PK

著者 :
  • 講談社
3.25
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本棚登録 : 5178
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062174961

作品紹介・あらすじ

その決断が未来を変える。連鎖して、三つの世界を変動させる。こだわりとたくらみに満ちた三中篇を貫く、伊坂幸太郎が見ている未来とは-。未来三部作。

感想・レビュー・書評

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  • 3本収録。
    さらりとして読みやすい。
    所々にある、いかにも伊坂さんらしい面白い描写で、くすっと笑えます。
    でも、え?今のは‥なんの話だったの??と‥
    微妙に絡み合う~不思議なお話です。

    サッカーの試合のシーンが、何度も出てきます。
    ワールドカップの前年の予選で、進出できるかどうかという瀬戸際の対イラク戦での決定的瞬間。
    頼みの綱のエース小津が絶不調、でも延長時間に奇跡の3人抜き、そして?
    そこにいたるまで何が起こったか?
    小津はもちろん架空の選手ですが、「持ち腐れになっている選手」だの「決定的に決定力が不足している日本」などと書かれているのが笑えます。

    「PK」
    大臣が秘書官に、10年前のそのときに何が起こったか調査を依頼します。
    というのは、大臣がある決断を迫られているからでした。
    小津が不調だったのはなぜか? そしてなぜ急に、晴れ晴れとした笑顔になったのか? 近づいて何か話しかけている仲間の宇野は何を言ったのか‥?
    小津は試合直前に雲隠れした時期があり、誘拐されたというウワサもあったという。

    大臣は議員になったばかりの頃に、偶然子供がマンションから落ちるところを見つけ、駆け寄って受け止めたことがありました。
    いちやく時の人となり、知名度アップになったのですが。

    「超人」
    謎のメールで殺人事件が起きるのを未然に知る男。
    これを食い止めるために、加害者のほうを先に殺すという場合もあったと聞かされる作家と友人。
    その人物が実は‥

    「密使」
    1日の終わりのわずかな時間だけ、時が止まるという現象が起きる。
    このときに何かが出来るのか‥?

    物事の連鎖はどう起きるのか。
    「臆病は伝染する、だが勇気も伝染する」という言葉も繰り返し登場。
    一部だったり、逆の順序だったりで、印象が変わります。
    決定的瞬間に、勇気を発すれば、それはまわりにも勇気を与える。

    震災よりも前に書かれて発行が決まっていたが、発行が少し延期されたもの。
    別に地震や災害がテーマというわけではぜんぜんないけれど。何かをすることで災害に繋がるかもしれないと不安になったりする言及があるのが、震災後に書かれたと思われるとちょっと妙な印象を与えるかもしれないからでしょう。

  • 伊坂版、テラフォーマーズ(嘘)。

    もしも、あの時あれを選んでいたら。
    もしも、あの時あれを選ばなかったら。

    考え出すと止まらないもしもワールドを、伊坂流に料理し給仕されれば、それはもちろん味見しない訳にはいきません。

    サッカーと総理と秘書と父と子と三島(由紀夫)とセールスマンとヒーローと超能力(ザ・ワールド!)とゴキブリの、不思議な共演。

    余裕のあるときに読み返してみたい。

  • なかなか複雑怪奇で、想像力をフル導入して読んだ。その時、その状況下での意思決定が未来を作る、ということなのだろう...。とは言え、そんなに力を入れずに楽しむことも必要だろうと思わせてくれる一冊でした。

  • 読んでいて話の流れがつかみにくかったので、ストーリーをあまり楽しめなかった。
    なので、この本を読みながら2冊ほど他の本に浮気してしまったために、さらによくわからなくなつてしまった。
    僕が一途に一生懸命読めばよかったのかもしれないけど、ちょっとこじらせすぎ。
    あんまりこじらせてると、他の楽しそうな女の子と遊びにいっちゃうよ的な…。

  • 寝ぼけながら読んでしまったからか、ハテナ?という感じでした。読み返すことまでは、しない予定。

  • とりあえず読み終わったので感想を。まず「PK」を読んだ。ん?つまりどゆこと?そのまま「超人」を読む。ん?あれ?これはさっきのあれと…?この人はあの人?かみ合ってるようでかみ合ってないような何か違和感が続々と生まれる。(この時点で「PK」と「超人」を行ったり来たり(笑))そして「密使」を読み終わった!はぁ~~~そういうことかぁ~~。ただまだ完全には理解できていない気がするがそれを考えるのが楽しい。まさかあの地球最恐(言い過ぎか(笑))の生物やつがキーになるとは驚きだ。

    帯にもあったけど個人的に「君も闘っているのか」「俺たちは楽じゃない」が好きな言葉。なんかカッコいいしピーンと来た。もちろん、「臆病は伝染する。そして、勇気も伝染する」も印象的だ。

  • 繋がっているようで、関係性がよくわからないなぁと思いながら読み進めて…
    何となく部分的にこういうことかなぁというのはあったけど、なかなか難しかった。
    もっと読みこめば、理解できるかな?

  • 悪くないけど、ちょっとややこしいというか、こじらせすぎ?
    3つのストーリーが繋がってるのか繋がってないのか、最後までよくわからなかったのは残念。モヤモヤする。

  • 3つの短編集。PKはお話が難解でよくわからないままに読み進めていたけれど
    ふたつめの超人になると
    微妙にリンクし合い興味深くなってきて
    最後の密使になると俄然、繋がりに翻弄されながら物語に没頭。パラドックスのようなパラレルワールド、本当にあるかも。やっぱり伊坂幸太郎さんは好きな作家だと痛感。

  • だんだん
    台詞回しが洒落てるのか気障なのか
    わからなくなってきた…

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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