がかたく、届かなくて忸怩たる思いがあったらしい。

  • 国税庁記者の回顧録。
    もともとは夕刊紙に連載していたものを単行本にまとめており、一話完結型で合間合間に少しずつ読める。
    トリプルサン、人力舎、キヤノンなど、まだ記憶に新しい事件が実名で出てくる。取材の裏側(「部外者立ち入り禁止」という札をかけているビルに勝手に入るとNGだが、札が出てなければOKとか)も面白かった。

  • 大型の脱税事件に関して、報道記者としての取材や調査により、脱税の手口から脱税者の人となりまで、てんこ盛りの内容になっている。個々の事件も十分に面白いが、国税庁を頂点とする国税当局の組織や活動実態が興味深かった。
    それにしても分厚い。ページ数を値段で割ると、かなり割安かも。

  • テレビ記者による暴露ネタ本。ワイドショー的切り口で全般不快。失敗本。売却済み。

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著者プロフィール

田中周紀
たなか・ちかき―1961年生まれ。上智大学文学部を卒業後、85年に共同通信社に入社。95年から97年まで本社社会部で国税当局を取材。社会部在籍時には「ヤクルト巨額損失事件」などのスクープ記事を手がける。2000年に共同通信を退社し、テレビ朝日へ。『ニュースステーション』のディレクターを務め、06年から再び国税当局を取材。10年テレビ朝日を退社。現在はフリージャーナリストとして活動中。著書に『飛ばし 日本企業と外資系金融の共謀』『TVニュースのタブー 特ダネ記者が見た報道現場の内幕』(いずれも光文社新書)、共著に『さなぎの家』(小学館文庫)『銀行が喰いつくされた日』(講談社+α文庫)がある。

「2016年 『巨悪を許すな! 国税記者の事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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