- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062175425
作品紹介・あらすじ
ふっくら、ことこと、こんがり、とろり。悲しい時もせつない時も、ごはんが元気を連れてくる。おいしいものいろいろ詰め合わせ、心がほっこりあたたまる極上お料理小説。
感想・レビュー・書評
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良い意味でありふれていて、この世界のどこかで同じように生きている人がいるんじゃないかなと思えるエピソードとおいしそうな食事にほっとできる一冊。
一番好きな話しは『お好み焼き』 -
4,5ページの、短編が23個入った短編集。
伊達巻からはじまり、ローストチキンまで様々な料理とそれを取り巻く家族や、
お姉さんが弟に作る「ごまかしのカルボナーラ」と、
風邪を引いた夫と娘におかあさんが作る「ポトフ」が特に好きです。
報われない毎日が続いたとしても、作った料理を家族で食べれることって幸せなんだな。「明日も、明後日も、恐くはなかった。この瞬間があるのならば。」いいな〜…煮込み料理って家族で食べるものっていうイメージが私の中でなんとなくあるからなのか、余計じんわり来ました。
じっくりことこと、自分を含めた誰かの為を思って作る料理っていいなと思える一冊。
橋本さんの素朴な文章がじんわり染みてくるようで素敵でした。 -
食べ物にまつわる日常の人間模様を描いた短篇集。
食べ物というささやかなものを縁につながっている儚い
心を掬い取るような1冊。読み心地がいいなという感想が
一番ピッタリ来る感じでした。
心のほころびも日常にはあるのだけど、
それを埋めてくれるのはやっぱり、別れても
関わった事のある人や、緩くてもつながってるひと。
本当に憎むということはなかなか出来なくて。
どこかに慈しみや優しさのかけらが引っかかっているもの。
人間だから。食べることと、他の誰かがいなければ。
やっぱり生きてはいけないものなのですよね。
残り香や、置き忘れたカーディガンのような。
何気ない優しさや痛み。
いたわりや記憶。そして…誰かを求める気持ち。
ないとやっぱり、生きてはいけないんでしょうね。
どこかにまだそんな気持ち…私は持ってるかな? -
短い作品がたくさん詰まった本で、一篇一篇に料理が出てくる。
一人きりの料理、二人の料理、家族の料理。
料理を作りながらいろいろなことを考える。食べながら思いを巡らす。バラバラの材料がいろいろな過程を経ながらひとつの美味しい料理になるのは、家族ができあがっていくのと似ている。離れかけた気持ちを一つの料理がつなぎとめることもある。
びっくりするような話はないけれど、一つ一つが美味しそうで、読んでいて顔がほころんでくる作品ばかりです。これを読むと料理をしたくなります。 -
色んな料理が出てくる一年間の短編集。
年末年始に読んだのは正解だった。一話ごと独立で繋がることはないけど、それぞれの場所で皆生きてるんだなと改めて思った。 -
ご飯にまつわる短編集。
毎日少しずつ読むには、丁度いい量。
じんわり感動したり、甘酸っぱい恋の話し合いだけではなく、ビターな大人の駆け引きや、ピリリと刺激のあるストーリーもあった。どれも日常を切り取ったような、身近なお話し。
伊勢風雑煮が好きだった。変わるものがあっても、自分の軸となる部分は変わらない。切ないような、懐かしいような、なんとも言えない気持ちになった。 -
BSフジ「原宿ブックカフェ」のコーナー“文壇レシピ”で登場。
http://harajukubookcafe.com/archives/941
本の中に登場するあの美味しそうな一品を
実際に再現してみよう!というこのコーナー。
第75回目に紹介されたのは、橋本紡の『今日のごちそう』に出てくる「カルボナーラ」
―「あんたの言うとおり、こうして食べるほうがおいしい」
原宿ブックカフェ公式サイト
http://harajukubookcafe.com/
http://nestle.jp/entertain/bookcafe/ -
それぞれちょっと不器用そうで、それなりに一生懸命生きている姿に好感が持てる。
こうして、美味しいものを中心に据えつつ、物語が進んでいくのを見ていると、人の生活と食べるってこと、切り離しては考えられないなーとしみじみ思う。
どんな時も、ご飯が美味しいと感じられるようになったら、もう大丈夫って思える部分もあるしね。