トマト・ケチャップ・ス

著者 :
  • 講談社
3.29
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本棚登録 : 273
感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062175050

作品紹介・あらすじ

さえない女子高生・連翹ゆなは、同級生の漆原依理と山口葉から漫才トリオに誘われる。学校で1、2を争う美人で、しかも成績優秀なふたりからの唐突な勧誘に、ゆなは戸惑う。それぞれ家庭に事情を抱える三人のトリオ「トマト・ケチャップ・ス」はどうなるのか?そして、彼女たちのこれからは?-"あの頃"を一生懸命生きていた少女たちの青春グラフィティー。

感想・レビュー・書評

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  • ☆3.2
    もうちょっと三人それぞれの事を濃く書いてほしかったなぁー、というのがほんとのところ。でも青少年向けっぽいし、こんなものか。

  • 漫才の台本で、書かれている部分がある、というのを知って、読んでみました。

    女子高生三人、家庭環境が全く違う三人が、それぞれに経験し、成長していく姿が描かれています。


    印象に残ったのは、ス、こと、ゆなの母の、怒っている人に同じように怒るのではなく、優しくしてあげると、怒りが収まる、ということを言う一連のくだり。
    本当にそうだなぁ、と思います。
    軽く読めるけど、色々考えてるお話でした。

  • この話はなんや。ようわからん。と思いながら、読んだ。
    3人でトマト・ケチャップ・スを結成する。3人が3様の悩みをもっている。いつの間にか話に引き込まれて、あっという間に読み終えた。
    「辛い」っていう字、よう見てみ。ちっちゃい横棒、上の方にちょっとつけたら、「幸」になんねん。

    台本みたいな書き方もおもしろかった。

  • 「自分を動かし、動かされ続ける心と身体は、お互いに責任を持たなくちゃいけないのよ」

  • 装画/今日マチ子
    装幀/名久井直子

  • 3人の女子高生と、3人を取り巻く友人達の物語。
    それぞれが抱える家庭事情、自分の意思ではどうにもできないことがあるが、そこで抱く気持ちに寄り添ってくれる友人がいることの幸せも感じる。
    自分は登場人物たちのような壮絶な高校時代を過ごしてはいないが、悩んで、友人と思い切ったことをして、というのはこの時期でしかできないことでもあると、懐かしく思う。
    会話文で物語が進んでいくような感じなのは好みではなかったため、★3。

  • 女子高生の友情と揺れる思い、青春。

    成績優秀で美人の二人組、依理と葉。

    ある日依理の提案で、お笑い漫才トリオを結成することになり
    トマト・ケチャップ・スのメンバーに選ばれたのは、
    おっちょこちょいで頼りない、ゆなだった。

    完璧な依理と葉、おとぼけなゆな。
    接点なんてなかったはずの関係が、それぞれの家庭の事情を抱えながらも、トマト・ケチャップ・スを通じて互いに成長していく様子。

    お金持ちで完璧な母の言いなりになりたくなくて、本音を交わせないでいた依理。
    病気に倒れた母の世話とリハビリに家事をすることになったゆな。

    父親からの暴力に耐えかねて学校を辞めて、東京へと姿を消してしまった葉。

    葉を探すために、たくさんの人に協力してもらった依理とゆな。

    繊細な乙女たち。10代の頃に読んでいたら、良かったなあ。

  • するっとさらっと読めた。
    他人の気持ちなんて全くわからないけど、こうやって本を読むと少し誰かに近づけると思う。

  • 三人の女子高生が成長していく物語。
    特に取り柄などない連翹ゆなが、ある日突然、学年1,2番を争う成績で、しかも美人の二人組、漆原依理と山口葉から漫才トリオを組まないかと誘われるところから話が始まる。
    学校生活では何の問題もなさそうな三人だが、それぞれ親に問題を抱えている。
    タイトルや表紙のかわいらしいイラストからさわやかな青春ものかと思っていたが、意外と重い内容で驚いた。
    それぞれ親の問題を抱えつつも、学校では漫才を始めることによって、友人関係が深まっていく。途中三人のうち一人がいなくなってしまい、学校での生活も少し変化してしまうが、最終的には三人それぞれ将来に向かって進んでいく。
    途中の親子の会話が印象的だった。

    図書館スタッフ(東生駒):あおむし

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    帝塚山大学図書館OPAC
    https://lib.tezukayama-u.ac.jp/opac/volume/777666

  • 学校1、2を争う依理と葉から漫才に誘われたゆな。
    読み進めていくうちに思ってた話より結構重いストーリーで正直驚いた。
    各々の家庭に各々が問題を抱えてて…重い問題なのにさらさらも読めた本。だけど私には重くなりすぎず、それもよかった。ゆなちゃん人間性好きやわぁ。

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著者プロフィール

歌人、作家。第7回歌壇賞、第31回坪田譲治文学賞(『いとの森の家』)を受賞。歌集に『春原さんのリコーダー』『青卵』、小説に『とりつくしま』『ひとっこひとり』、エッセイ集に『一緒に生きる』『レモン石鹼泡立てる』、歌書に『短歌の時間』『現代短歌版百人一首』、絵本に『わたしのマントはぼうしつき』(絵・町田尚子)などがある。「東京新聞」などの選歌欄担当。近刊にくどうれいんとの共著『水歌通信』がある。鳥好き。

「2023年 『朝、空が見えます』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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