傷痕

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 941
感想 : 166
  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062174596

作品紹介・あらすじ

この国が20世紀に産み落とした偉大なるポップスターがとつぜん死んだ夜、報道が世界中を黒い光のように飛びまわった。彼は51歳で、娘らしき、11歳の子どもが一人残された。彼女がどうやって、誰から生を受けたのか、誰も知らなかった。凄腕のイエロー・ジャーナリズムさえも、決定的な真実を捕まえることができないままだった。娘の名前は、傷痕。多くの人が彼について語り、その真相に迫ろうとする。偉大すぎるスターの真の姿とは?そして彼が世界に遺したものとは?-。

感想・レビュー・書評

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  • 「伏」のときもそうだったがなんでこんなに誰も手を出さないようなド高いハードルのモチーフを持ってくるかね桜庭一樹は、ホントいつもヒヤヒヤさせられっぱなしである。だがあの零戦本みたく丸写しにならずそれなりに仕上げてくるところは流石かな。
    マイケル、パリス、孔雀はラトゥーヤ、そして少女を描く事については一流の桜庭マジックで女の子となった復讐と傷痕の心情のコントラストが絶妙で知っている者はもちろん知らない者も充分に楽しめる内容になっている。
    緻密な計算によりあえて在り来たりに纏められたエピローグも良かった。
    ときにその軽さ故手を出してなかった桜庭作品、また読んでみようかなぁ

  • 突然死んでしまった世界のポップスターの周囲の人々の話

    マイケルみたいだな〜
    まんまマイケルだな〜
    と思って読んでて

    巻末の参考文献にはマイケルジャクソンの本がずらり

    わたしは年齢的にもマイケルジャクソンあんまり知らない世代で
    根も葉もないのかあるのかわからないスキャンダルはなんとなく耳にして‥って感じだったから

    子どもへの犯罪とか
    皮膚とか整形とかそういう方ばっかり騒がれてたイメージ

    でも死んじゃってから映画みたりCDきいて感動した

    ので真相というか
    生い立ちとか詳しいことは知らない

    ので、この本の内容がどこまでマイケルとリンクしてるのかわからない(さすがに学校改築して〜とか娘に仮面つけて〜とかはフィクションってわかるけど)

    だから桜庭さんがどういう意図でこの話をかいたのかわからない

    あとがきあってもいいな(あとがきは気が向けばけっこう読む)
    と思った

  • マイケルジャクソンをモデルに書かれてるんだと思うんですが、色んな所が少しずつずれていて、結果的に桜庭先生の手で描かれるスーパースター、「彼」がうまれたのだなと感じました。
    この物語の語り手達は、皆それぞれの形で「キング・オブ・ポップ」に魅せられ、その人生の中には「彼」がいた。
    人間はきっと、色々な傷痕を抱えながら、平凡かもしれないけれど決して平坦ではない、人生という大きな地図を測量し続ける。
    この作品は、今生きている私たちに、綺麗事ではない希望をくれるものだと思いました。

  • 突然この世を去ったスーパースターが残した愛娘をめぐり、大人たちの欲望と思惑が交錯する。最愛の人を失い傷ついた少女の悲しみと回復、そして再生を丹念な筆致で描き出す長編小説。

    設定を日本と日本人にしてマイケル・ジャクソン(とその一家)を描こうとしたのは野心的だと思うけど、どうにも伝わってこなかった。傷痕始め登場人物の誰もが中途半端な描かれ方だし、物語そのものに魅力が感じられなかった。これまで読んだ桜庭作品の中で、出来(私の好み)は真ん中より下だった。
    (C)

  • フィクションのような、ノンフィクションのような、キング・オブ・ポップを取り巻く人々の物語。
    参考文献からしても確実にマイケルジャクソンを意識して書かれた作品なので、かなりのリアリティはある。
    ただ、それがいいか悪いかは微妙なところ。

    でも、ひとつ言えるのは、桜庭一樹の作品に共通する“家族”についてはしっかり描かれている。

    彼の娘である傷痕がどう育つのかが気になった。

  • 桜庭の作品はほとんど読みましたけど、この一冊は抜群だと思います。

  • 偉大なるポップスターであった男は一人娘である11歳の傷痕を残して51歳の若さで突然死んだ。傷痕はどうやって誰から生を受けたのかを知らない。
    さまざまな人の視点からポップスターであった彼に纏わる出来事が章ごとに分割されて物語が進んでいく。
    マイケルジャクソンがモデルとなっていることは少し読めばわかる。あまりマイケルには詳しくはないがもしかしたらこんなふうに彼は考えていたのかと思いを馳せると楽しめるストーリーであるように感じた。

    終末時計
    娘の傷痕目線で語られる父の話と亡くなった後の家族の様子について

    孤島
    ポップスターであった彼に触れたことのある男性の目線から語られる話。男性の青春、青年、中年時代を通して彼の様子が描かれてる。

    胡蝶
    パパラッチ目線。ポップスターが作り上げた楽園で起きた猥褻事件は本当だったのか。真相はわからないが裁判の様子などが語られる。

    風の歌
    ポップスターの楽園に招待されて訴えた女の子目線で語られる。彼女は貧しい家の子で少しでも彼に気に入られたことがとても嬉しかった。しかし猥褻な事件が起きてしまった。父親との関係やその後の様子など。

    魔法
    ポップスターの姉、孔雀の視点から描かれる。
    過去の様子。ポップスターをいかに大切にしていたか。

    世界地図
    運転手、警備員、傷痕さまざまな人からの目線でまとめられている。
    ポップスターは愛されていた。世界中の人から。


    人は楽園なんかで生きるべきじゃないし、地に足をつけて、一歩一歩踏みしめて歩いていくべきだろ。たとえその地が荊に満ちているとしても。楽園なんてくそみたいな場所に閉じこもるよりもずっといいさ

  • これは何を言いたいのかよくわからなかった。死んだポップスターは明らかにマイケルジャクソンがモデルらしいが、よくある偉人の伝記のように既知のエピソードをざっくり纏めました的な感じがして、全体的に薄っぺらに思った。むむむ。時間を空けて再読してみます。

  • 読み始めてこういう本だったのね、とちょっとびっくり。この作家さん、自分には合わないのかな、とも思ったり。でも読み進めていくうちになんとなくわかってきました。少女の名前だけでなくいろんな意味で様々な人々に残った傷痕。これから何か月、何年と月日を重ねるにしたがって傷痕を持つ彼らはどうなっていくのか、直後よりもそちらが気になります。

  • 薄っぺらーい本だった。桜庭一樹ってこんなんだったけ?がっかりした。

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著者プロフィール

1999年デビュー。2007年『赤朽葉家の伝説』で第60回日本推理作家協会賞、08年『私の男』で第138回直木賞を受賞。21年2月、小説『火の鳥』刊行予定。

「2021年 『東京ディストピア日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

桜庭一樹の作品

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