PK

著者 :
  • 講談社
3.26
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レビュー : 688
  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062174961

作品紹介・あらすじ

その決断が未来を変える。連鎖して、三つの世界を変動させる。こだわりとたくらみに満ちた三中篇を貫く、伊坂幸太郎が見ている未来とは-。未来三部作。

感想・レビュー・書評

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  • 3本収録。
    さらりとして読みやすい。
    所々にある、いかにも伊坂さんらしい面白い描写で、くすっと笑えます。
    でも、え?今のは‥なんの話だったの??と‥
    微妙に絡み合う~不思議なお話です。

    サッカーの試合のシーンが、何度も出てきます。
    ワールドカップの前年の予選で、進出できるかどうかという瀬戸際の対イラク戦での決定的瞬間。
    頼みの綱のエース小津が絶不調、でも延長時間に奇跡の3人抜き、そして?
    そこにいたるまで何が起こったか?
    小津はもちろん架空の選手ですが、「持ち腐れになっている選手」だの「決定的に決定力が不足している日本」などと書かれているのが笑えます。

    「PK」
    大臣が秘書官に、10年前のそのときに何が起こったか調査を依頼します。
    というのは、大臣がある決断を迫られているからでした。
    小津が不調だったのはなぜか? そしてなぜ急に、晴れ晴れとした笑顔になったのか? 近づいて何か話しかけている仲間の宇野は何を言ったのか‥?
    小津は試合直前に雲隠れした時期があり、誘拐されたというウワサもあったという。

    大臣は議員になったばかりの頃に、偶然子供がマンションから落ちるところを見つけ、駆け寄って受け止めたことがありました。
    いちやく時の人となり、知名度アップになったのですが。

    「超人」
    謎のメールで殺人事件が起きるのを未然に知る男。
    これを食い止めるために、加害者のほうを先に殺すという場合もあったと聞かされる作家と友人。
    その人物が実は‥

    「密使」
    1日の終わりのわずかな時間だけ、時が止まるという現象が起きる。
    このときに何かが出来るのか‥?

    物事の連鎖はどう起きるのか。
    「臆病は伝染する、だが勇気も伝染する」という言葉も繰り返し登場。
    一部だったり、逆の順序だったりで、印象が変わります。
    決定的瞬間に、勇気を発すれば、それはまわりにも勇気を与える。

    震災よりも前に書かれて発行が決まっていたが、発行が少し延期されたもの。
    別に地震や災害がテーマというわけではぜんぜんないけれど。何かをすることで災害に繋がるかもしれないと不安になったりする言及があるのが、震災後に書かれたと思われるとちょっと妙な印象を与えるかもしれないからでしょう。

  • 伊坂版、テラフォーマーズ(嘘)。

    もしも、あの時あれを選んでいたら。
    もしも、あの時あれを選ばなかったら。

    考え出すと止まらないもしもワールドを、伊坂流に料理し給仕されれば、それはもちろん味見しない訳にはいきません。

    サッカーと総理と秘書と父と子と三島(由紀夫)とセールスマンとヒーローと超能力(ザ・ワールド!)とゴキブリの、不思議な共演。

    余裕のあるときに読み返してみたい。

  • 3つの短編集。PKはお話が難解でよくわからないままに読み進めていたけれど
    ふたつめの超人になると
    微妙にリンクし合い興味深くなってきて
    最後の密使になると俄然、繋がりに翻弄されながら物語に没頭。パラドックスのようなパラレルワールド、本当にあるかも。やっぱり伊坂幸太郎さんは好きな作家だと痛感。

  • 久々の伊坂氏作品。やっぱり、伊坂氏の小説には常になんらかの(しかも根本の所でずっとずれのない)メッセージが込められている。だからこそ好きなんだと思う。
    3つの短編が微妙に絡まりあっている作品だけど、多分その絡まり方に大きな意味は無いと思う。
    ただ、どの作品でも主人公や周りの人間が大きな決断をしなくちゃならない場面がある。それこそが、伊坂氏のメッセージ。世界がどんな状況であれ、辛くても、楽でも、僕たちは決断をして生きていかなくちゃならない。

    そうそう、しかもその決断を求められる場面て、すごく突然なんだよね。
    僕も勇気を試されている。

  • 3本の中編が一本の話になっている独特の構成の小説。伊坂幸太郎がテーマとしているコントロール型の社会に対しての個人の行動の可能性が運命論のごとき体裁で語られている。読後感もこの作者ならでは。最後の話が伊坂幸太郎にしては珍しいSFなのでファンにはオススメ。余談だが、魔王執筆時にデッドゾーンとの類似性を指摘された下りが丸々小説に生かされているのは個人的にツボでした。

  • 「PK」「超人」「密使」短編3編からなるお話。
    時間軸が難しくて理解できなかった部分も多かったけれど、読み進めるごとに前の話がリンクしてきて、そういう部分を見つけるとにやりとしてしまった。

  • 「PK」「超人」「密使」の3編からなる中編集。
    伊坂さんらしく、3作に微妙なリンクがありました。

    作品全体から何となく不穏な空気が漂い、
    勇気であったり、抗いようのない力であったり、
    「魔王」や「モダンタイムス」を思い起こされる。

  • 2011年に雑誌・アンソロジー本に発表された中編3編「PK」「超人」「密使」を収録。2012年刊行。
    あとがきによると、単行本化に際して加筆、3編に繋がりを楽しめるようにしたそうです。
    3編とも、バタフライ・エフェクトによる未来の改編、ともいうべき世界が描かれていて、伊坂幸太郎作品にしては難解な作品ですが、3編に繋がりを持たせたことで、3編がパラレル・ワールド的な関係になり、更に難解になっている気がします。
    まあ、難解ではありますが、『SF』というより昭和時代でいう『奇妙な味』的な不思議感を前面に出しているのが、ちょっと懐かしい感じですね。
    ただ、伊坂幸太郎作品らしい、強烈なキャラクターも登場しないし、気の利いたセリフのやりとりも「超人」以外は控えめ。ちょっと物足りなさを感じました。

  • これは凄い・・・感じがする(笑)

    読み返して検証して運よく気づけたとすると、
    かなり凝った作りになっているに違いない、
    という感じがすごくする。

    人の繋がりと関わり、時系列、現実と「シミュレーション」・・・、
    気づきどころはたくさんあるに違いない・・・と思う。

  • なんとなく雰囲気が『あるキング』に似てるような。
    中身自体はあそこまでひどくはないが、なんか思わせぶりな謎がちりばめられ、あれは結局なんだったのかという妙な場面も多く、若干の消化不良感が残る。

    「勇気」へのフォーカスにはぐっとくるものがあった。

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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