- Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062174572
作品紹介・あらすじ
「これも季語だったのか」「こんな季語があるのか」。四季とともに生きてきた日本人の繊細さ、季語の奥行きの深さ。身近な暮らしにあふれる季語の数々。その豊かで味わい深い世界。
感想・レビュー・書評
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句作はしないが、歳時記や季語にまつわる本を読むのは好きなので、久しぶりに読んでみた。
年初から年の暮れまで、季節の移り変わりに合わせて季語を選び、その季語と、それを使った句、その周りのことについて書かれたエッセイ集。季語とは簡単に言えば、「季節を感じさせる単語集」なのだが、「桜餅」や「クリスマス」などのわかりやすいものから、「竈猫(かまどねこ・冬)」のように、ニュアンス勝負のもの、「鴈風呂(がんぶろ・春)」のように、もはや由来が日常生活では伝わらないものまで、さまざまなものが採用されている。その語彙の幅が面白い。季語には「全日本季語選定協会」的なものがあるわけではなく、「これを使って句作したい」と思う人とその用例が増えると定着していくものらしいので、辞書のように初出年が明示されているわけではないけれど、言葉の歴史を読むことができる。
1篇のエッセイで数句が紹介され、筆者がそれと自分の身の回りについて思いをめぐらす筆致が知的だが、それでいてくどくないので、さらさら読める。俳句をたしなむかたは17字に自分のリテラシーを詰め込む練習を日々なさっているからか、こういうエッセイは、圧縮ファイルを解凍したような思考とその伸びやかさが立ちのぼる。単純に、語彙が増える(ような気がする)のも愉しく、読んで言葉の運用スキルが上がるような気がした1冊でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
俳句をたしなむ人たちは、季節を食べるように自分に吸収するのだなぁ〜と感じました。季語って、こんなのがあるんだなぁ! と楽しんで読めました。
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2014.12~ 展示
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予想外の言葉が季語であることに驚嘆した.短い言葉を大切にする俳人が書いたエッセイだからか,非常に読みやすく素晴らしい内容だと感心した.