続・大人の流儀

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 989
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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062174862

作品紹介・あらすじ

他人が困っているときに優しくできるか。
幸福のすぐ隣に哀しみがあると知れ。
大人になるとは、そういうことだ。

35万部ベストセラーの第二弾。
「最後の無頼派」が教える、大人として生きるための流儀。

目次より
・鮨屋に子供を連れていくな
・若い修業の身がなぜ休む?
・イイ人はなぜか皆貧乏である
・花見を自粛するのは間違っている
・高収入のスポーツ選手がそんなに偉いか
・若い時期にだけ出会える恩人がいる
・どんな手紙がこころを動かすのか
・大人が口にすべきではない言葉がある
・世間の人の、当たり前のことに意味がある
・男は死に際が肝心だ 他

感想・レビュー・書評

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  • 2011年作品。なんといっても東北大震災についての記述が印象深いです。実際に被災した著者の生々しい文章に心が動きます。被災したもの以外は他人事だと書かれてます。私は阪神・淡路大震災と熊本地震の被災者です。著者と同じで地元以外の報道は全て他人事だと痛感しました。ただ、だからと言って東北での地震の際には、やっぱり少し私も他人事のように感じました。いけないことだと思いつつ、そんなものなのかなあ。歯に衣着せぬ著者の文章には共感する部分が多々あります。(少し偏った部分もあるようには思いますが)

  • 著者の自叙伝的小説「海峡」を読んで、ご両親への大きな尊敬の念を感じていたが、その思いを片時も忘れずに生きているのだなぁという一冊であった。

    執筆時期が3.11前後で、自宅の仙台での被災状況は言葉にできないものだった。
    「私は被災者ではない。」
    自分ではない人たちへの配慮がとてつもない。

    黙ってやれ。

  • 『大人の流儀』と書かれていることが、かぶっているのでは??
    と思って読み始めた私。

    やはりこれも伊集院節で
    自分の「理」でどんどん攻めてきます。
    大人の流儀でもそうでしたが、感銘するところあり、
    この人頑固すぎないか?と全く理解できないものあり…。

    でも男の人で花の名前を知っていて
    季節の花々に目のいく人って、私は素敵!と思ってしまいます。
    (花の名前を覚えるきっかけになるエピソードも素敵です)

    飲む・打つ・買うを豪語し、破天荒な行動をするように見えても、
    細やかに色々世の中を眺めているし、
    黙って背中を見て学べ!と突き放さず
    そこまで言っちゃって大丈夫ですか?という感じの
    サービス精神旺盛な文章。
    そういうギャップが魅力なのかもしれません。

    なぜ「続」を出したのか。
    それはやはり東日本大震災があったからなのではと思います。

    仙台に住んでいる作家からの震災の記録。
    私みたいに想像力が欠ける者には、その時にそこにいた人の文章で
    ストレートに記録されたものを読まないと…
    読んでもほんの少ししかわからないかもしれないけれど
    感じることをやめてはいけない気がとてもしました。

    風雨が強い日に、伊集院家の庭に咲く木槿の白い花のように
    身を美しく「躾」なければと思う一冊です。

    伊集院というペンネームはこんな理由だったのかというのも、驚愕です。でも、私は理由を知り、このペンネームがもっと好きになりましたけど。

  •  呑んだり打ったりすることから抜け出せない弱さと、男としての矜持を貫こうとする心情は親近感を持つ。

  • 福島沖地震のときの話がかなり衝撃的だった。仙台のお家にお住まいだったとは。そしてやっぱり文学者の書く自身の描写ってすごいなぁ。読むと怖くなってきて、ちゃんと備えなくてはという思いも起きた。のに、なかなか水を大量買いして備蓄したいのにできていない。

  • 「若い時期にだけ出会える恩人がいる」

    時期によって感銘を受ける言葉や人は異なり、その時期その時期にしか出会えないものがある。

    「世の中とは、不幸せの底にあるものと、幸せの絶頂にある者が隣り合わせに立つことが日常的に起こるものだ」

  • 作者の長年の経験や功績によって築きあげられた確固たる思考や考えが苦手で流行っていたシリーズ一冊目を買ったものの少し読んでやめてしまった流儀シリーズだが、母にこの続編の最後の方の何かが良いと勧められて読んでみた。仙台で東日本大震災を体験した作者がその体験や思いを綴っており当時の状況を思い出す。身内を失ったり家を無くしたわけではない作者が自分の事を被災者ではないと語り、被災者に寄り添った思いを読む中に、被災地に行ったことがない私に色々と考えさせられる機会を与えてくれた。流儀シリーズの一冊目には夏目雅子との死別に際した思いが綴られているようなのでどこかの機会に読んでみようと思う。
    心に残った言葉の備忘録
    「幸せのかたちは共通点が多いが、哀しみのかたち、表情はひとつひとつが皆違っているし、他人には計りしれないということを承知しておくことだ。それがたしなみである」
    「希望の光というものは万人に同じかたちで差すものではないが、それでもいつかは誰にも差すものだ」

  • 父の考え方に近い気がして、賛同できる。現代は何か得体の知れない窮屈感や価値観に支配されておりそれに対して言及されている様に思う。まずお金が全てではない。そんなこと言う人も少なくなった。そんな空気が醸成されたこの時代は、どこか寂しい。

  • ちゃんとした大人になりたいなら、これを読みなさい。⭕️

  • 最後の「星」を拝読して改めてずしんときました。なんか忘れてないかって。

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著者プロフィール

1950年山口県生まれ。’81年短編小説「皐月」でデビュー。’91年『乳房』で吉川英治文学新人賞、’92年『受け月』で直木賞、’94年『機関車先生』で柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で吉川英治文学賞、’14年『ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石』で司馬遼太郎賞をそれぞれ受賞する。’16年紫綬褒章を受章。著書に『三年坂』『白秋』『海峡』『春雷』『岬へ』『駅までの道をおしえて』『ぼくのボールが君に届けば』『いねむり先生』、『琥珀の夢 小説 鳥井信治郎』『いとまの雪 新説忠臣蔵・ひとりの家老の生涯』、エッセイ集『大人のカタチを語ろう』「大人の流儀」シリーズなどがある。

「2023年 『ミチクサ先生(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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