破戒者たち <小説・新銀行崩壊>

著者 :
  • 講談社
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感想 : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (418ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062175548

作品紹介・あらすじ

今世紀初頭に叫ばれた構造改革・金融再生のかけ声。その波に乗り、"ミドルリスク・ミドルリターン"という理念を持つ新しい銀行として船出した新日産興銀行。貸し渋りや貸し剥がしに苦しむ中小企業の救世主として期待されながら、設立当初から低空飛行を続け、開業からわずか6年で破綻した。金融界の改革者と謳われた経営トップによる銀行の私物化。野心むき出しのポストへの固執。検察やメディアへのリークの応酬。

感想・レビュー・書評

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  • 滅私奉公

  • 日本振興銀行をモデルとした経済小説。
    以下は実際の出来事。小説では一部脚色されている。
    同行は2003年2月12日、東京JCが第一ホテル東京で開催した例会で、木村剛が「20億円集めれば銀行をすぐに作れる。」と発言したことをきっかけに、東京JC入会希望者として出席していた消費者金融の資金元である卸金融を手がけていたノンバンク「オレガ」の落合伸治が20億円用意し、木村にアドバイスを受け「中小新興企業融資企画株式会社」を設立して銀行設立準備に入った。
    また、2003年度東京JC理事長の平将明も銀行設立計画に賛同し、さらにJC会員約90人から1億円が集められた。同年8月20日に予備免許申請が金融庁に受理され、同日夕刻、落合、木村、平の3人が「日本振興銀行設立」記者会見を行った。以降、新聞や雑誌など多くのメディアで「東京JCが新銀行をつくる」と事実に反する報道がされることとなり、東京JC事務局にはOBからの苦情や一般からの問合せが殺到した。2日後の8月22日、平は「公益法人は営利企業の設立はできない。個人の立場で記者会見に臨んだ」と東京JCメルマガを通じて見解を明らかにした。
    その後、設立資金20億円出資者の設立発起人で社長に就任していた落合は、木村や平を含む役員らに銀行役員を解任され、木村を告発するなどゴタゴタが続いた。
    2005年1月1日には取締役の辞任が相次ぐ中で、取締役会議長を務めていた木村剛が社長に就任した。同年6月には会長に就任した。
    2010年6月11日、金融庁からの検査忌避の告発を受け、警視庁が日本振興銀行を捜索し、7月14日、警視庁の取調べを受け、同日銀行法第63条第三号違反(同法第25条に基づく検査の忌避)容疑で警視庁に逮捕される。東京地方裁判所において懲役1年執行猶予3年の有罪判決(求刑は懲役1年の実刑)。月末までに控訴せず確定。

  • 「日本振興銀行」がテーマですね。
    ややマニアックな企業(笑)がテーマですから全ての人にはお薦めできない本です。

    私の住んでいる県に「振興銀行」の構想者(主要メンバー)のK氏(この小説の主人公ですか)が講演に来た際、講演後のパーティーで隣席をさせていただいのですが、「銀行をつくりましよう!20億円集めてくだされば私がノウハウを提供します」と話をされていた事をよくおぼえています。

    この銀行の話題はリアルタイムでウォッチしてきたのですが、読みながら改めてふりかえってみると(どこまで真実かはともかくとして)、どこでこの会社はボタンをかけちがえたのかな、と不思議な気持ちになりました。

    関わった人間が基本的に悪かったんですかね(笑)
    おもしろいなと思ったのはこの小説、登場する人物がほとんど悪者扱いで描写されているんですよね。

    余談ですが、商工ファンドの大島氏が登場したところの描写はなかなか迫力がありましたね。

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著者プロフィール

1939年東京生まれ。化学業界専門紙の記者、編集長を経て、1975年『虚構の城』でデビュー。以後、綿密な取材に裏打ちされたリアリティに富む経済小説を次々に発表。企業組織の不条理と戦うミドルの姿を描いた作品は、日本中のビジネスマンより絶大な支持を得ている。他の作品に『金融腐食列島』『乱気流 小説・巨大経済新聞』『管理職の本分』『破戒者たち 小説・新銀行崩壊』、などがある。

「2020年 『銀行渉外担当 竹中治夫 メガバンク誕生(4)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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